美容系の販売員から事務職に派遣スタッフとして転職し、医薬品や医療の業界を中心に働いてきた三浦めぐみさん(50)。働きながら韓国語の勉強にハマり、「大人になってからの勉強は本当に楽しい」と、もう何年も継続している。毎日欠かさず勉強する理由と、これから正社員になる心の変化などをうかがった。

*今回はオンラインで取材を行いました
*掲載しているお写真は、ご本人より提供いただきました

化粧品販売から事務へ。最初は怒られることもあった

専門学校でメイクを勉強し、化粧品会社の販売員として就職した三浦さん。4年ほど働いたが、ハイヒールでの立ち仕事による体の負担や、長時間の拘束が苦しくなり、派遣スタッフとして事務職へ。最初に働いたエステサロンの事務は、お店のノルマが厳しくて楽になることはなかったという。

「その後にもいくつか派遣の仕事をしましたが、今振り返ると、結婚もしていたのでパート的な感覚で働いていたと思います。ところが、主人が亡くなって、『自立して生きていかなくちゃいけない』という気持ちになったんです」

その後に働いたのが医薬品の商社で、薬品や原料など覚えることがたくさんあった。聞いたことのない名前ばかりでなかなか覚えられず、顧客や営業に叱られることもあったという。少人数で働いていたため、「迷惑を掛けられない」という想いで必死に取り組んでいった。

「社員さんとほぼ同じ仕事内容でした。苦労はしましたが、1年ほど経つと頼られるようになってきて、『頑張ってよかった』と思いました」

やりがいもあり、充実した仕事だった。

その後、研究所で使用する医療機器の商社で働く機会があり、営業アシスタントとしてさまざまな経験を積んだ。現在は化粧品を扱う小さな商社で働いており、これまでの経験や知識が活かされていると感じる。

自分には縁がないと思っていた正社員に

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言中には自宅待機をしていたが、最近は15時までの時短勤務。早く退社して時間があるので、YouTubeを見ながら筋トレをするほか、楽しみとして「大人のぬりえ」も。メイク学科だったため、絵を描く機会が多く、色鉛筆やパステルも持っていたという。何も考えず集中できるのがリフレッシュになっている。

「GW明けから通勤するようになりました。驚いたのは、これから正規雇用になるということ。『もう一生ないかな』と思っていたので、驚きました。営業事務や医薬品の卸、売掛金や買掛金といった経理の処理、お茶くみなども含め、これまでのさまざまな経験が活きたと思っています。経験があれば先回りできる。それがよかったのかなと」

長い経験の価値を認められたことも、喜びにつながった。

「自粛期間を経て、仕事が好きなんだって思いました。祖母が自分でお弁当屋さんをしていて、『お金のためじゃなくて働くのが好きなんだよ』と言っていたのが、今はすごく共感できます」

自宅で働くより、会社で人と関わることで「必要とされている」と実感するのだそう。

仕事で心掛けているのは、「前のめりになりすぎない」こと。仕事に慣れてくると、主張したいことも生まれ、相手にかぶせるように話してしまう。仕事先で指摘されたのをきっかけに、深く納得したのだとか。まずは相手の話を聞くように注意したところ、仕事がスムーズに進むようになった。

韓国語の勉強がライフワークに

三浦さんのライフワークは、韓国語の勉強。「冬のソナタ」が流行した2003年の少し後、たまたま自宅の近くで韓国語レッスンの生徒募集をしていたことがきっかけだった。そして、数年前に再スタート。そこから、今は毎日勉強の時間を欠かさない。

「韓国語スクールのメールマガジンに登録しているので、毎朝配信される内容に沿って発音や新しい単語、会話を30~40分ほど学びます。土日も含め、1日も欠かしません」

TOPIKという韓国語能力試験と、ハングル能力検定試験が日々の励みだ。TOPIKは1~6級まであり、6級が最上級。三浦さんは3級だ。また、ハングル能力検定は1級が最も高く、先日準2級に合格した。

「以前、社会人の短期留学で、韓国に行き4日間授業を受けたことがあったんです。そこで知り合った人たち7人で、昨年までは毎年韓国の地方へ旅行に行っていました。励まし合って勉強したり、文化や国のことを調べたりしています。日韓には胸が痛くなるようなこともあるけど、目をそらさずに知識を深めたいんです」

今後も、仲間と切磋琢磨しながら韓国の言語や文化を学び続けていきたいと三浦さんは言う。

また、正社員となった会社では、まだまだ紙の文化が根強い取引を電子化していきたいと意気込む。「取引先に古い会社も多いですが、臨機応変に。よいところを大事にしつつ、作り上げていけたらいいなと思っています」

電子辞書やボールペンなど、勉強道具をいつも手元に

韓国語を学ぶ三浦さんにとって、片時も手放せないのは韓国語の電子辞書だ。テレビドラマなどを見て、少しでもわからない言葉があるとメモして、あとから辞書で調べるのだそう。スラングなどはスマートフォンの方が調べやすいこともあり、適宜使い分けている。

また、ボールペンはジェットストリームがお気に入りで、他のものだと嫌なほど。書き心地がよく、勉強のノリも違うという。ラインマーカーやメモとして使う付箋も近くに置いて置く。

毎朝取り組んでいる韓国語のテキストも欠かせない。しっかり取り組むこともあれば、暇な時間にぱらぱらと見ることも。試験前には持ち運ぶこともある。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)

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