支店が統合されたら、事業所単位の抵触日はどうなるの?

2021.07.15

支店が統合されたら、事業所単位の抵触日はどうなるの?

ある日、派遣会社営業のあすかさんはお客様からこんな質問を受けました。

「A支店とB支店 が統合されることになりました。A支店にもB支店にもそれぞれ派遣スタッフさんがいらっしゃるのだけれど、この場合、事業所単位の抵触日はどうなるのかしら?」

詳しい状況は以下です。

  • A支店とB支店は、「雇用保険の加入(適用)事業所」としては別単位
  • A支店の事業所単位抵触日は2023年10月1日
  • B支店の事業所単位抵触日は2022年10月1日
  • 統合日は2021年9月1日

あすか

リクルートスタッフィング入社1年目、派遣営業部所属。
口ぐせは「確認します…」と「教えてください!」

さとし

リクルートスタッフィング入社8年目、法務部所属。
好きな業務はリーガルチェックのテスト作成

あすか
教えてください!

さとし
はい、なんでしょう?

あすか
ふたつの支店が統合されたときの事業所単位抵触日はどうなるのでしょうか? それぞれの事業所における派遣スタッフの派遣可能期間は変更されますか?

さとし
なるほど。事業所の分割や統合、また法人の合併や譲渡が起こる場合ですね。まずは、「事業所単位」の考え方を確認しましょう。事業所の単位は、「雇用保険の加入(適用)事業所」で考えます。手続きは本社の人事が行っていることが多いので間違えやすいですが、雇用保険の適用事業所単位に変更があるわけではないので注意が必要です。

あすか
その考え方でいくと、今回の場合、A支店とB支店は別の事業所になります。

さとし
つまり、それぞれの事業所に抵触日があるということですね。そして、この2つの事業所が統合した場合、組織構成や業務内容、また指揮命令系統の変更の有無にかかわらず、事業所単位抵触日は新しい統廃合先に引き継がれることになります。

あすか
統合先に引き継がれるということは、統合の日が新しい起算日になるということですか?

さとし
いいえ。今回のようにそれぞれの抵触日が異なる場合は、その中で最も早い抵触日で統一することになります。統合などの日を新たな起算日とする期間制限は発生しませんので、くれぐれもご注意してください。

あすか
なるほど。元々のA支店の事業所単位抵触日が1年前倒しになってしまうのですね。

さとし
はい、派遣受入れを継続するには、統合された新しい事業所単位にて意見聴取を行い、派遣利用継続について検討をいただく必要があります。

あすか
意見聴取が必要なのですね!ありがとうございます。

こちらの記事もご参考にしてください。
【抵触日】派遣受入期間の制限|知っておきたいリーガル知識
事業所抵触日の通知|知っておきたいリーガル知識
意見聴取手続き|知っておきたいリーガル知識

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