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【インタビュー】スキルを活かしながら、働き方を変えていく

エンジニアとしてのキャリアを考える上で、スキルアップに不安を持つ方は多いのではないでしょうか。株式会社リクルートスタッフィングが運営するITSTAFFINGでは、スキルアップのために努力されている登録スタッフにインタビューをし、普段のお仕事で気を付けていることや、スキルアップのための取組み方について定期的にご紹介します。エンジニアとしてのキャリアを積む方はもちろん、これからエンジニアになりたいと考える方にとっても、行動のヒントになるはずです。

今回ご紹介するのは、過去に正社員のエンジニアだった鎌田仁子さん(54)。官公庁や銀行などをクライアントに持ち、公共性が高く緊張感のある現場を数多く経験してきました。年齢を重ねて体力的なものやニーズの変化を感じ、より居心地のよい派遣としての働き方にシフト。その経緯やキャリアの積み方を伺いました。

鎌田仁子さん

徐々に働き方の見直しを意識するように

鎌田さんは専門学校(3年間)で情報工学を学び、エンジニアとして就職。その後長い間、プロジェクト参画型で数々のシステム開発に関わってきた。

「もともとは汎用機でCOBOLをやっていましたが、どんどん方向転換をしてC言語やサーバ系、Javaなどにも取り組んできました。比較的大きなプロジェクトに多数関わり、広い知識を得てきたんです。そこでは、優秀な方や意欲の高い方が多く、自分が早く成長している実感があった。官公庁や銀行など、公共性の高いクリティカルなプロジェクトで、厳しいけれどやりがいのある仕事に多く関わらせていただきました」

当時は、自分を追い込んで勉強し続ける日々だったそう。

「例えば、Java開発のプロジェクトに初めて参画した際には、自宅に環境を作り、夜中まで技術検証をすることも。クライアントがやろうとしていることに、自分で裏取りをしていました。ほかにも、金融のシステムを担当していたときには、専門用語を知るために辞書を購入して調べたりもしました」

プロジェクトに入ってから学ぶのでは間に合わない。自ら検証したり、調べたりしなくてはならないため、スピードも責任も求められる。

第一線で活躍していた鎌田さんだが、年齢を重ねるうち、環境に違和感を覚えるように。

「プロジェクトに若いスタッフが多いためか、自分が案件のニーズに合わないと感じるようになったんです。プロジェクトとしても、30~40代をメンバーにほしがっていることが多いと感じていました」

さらには、ハードな仕事に体調を崩したこともあった。鎌田さんは、働き方を見直すことになる。

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ストレスが少なく、居心地のよい職場

「違う場所で働こう」と思い、派遣に登録。豊富な経験が評価され、派遣先はすぐに見つかった。

「40代の頃に一度だけ、経験のために派遣スタッフとして働いたことがあり、様子はある程度わかっていました。今の就業先は以前の正社員時代のように強いストレスがなく、就業時間も長くないので快適です。自分のペースで働く働き方に居心地の良さを感じています。また、もし就業先に合わなかった場合も、派遣会社の営業さんに相談することが出来る。正社員ではなかなか相談できる人はいませんから」

とはいえ、やりがいは減っているのではないだろうか。

「やりがいは、能動的に見いださなくてはいけないと思っています。例えば、担当者の方の助けになれることを喜びにしたり、空いた時間で最新情報を収集したり。今は、正社員が安定しているとも限りません。正社員でなくなっても、派遣という働き方があるのはとてもありがたいですね」

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健康管理のほか、技術的な情報収集も積極的に

派遣エンジニアとして働くようになり、会社帰りや土日と、自分の時間が増えたという。

「今楽しんでいるのは、スポーツクラブです。『リトモス』というラテン系をはじめ、様々なジャンルがミックスされたダンスクラスをメインに通っています。もともと運動神経は悪くない方なので、振り付けもちゃんとついて行けて楽しいです。他に、水泳やヨガもやっていて、週に5回くらいスポーツクラブへ行くこともあります」

とても活動的な鎌田さんだが、情報収集も怠っていない。

「過去には資格試験を受けたりもしていましたが、今はそれよりもIT業界の動向を気にするようにしています。この先何を勉強すればいいのか、メディアをチェックして把握するんです。例えば、Fintechなどが注目されていることから、インフラやミドルウェアが重要になるのだろうと考えています」

Fintechだけでなく、AIや仮想化など、最新のトレンドに対して幅広く興味を持っているそう。

「いろいろと情報収集して、職場で役に立つ人になりたいと思っています。ただ、私とお客様(就業先から見たクライアント)が直接話すことはあまりないので、想像力が働かない部分があります。この部分は派遣元の営業さんとのコミュニケーションも密にすることで、より業務への理解を深められるといいなと思います。また、私自身のスキルを『見える化』する必要があるだろうとも考えているところです」

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すでにたくさんのスキルと経験を持つ鎌田さん。この先もずっと、技術を学んでいたいのだとか。

「正社員の頃は、昇格したいという欲求もありました。今はそれがなくなって気持ちも穏やかになっています。ずっと仕事ができればいいかな、と。勉強は楽しいので、いくつになっても新しい技術を学んでいきたいですね」

勉強を続けて業界の動向を把握しながら、ずっと感度を高くしておきたいと言う。さまざまなプロジェクトに参画してきたという変化に強い特性を持ち、派遣エンジニアという新しい環境にも順応する。「生涯現役でいたい」という鎌田さんからは、すがすがしい意欲が見て取れた。