派遣スタッフのフォロー・マネジメント|派遣活用の6STEP⑤就業マネジメント

2021.06.25

派遣スタッフのフォロー・マネジメント|派遣活用の6STEP⑤就業マネジメント

できるだけ長期での就業を派遣スタッフに望む企業も多いのではないでしょうか。しかし残念ながら、派遣スタッフからの意向により半年未満で就業を終了するケースもあります。派遣スタッフに安定して就業してもらうには、適切な就業フォローが欠かせません。そこで今回は、派遣スタッフのフォローやマネジメントについてご紹介します。

就業初日の対応

派遣スタッフ就業初日の対応は非常に大切です。初日に「ここなら安心して働けそうだ」と感じてもらうことで、その後の安定就業とパフォーマンスの発揮につながります。まずは歓迎の気持ちを伝え、緊張をほぐしてもらいましょう。

初日に対応すべき具体的な内容

就業初日には、具体的な業務の話をする前に、伝えておくべきことが多くあります。

まず派遣スタッフを関係者に紹介しましょう。その際に、大まかに組織体制、社内関係者のそれぞれの業務を伝えると、派遣スタッフが全体像と自分の役割を把握しやすくなります。また、社内関係者には、派遣スタッフへの依頼業務や就業時間などを伝えると、その後の業務開始がスムーズになります。
社内の人に紹介するとともに、オフィスについても案内します。利用できる福利厚生施設や、休憩室、洗面所、プリンターの場所などを使用のルールとともに紹介しましょう。

職場見学の際にすでに伝えている事項もあるかもしれませんが、改めて会社のカルチャーや風土などについても話しておくと、納得感やモチベーションを高めたうえで業務を開始することができます。

立ち上がり支援

就業初期は立ち上がり支援時期として、指揮命令者もしくは業務支援者がていねいにフォローしましょう。社内システムの使い方など、社内では当たり前のことでも慣れないうちはストレスになります。また、「こんなことを聞いてよいのだろうか」と都度質問することを躊躇する派遣スタッフも多くいます。よくある質問や過去のトラブルなどを記録しておき、困ったことがあったときに参照できるようにしておけば、フォロー側の負担も軽減されます。

労働時間の管理

派遣法上では、派遣スタッフの労働時間管理は派遣先企業の責任となっています。日々・⽉次の勤怠承認をおこない、過重労働にならないように労働時間をしっかり管理しましょう。

また、派遣という働き方を選択している理由として、家族やプライベート、別の仕事などとの両立を希望し、時間に制限を持って働いている派遣スタッフも多くいます。そのため、法律上の労働時間だけでなく、個々の派遣契約上の就業時間を超えていないかという点も配慮が必要です。時間外労働が可能な派遣契約であっても、契約上の業務時間を超えて業務をお願いしたいときは、本人に確認するようにしましょう。

有給休暇の希望

派遣スタッフにも年次有給休暇は発生し、当然ながら取得することができます。年次有給休暇を取得させる義務は派遣元にありますが、実際の取得には派遣先企業との連携が必須です。派遣スタッフに有給保有状況を確認しておくとともに、休暇の希望を申し出しやすい環境づくりが大切です。また、派遣スタッフが有給休暇を取得した場合でも、業務に支障が生じないように準備をしておきましょう。

フォロー/フィードバック

徐々に業務に慣れてきたとしても、人の入れ替わりや商況の変化によって派遣スタッフの環境にも常に影響が生じます。また、業務に慣れてくることにより業務量が増えることもあります。定期的かつ直接的なコミュニケーションをとおして、声を聴くことで派遣スタッフのコンディションを確認することができます。

フォロー/フィードバックの観点

就業コンディションの確認のポイントは『業務量』『業務レベル』『属人化』の3点です。
「引継ぎが不十分で独自のスタイルで何とかこなしているがこのままで大丈夫か不安だ」「就業初期から業務が増えて負担が大きいと感じてきている」といった相談が派遣スタッフから派遣元に寄せられることがよくあります。まずはこの3点から、「業務量が偏っていないか」「契約内容と実業務のレベルに差異はないか」「業務が属人化していないか」を定期的に確認しましょう。

フォロー/フィードバックのポイント

派遣元に相談する前に、「まずは派遣先の社員に相談したい」と望んでいる派遣スタッフも多くいます。また、派遣元からだけでなく、いつも一緒に働いている人から直接評価を受けることは高いモチベーションにつながります。些細な悩みや相談を聞いたり、直接フィードバックしたりする場として、1on1を設けるのも効果的です。とくに社員に対して 1on1を実施している企業は、社員との差別を感じさせないためにも実施するとよいでしょう。

1対1で会話をする場がないことで、小さな不安や不満が大きなストレスへと膨らんでしまうリスクもあります。派遣スタッフの声を聴き、フォローや解決案を検討・提案することで早めの対処ができ、安定就業へと繋がります。

業務変更のフロー

派遣スタッフに依頼したい業務内容や業務量に変更がある際は、契約内容の変更が必要になります。
この場合は、雇用条件に関わることであるため、派遣先から派遣スタッフへ直接確認するのではなく、必ず派遣会社にご連絡ください。合意のプロセスを曖昧にしてしまうと、派遣スタッフの納得感がなく就業終了へと繋がってしまうこともあります。

まとめ

派遣スタッフへのフォローやマネジメントについてのポイントをお伝えしました。忙しそうなときに「大丈夫?」と声をかけたり、急な対応をしてくれた際に「ありがとう、助かったよ」と伝えたり、些細な言葉や対応で不安や緊張がやわらぎモチベーションが上がることも多くあります。逆に、「誰に聞いても教えてくれない」「業務上必要な情報が伝わってこない」などの不満が就業終了のきっかけとなるケースもあります。

派遣スタッフが自身の存在価値と働きやすさを感じられる職場は、自ずと定着率が高まります。同じ職場で働く一員として、まずは耳を傾けるところから始めてみてください。

~派遣活用の6STEP~

派遣を依頼する前に決めておくこと|派遣活用の6STEP①依頼

職場見学の流れと注意すべきポイント|派遣活用の6STEP②職場見学

人材派遣における契約の流れ|派遣活用の6STEP③契約

派遣スタッフ受入前に準備しておくこと|派遣活用の6STEP④受入準備

派遣スタッフのフォロー・マネジメント|派遣活用の6STEP⑤就業マネジメント

派遣スタッフの後任に備える|派遣活用の6STEP⑥契約終了~後任手配

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