大学を卒業して最初に就いた仕事は、有名な交響楽団の営業職でした。公演チケットの営業販売をしたり、グッズを制作したりして売上を伸ばすことが主な業務です。地方公演があれば、各地を回ることもありましたし、帰宅が22時を過ぎることも珍しくなく、土曜にも出勤するなど、忙しい日々を過ごしていました。
ちょうどそのころに結婚したのですが、このままの働き方では出産や子育てが難しくなるのではないかと考え、6年働いた楽団を辞めて、専業主婦として家事育児に専念することにしました。
専業主婦になってからは、幸い子宝にも恵まれ、子どもとの時間を楽しむ毎日。充実した時間でしたが、少しずつ社会と関わりたいという気持ちが強まってきて……。結婚前に没頭していた営業職という形でなくても、「人を相手にする仕事がしたい」と思うようになったんです。そこで、民間機関が提供している“初級カウンセラー講座”を受講した後、小学校で相談員の募集をたまたま見つけて応募しました。
小学校での相談員の主な仕事は、学校の保健室の隣にある相談室を週3~4日開放し、生徒たちのお話を聞くこと。不登校のお子さんや、登校はできても教室になかなか入れないお子さん、クラスメイトとの人間関係に悩んでいるお子さんと一緒に遊んだり、相談に乗ったりしていました。
相談内容は親との関係に悩むセンシティブなものから、「バレンタインデーにチョコをあげたのに、ホワイトデーにお返しがこない」といったかわいいものまでさまざま。学校を訪問した親御さんの相談に乗ることもありました。
大好きだった相談員の仕事を辞めて、転職を考えるようになったきっかけは異動です。10年目を迎えようとしていたとき、「いよいよ勤務先の小学校が変わるよ」と校長先生から伝えられて。下の子がちょうど高校に進学するタイミングだったこともあり、働き慣れた職場が変わるのであれば、いっそのこと、よりたくさんの人に携われる仕事を探してみようと転職活動を始めたんです。そこで、ご縁をいただいたのが、リクルートスタッフィング(以下、RS)でした。