
Accessの疑問に答えていくこのコラム。「具体的に何ができるのかイメージできない」という声をお寄せいただきました。そこで今回は、Excelを交えながら具体的に何ができるのかを解説します。
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Accessって何に使うと便利なの?
具体的に何ができるのかイメージできない
「データベース管理」ができるソフトウェアのAccess。
データベースの利便性を実感できるのは、なんといっても「大量のデータを分析したい」といった場面です。
まずは個人的かつ身近なものの例として、「クレジットカードの明細」をデータベースで分析する想定をしてみましょう!
クレジットカードの明細の分析×Access
以下のようなAccessテーブルを仮定します。日付・店名・金額が、カードの明細から入力したデータです。カテゴリも付けると家計簿っぽいですね。
▼2022~2024年の3年分、1500件のデータ*
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*ランダムに作成したダミーデータのため整合性に欠ける部分もあります
Excelであれば、月ごとにシートを分けたり、年ごとにブックを分けたりしたほうが、管理しやすいかもしれません。
しかしデータベースでは、1ヶ所に長期的に格納するからこそ、年をまたいだ検索や、柔軟なデータ分析ができるようになります。
Accessで、できること1
指定の年月を取り出す
この3年分のデータから、まずはかんたんに、指定の年月だけ取り出してみましょう
「分析」というクエリ*を作って、2024/1/1~2024/1/31のデータを日付順に取り出す命令を設定します。
*テーブルに対する命令を作成するオブジェクト
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実行すると、以下のデータが取得できます。2024年1月のデータは46件あることがわかります。
Accessで、できること2
指定の店名で絞り込む
さらに店名も絞ってみましょう。「グリーンキッチン」という店名のみを取り出すように設定に追記します。
実行すると、2024年1月の、店名が「グリーンキッチン」のデータは3件あることがわかりました。
日付の範囲や店名を書き換えれば、ほかの検索もかんたんにできそうですよね。
Excelじゃダメなの?
でも、正直このくらいなら、Excelでもできそうだなって感じてしまうでしょうか?
データ量が数千件程度だったら、Excelでも問題なく動くかもしれません。
しかし、Excelはあくまで「表計算」を目的としたアプリケーションです。シートやセルにはフォントの種類、色、大きさなどの「装飾」の機能がたくさんあるため、大量データの格納や検索には向いていないのです。
データベースのテーブルには装飾のための機能がなく、そのぶん格納と検索に特化しています。数万件を超えるデータでもパフォーマンスが低下することがありません。
Accessで、できること3
形を変えて取り出す
たくさんのデータを格納するだけでなく、「加工した値」で取り出すことができるのも、データベースの魅力です。
さっきは「2024/1/1」と入力されたデータをそのまま表示しましたが、「2024/01」と、「年月」の形へ加工して取り出してみましょう。以下のように設定します。
実行すると、「年/月/日」だった日付を、「年/月」の形で取り出すことができました。
もちろんテーブルのデータは「年/月/日」のままで、このクエリの結果のみ、形を変えて表示しています。
形を変えて取り出すと、どんな良いことがあるのでしょうか?
次に、データベースのさらなる強みである「集計」機能も見てみましょう。
Accessで、できること4
集計を行う
以下のように、「日付」と「金額」だけを取り出して、「日付」は年だけ表示する設定にしておきます。
実行すると、このような結果になりました。「年」と「金額」のみ取り出されています。ここには2022年のみが見えていますが、2024年までの1500件すべて取り出されています。
ここへ、「集計」という欄を追加します。「年」をグループ化した、「金額」の合計を取り出します。グループ化とは、「同じ値のものだけまとめる」という意味です。
実行すると、このような結果になりました。同じ年のものがまとめられ、金額の合計をかんたんに求めることができました。
もしも、10年分のデータがあったら
このサンプルでは3年分しかデータがありませんが、10年分あったらそれだけのデータを集計することができます。
■年×店名×金額合計
取り出す項目を増やして、「年」と「店名」でグループ化するとどうなるでしょうか?
結果はこのようになります。年ごと、店ごとの合計金額が算出されました。
■年×店名×カウント
ちなみに、「金額」の「合計」を「カウント」に変更すると、
金額ではなく件数を算出できます。どの年に、なんのお店で何回買い物したかがわかりますね。
Accessで、できること5
集計と検索を同時に行う
日付は、範囲指定と表示変更を同時に設定できません。そのため、範囲指定だけ行う部分と、表示を年に変更して取り出す部分、別々に設定します。
これで、店ごとの合計金額を、2024年のみに絞って算出できました。
日付表示を「年/月」にして、店名を「セントラルカフェ」で絞り込めば、
2024年の月ごとに、そのお店で使った金額の合計が算出できます。
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Accessで、できること6
クロス集計
Accessの「クロス集計」もご紹介します。Excelのピポットテーブルに似ている機能です。
「行列の入れ替え」という欄を追加して、年月を「列見出し」、カテゴリを「行見出し」、金額の合計を「値」、と設定をします。
実行すると、2024年の月ごとを横軸に、カテゴリごとを縦軸にしたクロス集計が算出できます。
日付の範囲指定を変えるだけで、ほかの年のクロス集計もあっという間です。
データの分析がとっても得意!
いかがだったでしょうか?
このようにデータベースでは、さまざまな形の集計や分析がとっても手軽です。あちこちからデータを集めたり、コピーしたりする手間もありません。
クエリの結果はExcel形式に書き出すこともできるので、Excelで開いてグラフ化して活用する、といった使い方もできます。
実際に業務で扱うには、店名の表記揺れが起こらないようにID管理にしたり、ダウンロードした明細データを整形してAccessへ取り込むプログラムを書いたり、といったシステム側の整備も行って、「データベースアプリケーション」として使うのが一般的です。
実際に入力作業をするようになった場合は、以下の記事も、ご参考にしていただければ幸いです。
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