中学生と小学生の子どものサポートのため、もう少し時間の余裕を持ちたいと思い、働き方を見直した前谷弘子さん(45)。慌ただしい毎日の中で、家族との時間、自分が心地よくすごせるための時間を確保するために、家事を効率よくまわす工夫を欠かさない。自分のための時間も大切にする日々のすごし方は参考にしたくなるポイントがたくさんあった。

*オンラインで取材を行いました
*掲載しているお写真は、ご本人よりご提供いただきました

子どものサポートのため余裕のある働き方を選択

前谷さんの社会人として最初のキャリアはシステムエンジニア。当時は深夜まで働くことが当然だったが、その後結婚・出産も経て事務職に転職する。

「時間に融通が効くかなと思ったら想像以上に忙しく、分刻みで働く感じでした。体を壊したとか、ストレスがあったわけではないのですが、子どものサポートを考えるともう少し時間の余裕を持ちたいと思い、1年ほど前から派遣スタッフとして今の就業先で働くようになりました」

現在は教育機関の事務として、週4日朝10時から夕方16時という働き方に。

「子どもは長男が中学2年、長女が小学4年で、それぞれの学校関係や習い事のサポートが結構あるんです。長女は週に1、2回夜遅くまで習い事をしているので、合間に食べる軽食を仕事後に届けに行っていますし、習い事や塾のあとは迎えも。長男はバイオリンをやっているのですが、一緒に演奏する子の親どうしで連絡をとって楽譜を送るなど、小さなタスクがいろいろと発生します。子どもの行動範囲が広がるぶん、小さいころのお世話とは違ったサポートが必要なんですよね」

出勤前の時間に効率よく家事をこなす

働き方の見直しで時間や気持ちの余裕ができた現在も、少しでも効率よく日々の生活を回すための努力は欠かさない。朝は5時ごろに起床し、ご飯を炊くことから1日が始まる。

「コロナ禍が始まったころに炊飯器が壊れたんです。前々から友達に土鍋ご飯がおいしいと聞いていたのですが、炊いてみたら本当においしくて。それ以来炊飯器は買い直さず土鍋で炊くスタイルに。ガスコンロにタイマーがついていて、その日に炊くお米の量に合わせてタイマーをセットしたら放置でいいので、そんなに面倒ではないんです」

土鍋のタイマーをセットしたら、その間はメールチェック、新聞の一面だけ目を通す、別の家事をするなどして時間を有効活用。出勤で家を出る9時までに自分と長男のお弁当づくり、家の掃除と片付け、夕飯の下ごしらえなどの家事をこなす。

「朝起きてから家を出るまでの4時間で、頭の中でやることをリスト化して、どこまでこなしていけるか自分との勝負を毎日楽しんでいます(笑)。全部やらなきゃとは思っていなくて、5つのうち2つ終わればいいくらいの気持ちで。お弁当もご飯は朝炊きますが、おかずは前日の夕飯の残りだったり、週末に作り置きしたものだったり、手抜きできるところはしていますよ」

TODOリストをこなすのが達成感に

効率よく物事を進めるスキルは、「分刻みだった」という過去の仕事で鍛えられたもの。

「当時はマルチタスクでこなさないと仕事が終わらなかったですし、子どもも小さかったので。自然と身についたんでしょうね。今も、電子レンジでおかずを温める間にメール1本書くとか、歯みがきしながら掃除機をかけるとか、同時進行でできることを見つけるクセがついています」

TODOリストを作って、こなしていくのは社会人1年目からの習慣だったとも。今でも朝、職場に着くとTODOリストを作成して、ひとつずつチェックしていくのが達成感につながっている。

「スマホのメモ帳アプリを使うこともありますし、職場のパソコンならふせんアプリを使うことも。家にホワイトボードを置いて、子どもたちに毎朝やることを書いてもらうようにしています。終わったものは、文字を消してしまうと何をどれだけ終わらせたのかわからなくなるので、チェックをつける形にするのが達成感を味わってもらうポイントです」

毎朝30分の気分転換でモチベーションを維持

慌ただしい1日の中で、子ども2人が学校に向かい、夫が起きてくるまでの30分間が貴重な「一人の時間」。

「朝食を食べながら、モーニングルーティンや海外での生活を紹介するSNSを観るのが気分転換なんです。その30分を確保するのが、朝の家事をがんばるモチベーションにもなります」

気分転換だけでなく、自分自身の学びや成長のための時間も大切にしている。日々の通勤は読書時間に。

「長男が本好きなので、話題を共有するため同じ本を読むようにしています。学校でプレゼンテーションの経験を積んだようで、最近では私のひとり言を拾って論破するほどなので、こちらも語彙を増やすためにビジネス書を読むことも」

母と兄が本の話をするのに刺激を受けたのか、娘さんも読書をするようになり、“この本が面白かったよ”と薦めてくれるように。お子さんの存在は、前谷さんのキャリア面にも刺激を与えている。

「小学校卒業までは“table”を“タドール”と読むくらいの英語力だった長男に、中学1年の一年間で抜かれてしまって。悔しかったのでTOIECを受けようと今勉強中なんです。それもあって、いずれは英語を使うような仕事をしてみたいと思うようになりました。子どもが成長すれば、いずれはサポートも必要なくなって自分の時間も増えるでしょうし、もっと自分のやりたいことに集中していけたらなと思います」

家族の予定をひと目で把握するための4色ペン

前谷さんが仕事に持参する愛用品たち。スケジュール管理はスマホのアプリも使用しているが「全体的に目で見て確認できるようシンプルな手帳に家族のスケジュールを記入しています」。自分と長男、長女、夫で色を変えて書きこむため、4色ペンを使用。

手帳の右隣のお弁当箱は食べきるのにちょうどいい少しコンパクトなサイズに。スマホ用のモバイルバッテリーは「念のため」持ち歩いているというのが用意周到な前谷さんらしい。手指消毒用のハンドサニタイザーは無香料がこだわりポイントとか。

ライター:古川 はる香(ふるかわ はるか)

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