「時短・日短派遣」受け入れで多様な経験を活かした編集チームに|株式会社カカクコム

「時短・日短派遣」受け入れで多様な経験を活かした編集チームに|株式会社カカクコム

「なかなか求める人材に出会えない」という悩みを解決する方法のひとつとして、時短・日短派遣が注目されています。今回は約1年半前から時短・日短派遣の受け入れを始めた、株式会社カカクコム 事業開発本部 キナリノ・icotto(イコット)事業部 黒沢彩織さんにインタビューさせていただきました。時短・日短派遣の導入を検討する採用担当者が抱くさまざまな疑問や不安、受け入れにあたって工夫したこと、実際に受け入れてみて感じたことなど、現場のリアルな声をお届けします。

時短・日短派遣とは

時短派遣は、1日の勤務時間が短い派遣サービス、日短派遣は、1週間における勤務日数が少ない派遣サービスのことで、片方だけの場合もあれば、両方の条件を満たす場合もあります。子育てや家事、介護をしながら働く人や複数の仕事を掛け持ちしたい人、趣味と仕事を両立させたい人など、働き方が多様化している今、人材不足を解決する手段として導入を始めた企業も増えています。

旅メディアの編集ディレクターを派遣で募集

―派遣スタッフに依頼している業務内容を教えてください。

時短・日短の派遣スタッフが在籍する部署は、カカクコムが運営している20〜30代女性をメインターゲットとした旅の情報メディア「icotto (イコット)」の編集部です。派遣スタッフに依頼しているのは、記事を作成する編集ディレクションで、記事のテーマ出しから構成立案、外部ライターへの依頼やスケジュール管理、校閲、システムへの登録、公開までの業務をお願いしています。それぞれ毎月の目標本数を持っていただき、一人の編集ディレクターにつき複数名のライターさんを担当して記事を仕上げてもらっています。

―時短・日短派遣の活用前はどのような状況だったのですか。

10〜19時の「フルタイム」で勤務していただける方のみ募集していました。「時短」や「日短」という選択肢は考えていなかったですね。

ディレクション領域が広いため編集経験のある方を求めていましたが、派遣会社からの紹介は未経験の方が多かったです。“旅メディアの編集”というと一見華やかなイメージがあるせいか、「旅行が好きなのでぜひやってみたいと」いう意欲的な方が多くいらっしゃいましたが、やはり編集未経験の方が活躍できるまでは時間もかかり、本人・マネジメントする側ともに想像以上の大変さがありました。

経験者を獲得するために時短・日短派遣を依頼

―募集の枠を「時短・日短」にまで広げようと考えたきっかけを教えてください。

「10〜19時のフルタイム勤務で編集経験のある方」という条件で派遣依頼をしてきたのですが、なかなかマッチする人材が見つからなくて困っていました。そんなときに、リクルートスタッフィングの担当者から「週4−5日または17-18時までの勤務もOKにしてはどうか」と提案をいただきました。キャリアやスキルを活かして働きたい経験者のなかには、家庭をお持ちの方や子育て中の方も多いので、終業が19時だと生活との両立が難しく応募に結びつきにくいとのことでした。とにかく求める人材の獲得に苦戦していましたから、試してみる価値はあるかもと考え、「時短・日短勤務でも可能」と選択肢の幅を広げてみることにしました。

―時短・日短派遣を受け入れる際、不安に思われたことはありますか。

勤務時間が少なくなるので、フルタイムの方よりアウトプットの量が少なくなることを懸念しました。それでも、求めているスキルを持った方にお願いしたいと考え、受け入れの検討を開始しました。

「時短・日短勤務可」で編集経験者の紹介が増加

―「時短・日短勤務」でも可能にしたことで、派遣会社からの紹介数に変化はありましたか。どんな紹介者が増えましたか。

リクルートスタッフィングの担当者によれば、「時短・日短勤務可」という条件を加えたため、紹介できる経験者の数が増えたそうです。
◇子どもがいて保育園に迎えに行ける時間に仕事を終えたい方
◇フリーランスで仕事をしていて、副業を探している方
◇前職の編集の仕事があまりにハードすぎて、しばらくはゆっくりペースで仕事がしたい方
など、それぞれ時短・日短勤務で働きたい理由はさまざまでしたが、十分な編集の経験とスキルをお持ちの方をご紹介いただきました。

―実際に受け入れた方の人数や勤務の時間、日数を教えてください。

リクルートスタッフィングからご紹介いただいたなかでは、「9〜16時・週4日勤務」が1名、「10〜18時・週5日勤務」が3名です。みなさん、紙媒体かWeb媒体、または両方の編集経験がある方々です。18時までですと、フルタイム勤務と比べ1時間のみの時短になりますが、家庭のある方にとっては1時間早く帰れれば家族のために食事の用意ができるということで、その違いはとても大きかったようです。

