“あなたは、どんなときに1番エネルギーが湧きますか?”
もしそう聞かれたら、僕は「人のために何かをするとき」と即答します。京都で生まれ子どものころから、誰かのために動くのが大好き。小・中・高・大学のすべてで、部活のキャプテンやチームの代表というポジションを担ってきました。
高校時代には、サッカー部のキャプテンに就任。キャプテンは部員からの投票で決まるのですが、選ばれた時は「先輩後輩関係なく、同じ目線で意見を言い合える場を作ろう」と決意しました。というのも、実はひとつ上の先輩たちは実力があった半面怖くもあり、彼らが引退するまで僕たちの代は常に萎縮しながら部活をしてきたんです。こんな想いを後輩たちにはさせたくない。自分がキャプテンになったからには、もっと伸び伸びサッカーに取り組める雰囲気にしたいと思いました。
ところが、いざキャプテンを務めてみると、初心を忘れてしまって。いつの間にか、僕も先輩たちと同じような上下関係を作ってしまっていたのです。自分のやり方が間違っていると気づいたのは、ある事件が起きたとき。とある日練習に行くと、なんとひとつ下の後輩がひとりも来ていませんでした。僕に対する抗議のボイコットだったんです。
これを受けて、ようやくキャプテンとしてのあり方、チームの作り方を考え直さなければと、会議室に部員全員を呼び、本音で話し合いをしました。それ以降は、後輩にもあえて隙を見せるなど、話しやすい存在になることを意識。次第にチームの雰囲気を変えることができました。
この一連の経験は、僕の人生の中でもトップレベルの挫折。反省してチームのために全力を尽くした結果、いい方向に切り替えられたので、必要な挫折でしたが(笑)。その後、大学ではサッカーチームを立ち上げたのですが、高校時代の後輩たちが何人も仲間に入ってきてくれました。「升木さんのチームなら、ぜひ入りたい」と。
周りが自分を信じて求めてくれたから、エネルギーが湧き、結果としていい関係性を作れたのだと思います。