副業・複業がだいぶ受け入れられてきた昨今。とはいえ、まだまだ誰もが手を出せるわけではないこの働き方で、自由に走り回っている人がいる。高森優子さんが抱えている仕事はなんと4つ。忙しいのでは?と尋ねると、「でも、どれも短時間ですから」と楽しそうに笑う。彼女にとって、1つのことを追求するよりも、いくつもの顔を使いわけるほうが“楽”なのだ。

いくつもの顔が、わたしを自由にする

高森さんの4つの顔。それは派遣スタッフの事務、フリーランスの保育士、そして飲食店のホールスタッフを2つ。

週4日時短勤務の事務の仕事を中心に、保育の仕事と2つの飲食店は、空き時間を見つけて勤しんでいる。

「わたしは自由でいたい願望と、いろいろなことがしたい願望がものすごく強いんです。1つのことだけしていると疲れちゃう。いくつかの仕事をすることでバランスが取れて、どの仕事も心から楽しめるタイプみたい」

そう朗らかに笑う高森さんだが、最初から複業していたわけではない。この働き方を始めたのは、2017年からだ。

保育の仕事は「好き」だけでは続けられない

短大卒業後、幼稚園教諭として働き始めた高森さん。子どもと接する仕事は楽しかったが、人間関係や職場環境に、少しずつ心が摩耗していった。

大好きな仕事をしているのに、気がついたら「仕事が楽しくない」と思うようになっていたのだ。保育という仕事が、心から楽しめない。そんな状況が、少しずつ高森さんを追い詰めていった。

そこで一旦、保育から離れて、派遣スタッフとして事務の仕事を始めた。事務の仕事は、保育士ほどストレスな人間関係はなく、穏やかな気持ちで毎日を過ごせた。

しかし、慢性的な保育士不足のこの時世。保育園から「1年だけでいい、担任を持ってほしい!」という問い合わせがあると、「期間限定なら、またやってみようかな」と保育の仕事に戻り、心が摩耗してその契約が終わると、また派遣スタッフとして働く……ということをつい最近までくり返していた。

「子どもと接するのが好きだし、必要とされているからつい戻っちゃうんですけど、やっぱり人間関係や職場環境からくるストレスが辛くて。決められた期間以上はどうしても続けられなかったんですよね」

母のように、好きな仕事を楽しみたい

保育の仕事がしたい、けれど環境には馴染めない。自分の苦しい気持ちを無視してまで保育の仕事がしたくない、けれどやっぱり保育の仕事がしたい。

その葛藤が最大限に強くなったとき、ふと思い出したのは母の姿だった。

高森さんの母は、高森さんが小学校に入る前から介護の仕事に従事している。一つひとつ資格を取ってキャリアアップし、現在はケアマネージャーとして介護士を各所に手配しているそう。

「介護ってすごく大変な仕事のはずなのに、母はいつも楽しそうだったんです。仕事に行きたくないなんて思ったことがないって。そのことを思い出したら、私も保育の仕事でそう言えるようになりたいなって強く思うようになりました」

では、どうすればいいか。模索し始めたとき、フリーランスの保育士という働き方を知った。

バランスよく複数の仕事をこなすのがベスト

最初は、フリーランスの保育士1本で働き始めた高森さん。毎日のように依頼が来るので、収入の不安定さはあるものの生活には困らなかったが、徐々に物足りなさを感じるようになった。

「わたし本当に欲張りで(笑)。保育をやっていると、事務がやりたくなるし、事務をやっていると保育がやりたくなるんですよね。なので、いまの働き方に落ち着きました」

平日は事務の仕事をベースに、水曜は保育の仕事を。加えて飲食の仕事をバランスよく入れるのが「わたしにとってベスト」と言う。

「保育は割と素の自分でいられるんです。なので、保育の仕事が週の真ん中の水曜日に入ることで、ものすごくいいリフレッシュになる。どっちの仕事もすごくいいテンションで取り組めるんですよ」

飲食店の仕事も、料理が好きな高森さんにとって勉強ができる居心地のいい場。

そんな日々のなかで生まれた夢がある。

「いつかカフェをやりたいんです。子連れで来れて、癒されるような店。でも保育にも携わっていたい。なので、午前中は保育の仕事をして、午後はカフェの仕事をするというのが理想ですね」

自分の興味の方向に、アクティブに無垢な気持ちで飛び込んでいく高森さん。きっとその夢を叶える日は、そう遠くないのだろう。

どれも必携!常にカバンに入れています

エプロンは、保育士勤務の日に使っている。「急に依頼が入るときもあるので、常にカバンに入れています」

ペンケースは、幼稚園で働いていたときに、保護者の方がプレゼントしてくれた。なかには、事務の仕事で使う印鑑や付箋、指サックのほか、小さいハンドクリームや小さな鏡、ハンドクリーム、リップクリーム、ガムと、ちょっと必要なものが何でも入っている。

お菓子と魚肉ソーセージは、仕事から仕事への移動中に小腹を満たすため。炭酸水と一緒に摂取している。「特に魚肉ソーセージは最近のお気に入り」と照れくさそうに笑う。

ハンドクリームは手指の乾燥を防ぐだけではなく、香りで気分を上げるという効果を期待して。忙しい日々を支える必須アイテムだ。

ライター:小山 典子(こやま のりこ)
カメラマン:福永 仲秋(ふくなが なかあき)
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