2024.3.4対談

橋本選手×ルーク選手

新加入選手対談

橋本選手×ルーク選手

新加入選手対談

どんな環境でも
最高のパフォーマンスを!

橋本竜馬選手

ルーク・スミス選手

今シーズン、アルバルク東京と
ヴォレアス北海道は
経験豊かな
ベテラン選手を迎えました。
プロ14シーズン目となる橋本竜馬選手(アルバルク東京)と
10カ国以上でプレーしてきた
ルーク・スミス選手
(ヴォレアス北海道)です。
それぞれ国の代表選手も経験した二人は、チームの環境に適応しながら
ベストパフォーマンスを
発揮してきました!

ZOOMで対談しました!

年齢も経歴も重なる熟練プレーヤー

リーグ戦が盛り上がっている最中にお集まりいただきありがとうございます。まずは、お二人の経歴を教えてください。

橋本選手:僕はプロになって14シーズン目になります。今シーズンからアルバルク東京でプレーしていますが、その前の4年間は北海道のチームに所属していたので、ルーク選手の生活は少し想像できます(笑)。プロとしてのスタートは2011年のアイシンシーホース(現シーホース三河/愛知県)で、26歳から30歳まではナショナルチームでもプレーしました。いまは、日本代表選手として経験した4年間をチームに還元する形で取り組んでいます。

ルーク選手:私も恵まれたバレーボールキャリアを長く歩んできました。スタートは2009年に奨学金で入ったオーストラリア国立スポーツ研究所です。その後プロになり、ヨーロッパを中心に10カ国以上でプレーして、今シーズン日本に来ました。また、2011年から数年前までオーストラリアのナショナルチームのメンバーとして、ロンドンオリンピックをはじめ170以上のゲームに参加してきました。

お二人とも実に豊かな経験をお持ちです。新しい環境に適応するために大切にしていることは?

ルーク選手:新しいチームに入る時はいつもチャレンジです。バレーボールもバスケットボールもチームスポーツで、成功するチームは最高の団結力を持っています。重要なのは社会性であり、早くチームに溶け込むには社会性を身につけなければなりません。

橋本選手:おっしゃる通りで、コミュニケーションがすごく重要だと僕も思っています。それぞれのチームにそれぞれの文化がありますので、僕は入団したらまずチームが積み重ねてきたものを感じ取るようにしています。そして、自分にできることをしっかり見極めて前進します。

ルーク選手:私の経験では、最初にどのようなパフォーマンスを見せるかも大きな鍵ですね。トレーニング最初の1週間は特に力を入れていて、自分のパフォーマンスや人柄に対してポジティブな第一印象を与えるようにしています。

新しいチームに参加したいまの気持ちは?

橋本選手:アルバルク東京は素晴らしい経歴を持つチームで、優勝を何回も経験しています。勝つための環境を整えてくれますし、チームを強くするにはどうすればいいのかを考えられるクラブです。そこに入るということは、もう優勝を目標に集められたと思っていますので、ともかく勝つために自分ができることに集中していきます!

ルーク選手:チーム史上初のV1に昇格して頑張っているヴォレアス北海道に参加できて、とても幸せです。私はパフォーマンスだけでなく、個性や熱量も大切にしながらプレーすることが好きで、そこも選ばれた理由だと思っています。日々、コートの内外で自分がどんな役割を果たせるか、何をもたらすことができるのかを考えています。ヴォレアス北海道は、まだV1では勝利が期待されない赤ちゃんかもしれませんが、チームカルチャーを育てながら大物へと成長してみせます!

きっかけは笑いを呼ぶ会話

それぞれナショナルチームでも活躍されました。所属クラブとの違いは何ですか?

ルーク選手:ナショナルチームはお金のためにプレーするわけではなく、国を代表する誇りと名誉のために戦います。世界選手権やオリンピックなど、スポーツ競技の頂点に立ってプレーすることは非常にやりがいがありますが、同時に犠牲があります。たとえば家族と離れて過ごさなければいけない時は、アスリートと父親とのバランスにジレンマを感じます。ナショナルチームでプレーするということは、それらの犠牲を払ったうえで経験と成果を手にいれるということです。
一方で、選手たちとは仕事上の義務を超えて友人になります。どのクラブもチームメイトは同志になりますが、ナショナルチームはそのカルチャーが根強く、私は10年以上に渡って選手たちと一緒に育ち、兄弟のように絆を深めることができました。素晴らしい経験でした。

橋本選手:本当にそうですね。ナショナルチームは国を背負ってプレーするため、所属クラブとはやることが違ってきます。参加している期間は、だいたい3ヶ月間ぐらいですが、すべてをそこに集中させなければなりません。初めて一緒にプレーする選手もいるなか、短期間でコミュニケーションを取ることが求められます。「国のために勝つ」という目標は一緒ですので、みんなでその想いを共有しながらコミュニケーションを深めていくことが非常に大切だと思います。

コミュニケーションを円滑にするために、いまやっていることは?

