「仕事とは、自分の幅を広げたり、成長させてくれたり、人に貢献できたりする、とても素敵なものだと私は思っているんです」――少し緊張ぎみで、けれどまっすぐな視線でこう語る須田真子さん。大学を卒業してから今日まで、仕事ひと筋だった時代、趣味を楽しみながら仕事を3つも掛け持ちしていた時代、子育て中心の時代と、その時々の状況を前向きにとらえ、働き方を柔軟に変えてきた。いつも核となったのは、「好き」という気持ちだ。

人の夢や目標に寄り添いたい

新卒で入社した語学スクールで、学校責任者として、学校の運営やスタッフの研修など責任の重い役割をまかされていた須田さん。この職場を選んだ理由をたずねると、「なんでしょうね。昔から、人が夢や目標を実現させていく姿を見ているのが好きだったんです」と答える。

語学を身につけて何かを成し遂げたいと思っている人、まだやりたいことが明確に定まっていない人、お金がかかるからと不安を感じている人……そこで出会ったのは、さまざまな事情や思いを抱えた人たち。

「一人ひとりの声に耳を傾けて信頼関係を築き、納得できる学び方をいっしょに導き出していくことを心がけていました。『あなたがいたから決めたんだよ』とか『ここに来てよかった』と言っていただけると、とてもうれしかった。その方の人生を間近で応援することが、自分自身の目標や成果に直結する。やりがいがありました」

アロマ、ウクレレ、カフェ……「好き」を求めて

派遣スタッフとして働き始めたのは、社会に出て10年たった頃。「それまで仕事一筋で、とても充実していたのですが、何せ忙しすぎて。ふと、私って趣味のひとつもない、この先子どもが生まれた時に伝えられることが何もないかも、なんて考えてしまった。やってみたいこともあったので、働き方を変えようと思いました」時間の融通がきくようにと、派遣スタッフに登録し、自宅近くの大学で働くことに。

そして、「やりたかったこと」のひとつは、アロマセラピー。心と体のバランスをとる術として以前から生活に取り入れていたが、改めて体系立てて学びたいと考えたのだ。それから、音楽を楽しむこと。早速、アロマの専門学校へ通い、ウクレレを習い始めた。

さらに須田さん、一時は行きつけだったカフェで週末だけのアルバイトもしていたというから驚く。

「『人が集まってくる空間』というカフェにも興味があったのです。この頃は、アロマセラピストの資格を取って個人名でも活動していたので、一時期はトリプルワークをしていましたね。さまざまな立場や役割を肌で知ることができた貴重な経験でした」

仕事で培ったマインドは、子育てにも生きる

そして4年前に出産。育休後も派遣スタッフとして復職したが、生活の中心は子育てになった。「いまは、すべてが子どものペースなので、正直、しんどいですよ。すごく疲れて座っていたいのに、『ねぇねぇ』と遊びたがったりとか……なんとか楽しもうとは思っていますが、辛くないかときかれたら、辛いです(笑)」

子どもをもって改めて感じているのは、仕事で優先してきた効率や成果という尺度とは別の、ゆっくり、ていねいに、ひとつずつものごとを積み重ねていくことの大切さ。そして、逆に、これまで仕事で培ってきたマインドや知識が、意外にも子育てに役立つことも、新鮮な発見だったという。

「人によって価値観や思考パターンはさまざま。良好な関係を築くためには、相手の価値観を尊重することが基本ですが、カウンセリング営業やお客さまとのコミュニケーションの取り方など、仕事で自然に身に着いていたことが、そのまま子どもとの向き合い方にも通じるんです。仕事の経験が子育てに生きるなんて想像もしていなかったけれど、きちんと働いてきてよかったと思いますね」

次の1歩を踏み出すために、これまでを見つめ直す

じつは、家庭の事情で、転居を予定している須田さん。そのために、仕事もいったん終了した。

「次に『やりたいこと』が決まっていない状態で仕事を辞めたのは初めて。家庭の事情とはいえ、ここで中断してしまっていいものかと、気持ちはブレましたね」と本音がちらり。けれどすぐに、「ま、今後の生活の仕方で、この不安はきっと払しょくできるはずです」と笑顔に戻った。

「何らかの形で仕事は続けていくつもりです。そのためにもいまは、これまで仕事や子育てのなかで得たものを整理し、しっかり自分のものにする時間にあてたい。そして、生活と仕事とがうまく融合するような、すべてがつながって循環するような、それでいてきちんと社会にも貢献できるような、何かそういう働き方ができたらいいなと思っています」

ステージが変わっても、自分がやりたいこと、「好き」という気持ちに素直に従ってきた。適当にやるのは性分に合わないから、できる限りの誠意を尽くしてきた。そんな風に1日1日を真面目に過ごしていたら、いつの間にか自分に合った場所にいた――これまでを振り返りながら、「先を見て動くというより、後から『ああこれでよかったんだ』と納得するタイプなんですね、私」と、自己分析する。

新しい場所で、次の1歩を踏み出そうとしている須田さん。いまはまだ模索の時期かもしれないが、きっとその先に「これでよかった」という答えが待っているのだろう。須田さんの前途に、幸あれ!

念願だった音楽。子どもと楽しむ至福の時間

音楽にはずっと関心があったのに、なかなか手を出せなかった。「いよいよやってみようとなって、最初に思いついたのはピアノでした。でも、ピアノってやっぱりハードルが高くて。ウクレレは、弦が4本しかないからいいかなって(笑)簡単なコードで1曲弾けちゃったりするから、気分もあがります」この頃は、子どもの歌に合わせて伴奏する楽しみも。「YouTubeで見つけた『はらぺこあおむし』の歌。子どもからリクエストされたので、レッスンで習ってきました」

アロマスプレーやハーブティーは、自分の気持ちを緩めたいときに取り入れている。ブランドにこだわりはなく、その日の気分で。「今日持ってきたオレンジのアロマは、明るい気持ちになるので、リフレッシュにはぴったりですよ」

仕事も子育ても健康第一だから、マヌカハニーも必需品。のどがちょっとおかしいなと思う時にこまめに舐めると、だいぶ楽になるそうだ。

ライター:高山 ゆみこ(たかやま ゆみこ)
カメラマン:福永 仲秋(ふくなが なかあき)

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