「自分らしさ」とは何なのか。「これが私らしさ」と決めるのは実はそんなに簡単なことではない。子育ても落ち着き、改めて「自分らしさ」を考える加藤弘美さん(55)の話を聞くと、積み重ねるキャリアが「らしさ」につながるのを感じた。現在は派遣スタッフとして働く加藤さんがどんな出会い、働き方を経てきたのか振り返ってもらった。

*オンラインで取材を行いました
*掲載している写真は、ご本人からご提供いただいたものです

「即戦力であること」を心がけて学び続ける

石油精製物の輸送を行う会社で大型車を運転する乗務員の配車業務を担当している加藤さん。当初は、データ入力や時間管理など一般的な事務作業を行っていた。

「データを見ていくなかで、申請が完了していないものを発見したんです。就業したばかりではありましたけど、そこを指摘させていただいたら“申請はできますか?”と尋ねられ「できます。」とお答えしました。実は、以前働いていた会社で同じように大型車の輸送管理業務を行っていて。当時はほかの方が管理するデータの精査作業が私の担当だったのですが、やはり申請作業があって、それを覚えていたんです。正直とても責任の大きい仕事ですが、私も物怖じしていられる年齢ではないので、正式に申請業務をお引き受けすることにしました」

申請自体ははじめての経験だったが、周囲に確認を取ったり、インターネットで情報を集めたりして、必要な申請作業を遂行することができた。それだけ責任ある業務を任せてもらえたのは、これまで経験してきた仕事で得てきた「加藤さんにしかないスキル」があったからこそ。

「20歳の頃から派遣スタッフとしてさまざまな仕事を経験してきましたが、“派遣された場で即戦力になりたい”と私は考えています。最初の就業先では当然何もできず、ひとつひとつ学ばせていただいたのですが、一緒に派遣として働いていた同僚がすごく仕事ができる方だったんです。負けず嫌いな性格なので、自分も必死になって勉強してきました」

結婚を機に専業主婦になってからも、仕事を再開するときのために自宅でパソコンの勉強は続けていた。Excelなど新たなソフトが登場し、機能が加わっていく流れに後れをとらないようにとリクルートスタッフィングの研修制度なども活用。また、パソコンなどのスキル面だけでなく人柄でも新しい職場に受け入れられやすくなることを意識している。

「新しい派遣先に入るときには、第一印象を良くすることを意識します。自分が入ることで職場の雰囲気が少しでも良くなるようにしたいんですよね。“相手の立場になって考える”というのは大前提ですが、子育てがひと段落して就いたアパレルでの接客のお仕事で鍛えられたところもあるかもしれません。そのときはカスタマーサービスのリーダーとして、お店全体の雰囲気を良くするには、店員スタッフ一人ひとりが意識しなければならないということを伝えていました」

現在の就業先は、加藤さんが入ったころからかなり大きな変化があったという。

「私自身も自分が持っているスキルを活かしながら、場の雰囲気や流れを変えていくのをモットーにしているところもあって。今の職場は仕事柄男性が多いのですが、私が入ってしばらくして“女性を管理職に登用しよう”という流れになり、15年近く働いている女性社員の方が役職に就いたんです。所長からも“加藤さんが派遣スタッフという立場で外から入ってきてくれたことで雰囲気が変わった”と言っていただいて、派遣だからこそできることがあるんだと感じています」

場を明るくし、流れを変えるような加藤さんの人柄は生まれ持ったものなのではと感じるが、「もともとはネガティブ思考」だとか。

「1人でいるのが好きだし、ネガティブ思考で“どうしたらいいんだろう?”と考え込んでしまうからこそ、その悩みを跳ね返すにはどうしたらいいかを常に考えてきました。結局は、どういうことを求められているかを想像して動き、結果がきちんとしていればいいんですよね」

やりたいことをやり続けるために体力づくりも

お子さんは2人。下の娘さんがもう20代になり、子育てもひと段落したのを感じている。

「子どもに“ああしなさい、こうしなさい”と指示はしないようにしてきました。教えるのも苦手なので、自分が行動する姿を見せるようにしていて。その結果なのか、娘もリクルートスタッフィングに登録し、貿易関係の会社で働いています。いずれは英語を使える仕事を目指しているようで、まずは世の中について知った方がいいということで」

加藤さんが多くの趣味を楽しむ姿に刺激を受けてか、母である加藤さんと趣味友達のような関係にも。

「私はバイクで全国の絶景を観て回っていて。娘にもきれいな景色をたくさん見せたいと思って誘ってみたところ、免許を取って私と同じバイクに乗るようになりました。娘と2人でツーリングに出かけることもあります。スキンダイビングも私がはじめたときに誘ってみました。イルカの親子に遭遇したことも」

バイク、スキンダイビング、クレー射撃、マラソンと、たくさんの趣味を続けるために加藤さんが欠かさないこと。それは体力づくりと健康管理。

「バイクは車体が倒れたときに自分で持ち上げられないと乗れないものなので筋トレは必須です。今はお昼休みの1時間にもジムに通っています。車内でさっとランチをすませて近所のジムに行くと3kmランニングして13時にデスクに戻って来れるんです。そして、夕飯は娘も一緒に作ってくれるようになったので、それを食べてから今度は娘と一緒にウェイトトレーニングへ。福利厚生制度を活用して、毎年人間ドックも受診しています」

趣味に励みながら、子どもの成長も見守り、仕事でもプライベートでも新しいことを学び続けていくのが加藤さんの現在目指す生き方。

「正社員としても働いたことはあるのですが、派遣という働き方が私の“らしさ”が活かせるのかなと今は思っています。自分がやりたいと思うことをあきらめずに生きていく。今はそれが目標ですね」

観たい景色まで連れて行ってくれる愛車


ずっと乗りたいと思い50歳をすぎてから免許取得に挑戦したバイク。愛車はクラシカルな車体デザインにひと目惚れして購入した。「動画や写真できれいな景色を見ると自分の目で見たくなるんです。画面で見るのとは違う場の空気に包まれる感じが好きで。自由に好きなところに行ける鳥や動物にあこがれているのですが、バイクはそれに近い感覚になれる乗り物かも。行きたいところリストを作って、地図アプリでルート検索をする日々です」

ライター:古川 はる香(ふるかわ はるか)

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