「自分で自分をハッピーにする方法を、知っていた方がいいと思うんですよね。誰かに幸せにしてもらおうとするのではなくて」――日常の中に、いくつもの“幸せのタネ”を持つこと。それが川口瑠理さん(33)のマイルールだ。派遣スタッフとして働きながら、たくさんの趣味を持ち、プライベートの時間も大切に、味わうように過ごしている。そんな彼女に、日々考えていること、仕事のこと、人生の中で大切にしていることなどを聞いてみた。

手軽な写真ではなく、あえて「絵日記」を選んだ理由

いただいたお土産、カフェで食べたケーキ、読んだマンガ、愛犬(可愛いポメラニアン!)のこと……。川口さんが持ち歩いている小さなスケッチブックには、日常のちょっとしたできごとを記した「絵日記」がびっしり。たまたまSNSでアップしている人を見かけて、昨年からはじめた習慣だそう。

「描いてみるとすごく集中できて、自分の記録にもなる。パシャパシャ写真を撮るのもいいけど、手軽すぎてあまり記憶に残らないじゃないですか。絵にしようとすると、一つひとつのことをじっくり味わうようになるんです。あ、ちなみに私はSNSには載せてません。完全に自分だけの趣味ですね」

スケッチブックを広げながらそう話してくれた川口さん。快活でアクティブなタイプに見える彼女は、職場でもムードメーカー的な存在、というのがとてもよくわかる。

だからこそ、絵を描くこと、ヨガやピラティス、ダンス、一人旅……と、どちらかといえば自分自身と向き合うような趣味が多いのが、少し意外な気がした。

いつしか勝手に、他人からの見返りを求めていた自分

「こんな性格なので、学生時代から、周りに『そのキャラならどこでもやっていけるよ~!』と、根拠のないほめられ方をすることが多くて(笑) 自分でも、それなりに楽しくやっていけるかなと思っていました」

卒業してはじめて就いた仕事は、高級腕時計ショップの販売員。ときには、自分の年収より高い商品を扱うことも多々あった。接客業、人と話すことは大好きだったが、相手のことを考え、とにかく“Give&Give”の精神で尽くす日々……。

ムードメーカーになれるのも、「どこへ行っても大丈夫!」と友人たちから太鼓判を押されるのも、川口さんの細やかな気遣いや、相手の期待に一生懸命応えようとする姿勢があってこそだったのだろう。

しかし30代にさしかかる頃、川口さんはほんの少し、そんな日々に疲れている自分に気づいたそうだ。

「相手に尽くす精神でやっているつもりでも、やっぱりどこかで、見返りを勝手に期待してしまっている自分がいて。がんばったのに喜んでもらえなかった、リアクションをもらえなかった――。やっぱり、人に見返りを求めちゃダメだなと思ったんです。自分のことを幸せにしてあげられるのは、自分だけなんだ、と」

そう考えた彼女は少しずつ、「自分がハッピーになれる」趣味を探すようになった。

派遣スタッフとして、採用活動の仕事を任されて

プライベートの時間を大切にする一方で、川口さんは仕事でも着実に自らが望む道でステップアップを重ねている。販売員として3年働いた後、オフィスワークへと転身。現在は株式会社オカムラサポートアンドサービスの管理部にて、総務や人事、経理部の仕事をしている。

「販売員の経験しかなかったので、なかなか転職が難しかったんですよね。それで派遣スタッフとして、未経験から事務の仕事をはじめることにしたんです」

派遣スタッフという立場ではあるものの、川口さんは現在の職場でも、持ち前のキャラを発揮して活躍している。一つ、大きな転機になったのは、新卒採用の仕事に携わったことだった。

「学生さんに向けた事業説明が、ちょっと難しいんじゃないかな……と感じていて。そうしたら2年目に、『じゃあ、資料作り直してみない?』と、私に白羽の矢が立ったんです。はじめは戸惑いましたけど、せっかくの機会なので、徹底的に学生目線に立って、会社説明会の資料をイチから作ることにしました」

これまでの経験があったからこそ、生み出すことができた成果

昔の自分と同じように、過度な不安や期待を抱いている学生たち。その心情を当事者としてよく知っていた彼女が作った資料や、真摯な質疑応答でのコメントは、その年の採用活動の成果にしっかりつながったそうだ。

「自分の経験もふまえて、仕事のリアルな部分を伝えられたらいいなと思って取り組みましたね。一番のベースになるのは、自分が、どんな人と、どんな風に働きたいかじゃないですか。だから就職活動に正解なんてない。みんなあなたたち次第なんだよ、と」

さまざまな経験をしてきた川口さんの言葉だからこそ、学生たちの心に響いたのではないだろうか。きちんと向き合えば、成果もおのずとついてくる。

派遣スタッフとしての勤務も、今年で3年になる。今、川口さんは正社員になることも視野にいれながら、次の道を模索している。

「まだどうするかはわかりませんが、新たな機会をいただけるなら、挑戦してみようかなという気持ちもあります」

きっと彼女なら、正社員になっても自分自身の役割をきっちり果たしていくのだろう。川口さんに、「どこへ行っても大丈夫だよ!」と声をかけていた友人たちの気持ちが、なんだか少しわかったような気がした。

パッケージのスクラップからダンスやヨガまで、幅広い趣味

スケッチブックに描ききれないお菓子のパッケージなどは、実物をノートに貼ってスクラップブックにしている。いわく、「ついつい、限定品があると買っちゃいます!(笑)」。手土産が必要なときに見返して、参考にしたりもするのだとか。

絵を描くためのペンや色鉛筆をはじめ、文房具も大好き。スケルトンタイプの万年筆は、自分でインクに合わせたビーズを入れてアレンジ。付箋やメモ帳なども、可愛らしいものを持ち歩いている。

「万年筆がすごく好きなんです。この赤い模様のものが特にお気に入りなのですが、商品名が『金魚』だったんですよ。ネーミングなんかもすごく気になってしまいますね。万年筆用のインクも、ステキな名前のものが多くて」

手先を使うこまごまとしたことが好きなのかと思いきや、ガールズヒップ・ホップやストリートジャズなど、ダンスを習うアクティブな側面も。レオタードはレッスンで使用するもの。

「ヨガやピラティスに行くこともあります。どんなことでも面白そう!と思ったら、パッとまずは飛び込んでみることが多いですね。短時間で集中できる趣味を、次々作っているような感じです」

ライター: 大島 悠(おおしま ゆう)
カメラマン:上澤 友香(うえさわ ゆか)
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