時短・日短派遣を受け入れる際に工夫した4つのこと


時短・日短派遣を受け入れる際に工夫した4つのこと

「リクルートスタッフィングの担当者には、いろいろなアドバイスをいただき助かりました」と黒沢さん。

―時短・日短派遣受け入れのために、業務フローで変更されたことや工夫されたことがあれば教えてください。

もともと編集業務は個人の裁量で進めやすい仕事なので、業務フローについては大きく変えませんでした。受け入れに際して工夫したのは、「研修の見直し」「ミーティング時間の変更」「月1回の1on1フォロー(個別面談)」「勤務時間に応じた月間目標本数の設定」の4つです。

Webの記事作成はとてもルールが多いので、時短・日短派遣の導入前までは、それを覚えていただくための数々の研修、紙媒体の経験しかない方にはWebの知識を身につけていただく研修もおこなっていました。通常ならば独り立ちするまでに約3ヶ月のプログラムなのですが、時短や日短勤務だともっと時間がかかってしまいます。そこで、研修のフローを見直して内容を凝縮したり、ゆくゆく覚えればいいことは省略したりしました。このことは、従来のルールを見直すいい機会にもなりましたね。

ミーティングの開催タイミングは、時短・日短スタッフがいる時間帯に変えました。2020年4月からは新型コロナウイルス感染拡大防止のために、編集部もリモートワークになったので、研修内容や会議のやり方もリモート用に見直しています。

月1回の「1on1フォロー(個別面談)」は時短・日短派遣導入前からおこなっていますが、職場外で両立させたいものがある時短・日短スタッフならではの悩みを把握するうえでとても役立っています。

―フルタイム勤務と時短・日短勤務で業務目標を変えたのですね。

フルタイム勤務用に設定していた目標本数をベースに、働く時間に合わせて調整しました。また、勤務時間の違いによって目標本数を変えて設定していることは、フルタイム勤務のスタッフも含め全員に周知させて双方に不公平感が生まれないようにしています。

個々の評価については、時短・日短勤務だからといって不利になることはありません。記事がSNSで評判になっていることや、記事で紹介した宿の業績がアップしたことなど、本数目標だけでない中身の成果も評価し、個々にフィードバックしています。

多様な経験者を受け入れることで記事のクオリティもアップ

―時短・日短派遣を受け入れてみて、よかったことを教えてください。

条件を広げて経験者を受け入れたことで、その方の経験を活かした記事が生まれています。たとえば、ファッション業界の出版経験がある方からは、旬でおしゃれなスポット情報、またお子さんがいる方からは親子で楽しむ旅の紹介など、記事のバラエティが豊かになり、クオリティの高い記事が生まれています。

また、編集経験者なので仕事の流れやコツを掴むのは早いですね。時間に制約があることで時間への意識が高く、業務効率もいいと思います。2020年4月からリモートワークに切り替えましたが、問題なく業務を進めてくれています。

―今後も積極的に時短・日短派遣を受け入れていきたいとお考えですか。

勤務条件の枠を広げることで、求めている人材に巡り合える可能性が大きくなることを実感しました。今後も勤務時間での募集制限を設けずに、スキルや経験など、総合的な観点から受け入れを考えていきたいと思っています。

チーム意識の向上でより大きなアウトプットを

―今後も時短・日短勤務を受け入れるにあたって、課題に感じていることはありますか。

就業時間に制約があるので、記事のクオリティと月間本数目標のバランスを保つことが課題ですね。子育てやほかのお仕事、趣味などと両立させている方が多く、目標達成のためにストレッチしていただくのが難しいと感じています。もともと編集は個人の裁量によるところが大きい仕事なうえ、勤務時間が異なるとさらに一体感を持ちにくくなってしまうのですが、今後はほかのメンバーと連携して目標を達成できるようなチーム制の導入もひとつの選択肢として検討しています。

時短・日短派遣を検討している担当者へアドバイス

―これから時短・日短派遣を受け入れてみようと考えている企業の担当者の方へ、アドバイスをお願いします。

時短や日短での勤務は、個人の裁量によって進められる業務には向いているのですが、業種や職務内容によっては合わない場合もあると思います。カカクコムでも全社的に受け入れているわけではなく、部署や職種によって募集条件は異なります。任せる仕事の内容や求めるスキル、受け入れる組織の風土など、いろいろな面からの検討をおすすめします。

そして、受け入れにあたっては、現状の業務フローの調整や、従業員から不公平感が生まれないような目標設定や評価システム、フィードバックの方法の検討も大切だと思います。

また、初めて導入されるのであれば、複数人採用もおすすめです。同じような条件の人がそばにいれば、ちょっとした疑問や悩みも相談しやすくなり、個々のモチベーション維持につながると思います。

まとめ

今回の取材では、派遣依頼条件に「時短・日短勤務可」を追加したら求める人材の紹介が増えたこと、受け入れにあたり、業務フローや目標設定の見直しをされたというお話を伺うことができました。

時短・日短派遣の導入にあたってどう準備したらよいのか、またどのようにマネジメントしたらよいのかなどさまざまな疑問や不安については、リクルートスタッフィングの担当者がサポートさせていただきますのでご安心ください。

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