橋本選手:僕はチーム最年長なので、とにかく年下の選手たちが話し易い環境をつくることを心がけています。「自分をいじってもらうことでチームの雰囲気が良くなれば」という思いから、何でも後輩たちが言っていることを受け入れています。

ルーク選手:たとえば何て言われるの?

橋本選手:ともかく僕のことをおじさん扱いですよ(笑)。ことあるごとに「あっ、荷物持ちましょうか?」とか「あっ、腰大丈夫ですか?!」って。労わっているのかいないのか判別できない冗談を言ってくるので、僕も「じゃあ、持ってください」と答えています。いじってもらって楽しい雰囲気をつくるのが最年長の仕事です(笑)。

ルーク選手:チームメイトがジョークを飛ばしたりふざけたりして歩み寄ってくれれば、打ち解けられるきっかけになりますよね。私は、ヨーロッパで日本人選手と一緒にプレーしたことから悪い日本語を幾つか知っていて(笑)、入団してすぐに冗談を言い合うことができました。ユーモアはコミュニケーションの重要な鍵なので、日本語を覚えるように努力しています。

橋本選手:教えてもらった悪い日本語とは?

ルーク選手:ここでは絶対に言えませんよ!(笑)

北海道の生活は? 海外リーグでのプレーは?

橋本選手は、ルーク選手に聞きたいことはありますか?

橋本選手:選手としてどのようなことに気をつけていますか? あと、僕は北海道に住んで素晴らしい土地だと思いましたが、ルーク選手の北海道ライフはいかがですか?

ルーク選手:気をつけているのは、心身をメンテナンスしてベストを尽くすことです。私も橋本選手も30代で、キャリア的にも身体的にも似たようなポジションにいますが、私たちが選手としてプレーできている大きな理由にメンタルがあると思います。バレーボールもバスケットボールもメンタルが大きく関係するスポーツなので、そこに働きかけることで選手としての強みを2倍出すことができます。
北海道の生活については本当に気に入っています。昨年12月に妻と二人の幼い娘も引っ越してきたので、クリスマスは一緒に過ごすことができました。この落ち着いた環境も自然も大好きです。とても平和で元気がでる場所ですね。雪には少しうんざりですが、やがて慣れるでしょう(笑)。
私から橋本選手に聞きたいのは、海外でのプレーについてです。日本のバスケットボール選手が、ユーロリーグやNBAなど海外リーグに出ていくことは大変ですか?

橋本選手:うちのチームにヨーロッパから来ている選手がいますが、彼は「日本のバスケットボールはユーロリーグとまったくスタイルが違っていて慣れるのが難しい」と言っていました。理由は、日本人選手は小さくて素早いため、ヘルプディフェンス(=ディフェンスを抜いた後にやってくる別の選手のディフェンス)もこれまでにない角度で入ってくるなど、自分が経験したことのないバスケットボールをプレーしなくてはならないからだそうです。ですから、日本人がヨーロッパに行った時も同様に、高さや強さといったフィジカル面でのギャップが予想されると思います。

リーグ後半からが勝負!

最後にみなさんへのメッセージをお願いします。

ルーク選手:ヴォレアス北海道サポーターのみなさん、V1昇格への道のりは本当にエキサイティングな旅でした。私たちはこれからV1のステージでどんどん成長していきます。先日も世界のトップチームに挑戦することができました。
私たちにとってプレーすることは喜びであり、結果は時間と共に出てきます。今シーズンはチームのパフォーマンスとカルチャーを成長させながら突き進み、もっともっと成果を出していきます!

橋本選手:アルバルク東京はシーズンの半分が終わり、良い調子できています。このままの勢いで60試合すべてを戦い抜くためには、ファンのみなさまの声援が絶対に必要です。いまの時点でかなり勇気づけられていますので、ぜひ、引き続きアルバルク東京を応援してください。
そして、まだバスケットボールを観たことのない方は、生で観戦していただけると絶対に面白いです! ぜひ、会場にも足を運んでいただければと思います。

アルバルク東京

橋本竜馬選手

ポジション:ポイントガード/背番号:0/身長:178cm
1988年福岡県生まれ。名門・福岡大学附属大濠高校から青山学院大学へ進学し、4年次には主将として3冠達成。卒業後アイシンシーホース(現シーホース三河)ではリーグ優勝、天皇杯優勝にも貢献し、その後も琉球、北海道で主力として活躍。数々のチームでその統率力とここぞでの得点力でチームを救ってきた経験豊富な元日本代表ガードが、熱い闘争心とキャプテンシーを発揮し、ここアルバルクでも頂点を目指す。

ヴォレアス北海道

ルーク・スミス選手

ポジション:アウトサイドヒッター/背番号:9/身長:204cm
1990年ジャカルタ生まれオーストラリア育ち。ヨーロッパのさまざまなリーグや2012年ロンドンオリンピックを含む国際大会でプレーした豊富な経歴を持つ選手。2023年よりヴォレアス北海道に新加入。高身長から放たれるスパイクは迫力があると共に手先の器用さを感じるプレイが魅力的。持ち前のコミュニケーション能力でいち早くチームになじみ、年長組の風格も兼ね揃えている。