1. トップ
  2. らしく働く
  3. 自らの提案からデザイナーへの階段を昇る。子育てとのバランスを取りながら

自らの提案からデザイナーへの階段を昇る。子育てとのバランスを取りながら

「デザインができればいい」——その思いは決してぶれないという符結子さん(37)。もともと趣味で扱っていたIllustratorやPhotoshopなどのソフトを、業務で使うよう提案。そこからデザインの経験を積み、デザイナーとしてのステップを歩み始めた。子どもが生まれてからも、短時間の勤務にすることで、ストレスなく好きな仕事に就けている。そのキャリアの重ね方を伺った。

最初にデザインに携わったのは、自らの提案

もともと、イラストや絵を描いたりするのが得意だったという符さん。趣味でIllustratorなどのデザインソフトを使っていたという。年賀状を制作したり、友だちにフライヤーを作ってあげたりして、得意分野を活かしていた。ある時、派遣スタッフとして営業アシスタントをしていた職場で、オフィス内のハイスペックなMacがほとんど使われていないことに気づく。

「それまで、その会社では社内資料をWordやExcelで作成していたのですが、見栄えが良くなるようにIllustratorで制作することを提案しました。上司が受け入れてくれて、チャンレジさせてくれたんです。それまでは趣味として取り組んでいたことが、仕事になるとわかり、責任感を感じるとともに、『デザインの世界でやっていこう』と腹をくくるきっかけになりました」

制作した資料は社内でも好評。符さんはデザインの仕事ができる職場を探し始めた。

グラフィックデザインの仕事に絞って職探し

本格的に、IllustratorやPhotoshopを使う業務に限定して仕事を探し始めた符さん。デザイン制作会社に就職するのは実績がないため難しかったが、派遣スタッフとしてグラフィックデザインに携わる仕事に就くことができた。

「最初は印刷物からのスタートでしたが、Web用のバナーなども作るように。会社のホームページに使ってもらったときは嬉しかったです。スキルアップとともにキャリアチェンジをして、広告代理店でスピード重視のハードワークをしたことも。大変でしたが自信を持って、自分の職業を『グラフィックデザイナーです』と名乗れるようになりました」

実務から学ぶだけでなく、数か月ほど海外でデザインを学ぶ経験も。ロンドンの大学で、長期休暇にインターナショナルスチューデントを受け入れるプログラムを知り、参加。その時の経験が、今も生きているという。

「テーマが与えられて、大量の白紙の用紙を渡されたんです。おそらく、厚みは2cmほどあったんじゃないでしょうか。そこにデザイン画を描くのが宿題。描いていきましたが、『これじゃわからない』と箸にも棒にもかからない。でもそこで『デザインを否定されても、自分とつなげてはいけない』と学ぶんです。自分と自分のデザインを切り離せないとデザイナーにはなれないと……。その時の経験がなかったら、どこかでつぶれていたかもしれません」

子どもが生まれても、バランスよく働く

着々とスキルアップするデザイナーとしての道のり。出産や育児で一時的に休むことはあったが、ずっと働きたいという思いは変わらないという。

「仕事の分量を減らす前提で仕事を探していたので、子育てとの両立は苦になりません。今の職場は子育て世代にも理解があり助かっています。就業時間は15時までなので、早く帰ってくる小学生の子どもにも寂しい思いをさせなくてすみます」

また、今の職場であるMywayプラス株式会社は、とても働きやすいのだとか。

「ポイントだけ押さえておけば、あとは私の裁量でデザインをさせてくれます。作ったものに対して、修正点があれば明確に教えてくれるのでありがたいです。また、これまでWeb用の制作物はバナーを作る程度でしたが、CSSやHTMLなども経験を積ませていただいています。今後はこの経験を生かしていきたい」

一生現役でいたい、という符さん。Webのスキルも習得して、のちのちはフリーランスとして独立したいのだとか。子どもと向き合う上でも、時間の余裕がほしい。フリーランスは、やりたい仕事とプライベートを最大化できるひとつの選択肢。そのために、デザインに対する思いを胸に、自らの市場価値を高めていきたいと思っている。

Helveticaのシャープペンシルで、クロッキー帳にデザイン画を

「とにかくHelveticaのフォントが大好き」という符さん。デザイナーに人気のフォントだ。そのロゴが入ったシャープペンシルを愛用しており、0.5mmと2mmの芯を使い分けている。

デザインを考えるときにもっぱら活用するのはクロッキー帳。複雑な数値を一目でわかりやすく伝えられるグラフィックを手描きで考えるのだ。

リラックスタイムは、BOSEのヘッドフォンを愛用している。音の好みがぴったりで、高校生の頃から買い替え続けているのだとか。通勤中や、家事をするときなどに活用する。

自宅では、パソコンでネットサーフィンをする時間もお気に入り。子どもがそばにいれば、音楽をかけて寝かし付けをするなど、上手に活用している。

ライター: 栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:上澤 友香(うえさわ ゆか)