らしさにこだわれば、らしい働き方が見えてくる。
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「やりたいことができる」が自分らしさ。必要ない我慢はせず、頼れるものは頼る

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自分らしく働きたくても、仕事に全力投球できない人もいる。例えば、子どもが生まれたばかりのママは、復職のための採用面接に行くのでさえひと苦労。

そんなときにありがたいのが、「地域で子育てし合う」習慣。“昔の話”と思われがちだが、実は今の時代にも叶う。リアルとインターネットをかけ合わせ、広まりつつあるのが「子育てシェア」という仕組み。この画期的なサービスを運営するAsMamaの代表取締役社長・CEOの甲田恵子さんに話を伺った。

子育てに携わるすべての人が幸せになるサービス

AsMamaのミッションは、「誰もが育児も仕事もやりたいことも、思い通りに実現できる社会の仕組みや取り組みを創る。」というもの。子どもが生まれたことで仕事ややりたいことが思い通りにならない状況を変えていきたかった。

「子育てシェアは、子どもの送迎や託児などを、知り合い同士で助け合えるサービスです。最低1時間500円からをお礼として支払うルールとして使ってもらっています。それにより『いつも私ばかり申し訳ない』『どうやってお礼しようか』などと気に病むこともなく、お互い気兼ねなく利用できるのです」

大切な子どもだからこそ、知らない人より、知っている人に預けたい。とはいえ、万が一の事故や怪我も心配。そのため、子育てシェアを利用すると、預かる側である支援者全員に保険が適用される。また、登録料や利用料はゼロで、支払うお金はすべて預かってくれた人に渡るのも嬉しい点。運営費などは、サポーター企業からの協賛金や広告料でまかなっているのだ。

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「『働く』とは、必ずしも9時から17時まで勤めることではありません。フルタイムで働きたい人もいれば、週3日だけ通勤したい人、子育ての中で人助けをしたい人など、さまざまです。例えば、フルタイムで働きながらも、子どもを幼稚園に入れたいママが、子育てシェアを利用して何人ものママ友に代わる代わる預けた、という事例もあります。子どもはまるで兄弟姉妹がいるように社会性が身につき、『今度はうちに来て』と呼ばれるほどだったそうです。お互いにイキイキして生活できるということが、『らしく』働くことにつながるのではないでしょうか」

ほかにも、習いごとの送り迎えなどを助け合うことは多いそう。会社勤めをしている人にとって、習いごとのためだけに会社を早退するのはかなりの負担だが、自分の子どもを送り迎えしている側からみれば、一人増えても大きな負担にならない。それで少しのお小遣いが手に入るのだから、お互いに気兼ねなく、イキイキできるのだ。

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できるだけ固定観念をなくして運営を

サービスを運営していく上で、甲田さんらしいこだわりが「固定観念をできるだけなくす」ということだった。だからこそ、画期的な仕組みを軌道に乗せることができたのだろう。

「登録料や手数料を一切取らないというのは一番のこだわり。さらには、投資も融資も一切受けずに創業から5年以上経営してきました。叶えたいことを叶えるのが一番大切なので、『それは本当に本質的か』と常に考えるようにしています。その結果、スタッフの働き方はフレキシブルで、通勤しなくてもいいし、子連れもオッケー。全国各地のみならず、海外にもスタッフがいるんです」

今後は、子育てシェアの仕組みをもっと改善させていくと共に、別の分野への進出も考えているのだとか。

「子育てシェアは、毎週のようにシステムを改善しています。今後は、預けるのが難しい宿泊などにも対応していきたいと。それ以外では、中高齢者の生活サービスに取り組んでいます。1週間誰とも話をしていない、誰にも頼りにされていない、といった悩みを抱える方々がもっとイキイキできる居場所を作れるようにする取り組みです」

インターネットだけでなく、リアルと強く関連しているのが子育てシェアの大きな特徴。中高齢者のコミュニケーションにも、その強みを活用できるはず。

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「子育てシェア」を支えるスタッフは、男性はもちろん全国各地、そして海外にも。この日も岐阜県のメンバーとSkype会議が繰り広げられていた。

誰かに頼ることで、自分がイキイキできるなら

やりたいことを実現できているように見える甲田さんにとって、「らしさ」とはどんなことなのだろうか。

「子育てに我慢は付きもののように思われがちですが、『働きたいのに子どものために我慢する』『責任が取れないからやりたい仕事を我慢する』って、誰が幸せなのか疑問に感じてしまいます。私しかできないことは、私がやった方がいい。子育てなら、一緒にお風呂に入る、ときどきは手をかけたママの手作りごはん、ママしかできない話し相手……など。でもその日常の、送迎や掃除、洗濯は別の人や手段を頼ってもいいんじゃないかと思います。その方がイキイキできる、というのであれば、そのイキイキしているときの自分こそが、『らしさ』ですよね」

ただし、自分らしさに捕らわれすぎることへの警告も。

「『らしさ』を追求しすぎると、迷ってしまいがち。理想と現実はイコールではないですから。でも、理想を目指して頑張っている、その姿こそ自分らしいと認めていいのではないでしょうか。私も、素敵な人を真似して、演じているうちに『甲田さんってこんな人なんだ』って思ってもらえることがあります」

起業してこれまで、従業員が辞めてしまったり、期待していた約束が反故になったりなど、落ち込むこともたくさんあった。でも、そのたびに「仕方ない」と立ち上がってきた。「結果がよくなくても、そこまでできたんだから失敗じゃない」と言う甲田さん。これからも、ママやパパだけでなく誰もが生きやすい社会のインフラを作るべく、“AsMamaらしい姿”で進んでいくに違いない。

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株式会社AsMama(アズママ)
代表取締役社長・CEO 甲田恵子さん
1975年大阪府生まれ。関西外国語大学を卒業後、特殊法人環境事業団にて役員秘書と国際協力の関連業務を兼務。2000年、ニフティ株式会社に入社。海外事業部に所属し、渉外・マーケティングに携わる。結婚、出産を経て、06年の復職とともに上場準備室に異動し、IR担当に。07年、ベンチャー投資会社に入社。広報・IR室長を務める。09年3月に退職後、同年11月に株式会社AsMamaを創設。著書に『子育ては頼っていいんです~共育て共育ち白書』(神奈川新聞社)、『ワンコインの子育てシェアが社会を変える』(合同出版)。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:刑部 友康(おさかべ ともやす)