
新卒から証券会社でキャリアを積んできた、中川洋子さん(51)。海外とのやり取りも多く緊張感のある職場だったが、退職し、今は派遣と副業でゆったりとしたライフスタイルを送っている。その心境の変化の理由と共に、今大切にしているものをうかがった。
証券会社でさまざまな経験をしてきた
短大を卒業してから23年間、証券会社で働いた中川さん。仕事内容はさほどハードではなかったというが、相場に直結している緊張感はあった。
「英語を扱い、数字を追いかける毎日だったので、少し疲れてしまったのもあると思います。一通りの経験をして、他の仕事もしてみたくなったんです」
退職したのは45歳のとき。辞めた後には、結婚相談所をスタートしたいと思っていたという。なぜなら、中川さん自身が婚活の末、40代で幸せな結婚をしたから。
「婚活をしていたので、いろいろな知識がありました。また、私自身が、主人と出会ったことでいろいろな価値観が変わったので、それを他の方にも伝えたいと思ったんです。例えば、『幸せにしてもらいたい』と一方的に思っているだけだったり、『年収はこれ以上』と理想ばかり掲げているだけだったりすると、なかなかうまくいきません」
中川さんは夫と飲み会で知り合い、その誠実な姿に「この人なら」と思ったという。幸せにしてもらうだけでなく、幸せにしたいと思える相手と巡り合う。そういう心がけを、悩んでいる人に伝えていきたいと思ったのだ。
結婚相談所は、連盟に登録して、個人事業主として活動できる。夫に援助してもらうのではなく、自分のお金で続けていきたいと思い、派遣スタッフとしても働くことにした。
ボランティアでフラワーアレンジメントや婚活セミナーを
派遣スタッフの仕事は、条件が指定でき、他の仕事とも両立できるのでとても合っているという。その登録会社でセミナーや教室を開催できると聞き、婚活のほか、28歳の頃から講師をしているフラワーアレンジメントをテーマにやってみようと思い立った。
「派遣スタッフ同士の交流の場があり、そこでアンバサダーとして得意なものを教える機会があるんです。ボランティアだと聞いたときは驚いたのですが、主人に『お金を得られなくても、つながることがあるはずだから、やってみるのはいいんじゃない』と後押しされて引き受けることに。始めてみたら、人の役に立つことがとても嬉しく思えて」
フラワーアレンジメントでは、事前に資材を購入し、当日実費だけを受け取る。15人分ほどの資材を両手に抱えて会場に向かうのは、決して楽ではない。「好きじゃないとできない」というが、人の役に立ちたい思いが強く、続けられている。
フラワーアレンジメントは、自宅のサロンで開催することもある。また、婚活セミナーに来てくれた人が、「真剣に婚活をしたい」と結婚相談所に登録することもあるそう。力を入れて集客するのではなく、「ご縁があれば」というスタイルが性に合っているようだ。
50歳を超えて、人の役に立つことが喜びに
昔は、働くといえばお金を得ることだったが、今はお金に直結しなくても充実感があるという。
「20年以上のキャリアを積んできて、ビジネススキルを落としたくないという思いはあります。今の職場では高い成果を求められるので、そういう環境に縁があったのは良かったですね。今後、主人が病気になるなど万一のときには、いつでもフルタイムで働けるようにはしておきたい。でも、今はお金に直結しなくても、人の役に立つことが自分らしいのかなと思えます。ネームバリューにこだわっていた頃もありましたが、50歳を超えて、自分の存在意義を見つけたと思っています」
頑張り過ぎず、ゆったりと毎日を楽しんでいるように見える中川さん。プライベートでは、夫と美味しいものを食べに行くのが好きなのだとか。
習い事をたくさんしてきた中川さんは、とても好奇心が旺盛。心地いい今のスタイルをしばらく続けていきたいと言うが、もしかしたらいずれビジネスに熱を入れることもあるのかもしれない。50歳を超えた今も、そんなたくさんの可能性を感じさせる魅力とパワーにあふれている。
夫婦おそろいのマグカップでリラックス
いつも自宅で使っているのは、夫婦おそろいのマグカップ。結婚式の引き出物を選ぶときに、合わせて買ったウェッジウッドのもの。
美容で気に入っているのは、ソンバーユ。いろいろな種類があるものの、薬師堂のものが一番合っているという。「ソンバーユをはじめ、ニベアやヴァセリンも人気ですよね。ロングセラーはモノがいいんだなと改めて感じるようになりました」と中川さん。洗顔の後に毎日使うのだそう。
フラワーアレンジメント用のはさみは、使いやすいものを選んで大事に使っている。名刺入れは、結婚相談所をスタートした際に夫が「これから頑張って」と買ってくれたもの。ハンドタオルもいいものをと、フェイラーをまとめ買い。「持っているだけでテンションが上がる」のだとか。
ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:上澤 友香(うえさわ ゆか)