広島の田舎で生まれ厳格な両親のもとで幼少期を過ごし、20代前半で結婚・出産を経験した私は、3人の子どもの母親として子育て中心の生活を送っていました。専業主婦として生きる人生を理想的な幸せのカタチと信じ、日常に何の疑問も持っていませんでした。実際、家族の健康と幸せを支える毎日は、自分の時間もなかなかとれず忙しい日々でしたが、とても充実していて今でも宝物のように感じています。
しかし子供たちが少し大きくなったころ、ひとつの転機が訪れました。13年間続いた生活にピリオドを打ち、シングルマザーとして働きに出ることになったのです。どうせ働くなら、ずっとやりたかった業界の仕事に就きたいと考え、まずは空港で働きはじめました。
憧れの気持ちでスタートしましたが、実際にパートとして働いてみると、なかなか仕事に馴染むことができず、あえなく退職。“やりたい仕事と自分に向いている仕事は違う”ことを学びました。
なんの経験もスキルもない私にとって、仕事を探す指標などありません。そんなときに目にとまったのが、『働く派遣スタッフの方をサポート。「ひと」に寄り添ってお仕事ができる方を求めています」というリクルートスタッフィングの求人キャッチコピーでした。
この会社であれば、世の中のいろいろなお仕事のことを知ることができるだけでなく、これまでの人生経験を少なからず活かせるかもしれない。ピンときた自分の直感を信じ応募したところ、ご縁を頂き入社することになりました。
はじめは週3日の契約アルバイトとして仕事を開始。ご就業中の派遣スタッフの方と定期的に面談を行ったり、就業支援を行う業務につきました。はじめはとても緊張していましたが、同世代のスタッフの方も多く、打ち解けるのにそこまで時間はかかりませんでした。社会人経験ゼロだった私が、企業の一員として働けている──周囲から見れば些細なことでも、私にとってはとてつもなく大きな一歩でした。