数学を得意とし、論理的思考で複雑な事務の仕事をこなす鈴木さん(59)。長年、難聴で困ってきたが、耳に合う補聴器を手に入れた途端、さまざまな音がよく聞こえるようになり、仕事の効率も格段にアップした。趣味も仕事も全力で楽しむ鈴木さんの仕事と夢について聞いた。記事の最後では、リクルートスタッフィングのサポート制度をご紹介します。

*オンラインで取材を行いました
*掲載しているお写真は、ご本人よりご提供いただきました

商品の出荷を計算しデータ化する複雑な事務

就業先での鈴木さんは毎日、特に午前中が忙しい。取引先からの多岐にわたる注文を取りまとめ、商品の重さを計算し、どの大きさの箱がいくつ必要か、どの温度帯で出荷しなければならないかを考え、データ化するという仕事を担当している。

計算が済んだら、商品の保管場所と注文書を付き合わせてチェックし、社員にバトンタッチ。ほっとするのも束の間、無事に出荷が済んだら注文のデータをまとめてサイトにアップする。まるでパズルのような複雑な作業に思えるが、「もともと数字に強いので、得意な作業なんです」と笑う。

「学生時代から数学は得意でした。教育に興味があり、将来は教員になろうと思っていたので、1番得意な数学を専門にして、数学の教員免許も取ったんです」と鈴木さん。現在の就業先で働くようになってまもなく3年経つが、それ以前は30年以上、とある会社で社員として働いていた。

アルバイトのつもりが社員になり地方勤務に

会社員になる前、短い間、学習塾を開いて小中学生に勉強を教えていたことがある。もっと規模を拡大したいと思い、近隣にチラシを配る計画を立てた。その費用を捻出するために「ちょっとアルバイトをしよう」と、書籍や音楽・映像ソフトを扱う会社に応募したところ、社員として採用したい、そして店舗の店長をやってほしいと乞われ、そのまま入社して地方勤務をすることになった。

「地方の店長から始めて、2年くらい経ったあとにエリア長になり、その後ブロック長になりました。30歳ぐらいのときに東京に転勤になって、東京本社で物販関係の担当をずっとやっていました。その後、とある新規事業を試行錯誤で始め、ある程度、形にしました」

一度、これが自分の仕事と定めるときっちりと向き合い集中し、論理的思考を使って解決してきたのが、鈴木さんのキャリアヒストリーなのだろう。

補聴器で聞こえが良くなり仕事のやりがいも倍増

鈴木さんは難聴という障がいを抱えながら仕事をしている。聞こえを改善するために、父親から譲り受けた補聴器を10年ほど使ってきたが、困ることが多かったという。

「補聴器をつけていると、この人は耳が聞こえないと思われるからか、『あなたには話しません』と途中で話すのを止めてしまう人もいて、悔しい思いをしてきました。補聴器も完全ではなく、聞き取れないときもあったりしたんです」

ところが、2023年の6月に、不安はあったが思い切って障害者手帳を取得した。その際に、現在住む県から補助があり、自分の耳に合う補聴器を作ってから人生が一変する。

「それまで知らなかったのですが、自分の耳にぴったり合った補聴器を使うと、雑音がなくなって聞こえがとても良くなるんですね。例えば、今まではテレビの音量を最大の30にしてもあまり聞こえなかったのですが、今では6や7くらいでもよく聞こえます」

仕事の指示も間違いなく聞き取れるようになり、よりやりがいも感じられるようになったという。

「今では、難聴の方やお年寄りに、補聴器について聞かれるようになりました。聞こえづらくても、補聴器を使っていらっしゃらない方は意外と多いんです。聞かれたらお貸しして、こんな感じで聞こえますよ、と、装着をお勧めしています」

いつか韓国に住んでみたいという長年の夢

鈴木さんが自分で考える強みは「ここ一番の集中力」だ。これは趣味の将棋で養われたところが大きいという。始めたのは高校生のころ。友達と一緒に将棋クラブに入り、少しずつ強くなって、それからのめり込むようになった。

「人と将棋を指すのが好きですね。地方で仕事をしていた時代も今も、大人が集まる将棋センターに行って、指しています。成績は勝ったり負けたりですけれど、それがまたいいですね」

鈴木さんにはもうひとつ、趣味がある。それは韓国の文化を知ることだ。韓国への興味は、20〜30年前のインターネットサービスに遡る。当時、日本語で書けば相手には韓国語で表示され、相手の韓国語が日本語で表示されてチャットができるというウェブサイトがあった。試しに始めたみたところ、おもしろくて夢中になった。

「たまたま見ていたテレビ番組で知ったサービスなのですが、それまで私は韓国のことは何も知らなかったんです。でも、意見交換をしてみると、話しやすいなと思って。そのときに、いろんな方とお友達になりました」

韓国の友人達とのつながりは、チャットだけにとどまらない。

「とある韓国の歌手の方がとても歌がうまくて。チャットで韓国の友人達に話すと、有名な方だったようで、盛り上がりました。そうしたら、何人もの人から航空便でその方のCDが送られてきたんです。うれしかったですね」

それから、歴史を調べたり旅行で訪れるなどして、韓国への興味を深めていった鈴木さんは、近い将来、韓国で暮らしてみたいという大きな夢を温めている最中だ。

「できれば韓国で仕事もできるといいなと思っています。教壇に立ちたいとはもう考えていないのですけれど、先々は児童館で子ども達の面倒を見るようなことをやっていけたらいいですね」

まだまだこれから、鈴木さんの夢は続いていきそうだ。

ライター:池田 美樹(いけだ みき)

リクルートスタッフィングのサポート制度とは?よくいただくご質問

現在、ご就業中の方で「障害者手帳」をお持ちの方がご利用いただける、リクルートスタッフィングの障がい者雇用サポート制度をご紹介します。

よくいただくご質問

Q.サポート制度に申し込むと、派遣先やリクルートスタッフィングのお仕事紹介担当・営業担当に知られてしまいますか?お仕事を探す際、不利な立場になってしまわないか心配です。

A.サポート制度へのお問い合わせ・お申し込みいただいた内容・お申し込みの有無などの情報は、サポート制度の運用に関わる部署のみで取り扱っております。そのため、当部署より、派遣先やお仕事紹介担当・営業担当に伝えることはございません。ご安心ください。

Q.サポート制度を利用したいです。どのようにすればいいですか?

A.こちらのサイト内にある「申請方法」をご確認ください。

サポート制度の支給内容

■サポート金支給:1万円/月
→支給月は4月・10月(年2回)。最大6万円/回
→支給対象条件
1.障害者手帳の写し、および当社指定の同意書をご提出いただける方
2.就業開始から継続して6ヶ月を経過されている方(暦日10日以内のブランクは継続とみなします)
3.支給月前月末日時点で雇用保険に加入されている方

■サポート制度の対象となる障害者手帳
・障害者手帳
・精神障害者保健福祉手帳、など

■サポート制度の詳細とお問い合わせはこちらをご覧ください

サポート制度についてのお問い合わせや申請いただいた内容は、本制度以外の目的では利用いたしません。お気軽にお問い合わせください。

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