コロナ禍で今もなお、大きな打撃を受けている旅行業界。しかしこのピンチを「チャンスでもある」と前向きに捉えている人もいる。その一人である竹内衣里さんは、大好きな旅行関係の仕事に再び挑戦するため、今着実に自分自身のスキルを磨いている。彼女のキャリアに対する考え方と、これからの目標について聞いた。

*今回はオンラインで取材を行いました
*掲載しているお写真は、ご本人より提供いただきました

子どもたちの成長に合わせて完全在宅ワークのフルタイムへ

5年前の出産を機に派遣スタッフとして働きはじめた竹内さん。現在、6歳と4歳になる2人の子どもを育てながら、週5日フルリモートで仕事をしている。勤務先はDX(デジタルトランスフォーメーション=IT技術によって暮らしをより良いものにすること)を推進するためのプロダクトを提供しているベンチャー企業で、竹内さんは顧客にアドバイスを行うCS(カスタマーサクセス)業務を担当している。

「育休からの仕事復帰が間もないときは家から近い職場で、時短勤務ができることを条件に仕事を探していました。ようやく子どもたちが成長してきたので、2020年の夏からフルタイムで働いています。完全在宅ながら裁量ある仕事を任せてもらっており、恵まれた環境ですね」

子育てと仕事をうまく両立しながら充実した日々を送っている彼女は、今、自分自身の今後のキャリアについて一つの目標を掲げている。それは、かつて働いていた旅行業界に再び戻り、そこで新しい仕事に挑戦することだ。

かつて働いていた旅行業界の課題。その解決を目指したい

竹内さんは新卒で就職してから約6年間、旅行業界で働いていた経験がある。

「旅好きだった両親の影響で、私も小さいころから旅行が大好きだったんです。就職するとき、自分が好きなものに関わることができれば、きっと仕事もとことんがんばれると思いました」

子どものころ、どこにあるかも知らなかった海外の街を訪れたときのワクワク感。いつもと違う景色を眺めたり、その土地の文化に触れたりする旅行の醍醐味を、多くの人に経験してもらいたいと当時は常に考えていた。

営業職として勤務する中で、無形のものを販売するための知識やスキルもしっかりと身につけていった。

その後、出産・育児のために2年弱ほど仕事から離れることになったが、いずれまたフルタイムの仕事に復帰したいと思っていたそうだ。そのとき、頭に浮かんだのはやはり旅行業界だった。

「業界で働く中で、課題もいろいろと感じていました。特に旅行代理店では、紙の申込書などアナログな文化が今でも変わらず残っています。いつかそうしたサービスのシステム化や、新しい仕組みをつくることで業界に貢献したいという、明確な目標ができたんです」

目標を叶えるためのキャリアステップをしっかりと思い描いて

自分の目標を叶えるためには、どんなステップが必要か——竹内さんはこれから自分が歩んでいくべきキャリアの道のりを、しっかりと思い描いて仕事を探すことにしたという。現在、働いているベンチャー企業を選んだのも、旅行業界にはこれからDXが必須だと考えたから。今彼女は目の前の業務に取り組みながら、さまざまなDXの知識を実地で積極的に吸収している。

「カスタマーサクセスの仕事も、今後必ず役に立つと思っています。これまで経験してきた仕事、身に付けたスキルやリレーションを活かし、今までとは違う形で旅行の販売支援ができればと思っています」

着実にスキルを磨きながらキャリアを重ねた結果、実は最近、竹内さんが思い描いていた仕事のイメージにとても近い企業から、実際に声をかけてもらうことができたという。彼女の目標が形になるまで、そう多くの時間を必要とすることはなさそうだ。

2年分の空白。マイナスが大きいからこそ、プラス幅も大きくなる

しかし今、旅行業界といえばコロナ禍の影響を受けてかなり大きな打撃を受けている。それでもあえて今、竹内さんがそこに飛び込もうとしているのはなぜなのだろうか。将来についての不安はないのか聞いてみると、思いがけない答えが返ってきた。

「今だからこそ、逆にいいタイミングなのではないかと考えています。ピンチって、実はチャンスでもあると思うんですよね。もちろんマイナスの側面は大きいですが、旅行業界が大きく変わるきっかけにもなり得るんじゃないか、と」

現状のマイナス幅が大きく底を打っているからこそ、これから先はプラスに力が働くはず。竹内さんの言葉からは、決して楽観的な精神論ではなく、ビジネスを冷静な視線で捉えているからこその力強さを感じた。

仕事で旅行に携わるだけではなく、プライベートでもまた旅行を楽しめる日を、竹内さんは心待ちにしているという。

「近所の公園に出かけたり、家族でキャンプしたりと、できる範囲のことはしていますが、やはりどうしても、子どもたちの経験値が不足しているなと感じることが多くて。社会状況が改善したら、旅行もたくさんしたいですし、子どもたちがいろいろな経験ができるようにしてあげたいですね」

コロナ以前、竹内さん一家は毎年家族で沖縄に旅行するのが恒例行事だったそうだ。2年分、ぽっかり空いてしまった家族写真。近い将来、それを埋められる日がくるころには、竹内さんご自身も旅行業界に新しい風を吹かせているかもしれない。

在宅ワークだからこそ「好きな香り」を揃えて癒される

家族と訪れたキャンプで飲んだ一杯をきっかけに、コーヒーに目覚めたという竹内さん。以前は苦手意識があったが、今ではすっかりコーヒータイムが在宅ワークの合間の癒しのひとときになっている。

コーヒーの他にも、ハンドクリームやフレグランスなど、好きな香りのものを身の回りに揃えて気分転換しているそう。最近のお気に入りは、キンモクセイの香りが心地よいオードトワレ。

子どもたちが一生懸命書いてくれた手紙も、竹内さんにとって大切な宝物だ。「ほんの少し前まで赤ちゃんだったのに、自分なりの表現でありがとうと伝えようとしてくれて。すごく成長を感じますね」

ライター:大島 悠(おおしま ゆう)

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