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第2話 人工知能、機械学習、ディープラーニングの違いとは?【漫画】未経験なのに、機械学習の仕事始めました

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  人工知能、機械学習、ディープラーニングの違い    

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  人工知能という言葉の定義はむずかしい    

 
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人工知能という言葉の定義はむずかしいと言われています。「人工」という言葉には「人間と機械を区別する基準は何か?」という問いが生まれます。「知能」という言葉には「何をもって知能と言えるのか?」という問いが生まれます。
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たしかに…!それは議論のしがいがありそうな、むずかしい質問ですね。
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そうなんです。人工知能学会というところが人工知能の定義を示しているので、そちらをお話ししますね。

まず、人工知能の研究には二つの立場があります。

・人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場
・人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場

ほとんどの研究は後者です。人工知能の研究といっても、人間のような機械を作っているわけではありません。

  人工知能の代表的なプロセス、「学習」と「推論」   

 
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人工知能の代表的なプロセスに「学習」と「推論」があります。これらは組み合わせて使われることが多いです。
学習:情報から将来使えそうな知識を見つけること

大量の学習データから、組み合わせのパターンを見つけます。たとえば、購入履歴の中から「パンを買う人は牛乳も合わせて買っていく」という組み合わせを見つけ出すのは、学習です。

推論:知識をもとに、新しい結論を得ること

いろいろなルールを統合して矛盾のない答えを導き出します。最も基本になるのはアリストテレスの三段論法です。機械に「すべての人間は死ぬ」「ソクラテスは人間である」という知識を与えます。すると機械は「よって、ソクラテスは死ぬ」という結論を出します。これだけだと「そんな当たり前のこと」と思いますが、囲碁や将棋、地図のように複雑なルールをたくさん与えることで、最良の一手を弾き出したり最適な経路を導き出したりできるようになるのです。

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学習と推論を組み合わせると、どういうことができるようになるんですか?
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たとえば、ゾウとサイの画像を与えて、それぞれの特徴の組み合わせパターン(推論モデル)を作ります。これが学習ですね。そして、学習で作っておいた推論モデルに、分類や識別したいデータを当てはめて、結論を導くのが推論です。

★ちなみに学習の方式には種類があって、代表的なものに「教師あり学習」と「教師なし学習」があります。

教師あり学習:
「データと答え」の組み合わせを学習データとして使う。
(例:「ゾウの画像」と「これはゾウであるという答え」を与える)
 
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教師なし学習:
学習データだけを与える。
(例:画像のみを与える)
 
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  ディープラーニングの登場   

 
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そして、ディープラーニングの登場によって、より複雑な推論モデルを作ることができるようになったんです。

ディープラーニングとは、脳の仕組みを模した学習モデルのことです。

ディープラーニング登場以前では、画像のどこに着目して識別するか、人間が設定する必要がありました。例えば、ゾウであれば「耳の形」や「鼻の形」に着目して判断するように、人間が設定しなければなりませんでした。この特徴の組み合わせを「特徴量」といいます。

ディープラーニングでは、この特徴量を人間が設定するのではなく、学習対象のパラメータとして設計することができます。そのため、人間が設定するには複雑すぎる特徴を見つけ出せるようになり、精度の高い分類や判別が可能になりました。

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なるほど〜! 人工知能、機械学習、ディープラーニングの違いがよくわかりました!

  まとめ

 
人工知能

・代表的なプロセスは「学習」と「推論」
■「学習」とは・・・情報から将来使えそうな知識を見つけること
■「推論」とは・・・知識をもとに、新しい結論を得ること

機械学習

・人工知能の中に機械学習という分野がある
・機械学習とは「大量の学習データを機械に読み込ませ、そのデータを分析することで分類や識別 ルールを作ろうとすること」

ディープラーニング

・脳の仕組みを模した学習モデル
・機械学習という分野の中に、ディープラーニングという手法がある
・機械学習のスピードをより向上させるために、ディープラーニングが編み出された
■「特徴量」を人間の手で設定する手間を省ける&人間が設定するには複雑すぎる特徴を見つけ出せるようになった

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こうして発展してきた機械学習ですけど、具体的にはどこでどんなふうに活用されているんでしょう?
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よくぞ聞いてくれました!実は、あっと驚く意外な分野でも活用されているんですよ!次回をお楽しみに。

「第3話 機械学習の活用事例!意外な分野でも活用されている!?」 へ続く(3月末公開予定)

第1話 機械学習の仕事内容って?実はコードを書くだけじゃない!

【筆者】
早川 敦士さん
株式会社FORCASの分析チームにてリーダーを務める傍らで、株式会社ホクソエムで執行役員として従事。新卒でリクルートコミュニケーションズに入社しWeb広告やマーケティングオートメーションなどのB2Cマーケティングを経験し、FORCASではB2Bマーケティングプラットフォームのデータ分析および開発を担当している。大学在学中に『データサイエンティスト養成読本』(技術評論社刊)を共著にて執筆。その後も『機械学習のための特徴量エンジニアリング』(オライリー・ジャパン刊)や『Pythonによるはじめての機械学習プログラミング』(技術評論社刊)などで執筆活動を続けている。国内最大級のR言語コミュニティであるJapan.Rを主催。Youtubeチャンネル『データサイエンティストgepuro』で動画を投稿。
・Twitterアカウント

湊川 あいさん
フリーランスのWebデザイナー・漫画家・イラストレーター。マンガと図解で、技術をわかりやすく伝えることが好き。 著書『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』『わかばちゃんと学ぶ Googleアナリティクス』『わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本』『運用ちゃんと学ぶ システム運用の基本』『わかばちゃんと学ぶ サーバー監視』が発売中のほか、マンガでわかるGit・マンガでわかるDocker・マンガでわかるRuby・マンガでわかるScrapbox・マンガでわかるLINE Clova開発・マンガでわかる衛星データ活用といった分野横断的なコンテンツを展開している。
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