長く正社員として働いてきたSさん(38)は、今年から派遣スタッフとして働いている。その理由は、採用の仕事に特化してスキルを身につけたかったから。結果、今の仕事には大満足しているという。そんなSさんの仕事への思いをはじめ、プライベートの楽しみや趣味のことなど、充実したライフスタイルをうかがった。

*オンラインで取材を行いました
*掲載している写真は、ご本人からご提供いただいたものです

外資系企業ではじめて働く

現在、Sさんが働いているのは、外資系の経営コンサルティング企業。挑戦してみたかった採用の仕事で、その中でもダイレクトリクルーティングを担当している。

「採用のプラットフォームなどでさまざまな方の職歴を見て、ニーズに合う人をスカウトします。細かい職域や経歴の条件が定まっているので、探すのはなかなか大変。でも、だんだんと、文章を見てわかるようになってきました」

前職までは正社員として働いていたが、派遣スタッフを選んだのには理由がある。

「バックオフィスの正社員は、ひとつの仕事に特化するのが難しく、さまざまな業務を担う場合が多いと感じました。でも、採用に特化して能力を高めたいと思ったので、契約社員や派遣スタッフで探してみようと思いました」

大量なデータ処理で鍛えられた以前の職場

「会社で働いていると、人の大切さが身に沁みます。2つ前の職場では、特定の資格を持つ人を指定して採用していました。ところが、次が見つけやすいのか定着率が低く、すぐに退職してしまう……。どれだけ素晴らしい仕事をしていても、担当できる人がいなければ会社は立ち行かなくなってしまいます。そこで、会社に愛着をもってもらうのが大切なんだなと思いました。そういうところから、採用が大事、と考え始めたんです」

採用業務をしたい、と入社したのが前職の東証一部上場のIT企業で、人事の仕事が細分化されていた。採用がしたくて入ったものの、数千人分の勤怠や残業を管理するデータ処理の仕事が主だった。

「先輩社員と2名で、新しい仕事がいくつもある状態でスタートしました。データをスプレッドシートに取り込んでピボットテーブルを作って……。最初は何からやればいいかわからず、先輩に聞きながら試行錯誤。残業もたくさんしましたし、調べたり、頭を使ったり、あらゆることをやりましたね。大変だったけどすごく鍛えられたので、いまは1000件以下のデータを見ても驚きません」

月末月初が特に忙しいものの、それ以外は余裕のある時間帯もあった。その際に社内のLGBTQの方にヒアリングしたり、ニーズを聞いたりする仕事もあり、多様な人々の意見を知った。

「タイミングによって性格や対応が変わってしまう人も見ましたし、体調を崩してしまう方もいました。そんな経験をきっかけに、『人の心に寄り添えるようになりたい』という願望や、『学問的に知識を深めたい』という欲求が高まり、産業カウンセラーの講座を受け始めました。資格を取っても仕事にすぐ活かすのは難しそうですが、学んだこと自体はすぐに活用できると思います。特に『傾聴』の大切さは実感しました」

休みの日は猫と遊んだり、電車に乗ったり

通勤は週に1回で、残り4日はリモートワーク。前職からリモートワークが中心だったので、その部分でも戸惑いはないそう。

「スマートウォッチで1時間に1回通知が出るので、その際に立ち上がってお茶を飲むなどブレイクを入れます。区切りがよく、作業の目安にもなるのでメリハリがつきます」


▲今お気に入りのマグカップ

Sさんの夫はフルリモートワークで、いつも夕飯を作ってくれるという。

「最初は私も作っていたんですが、野菜を切る行為が嫌いで、『ずん』と嫌な気持ちになるんです。食事を作ったあとに元気がなくなる私を見て、夫が理由を聞いてくれて。それからは食事を作ってくれるようになりました。私は、掃除は好きなので、お互い補い合って分担しています」

休みの日には、飼っている猫と遊んだり、夫婦で外食をしたりしている。電車に乗ることも好きだそう。

等身大で無理をせず、プライベートも仕事も楽しんでいるSさん。現在のように、誇りを持てる仕事が好きだという。

「今の仕事になってから、夫に『仕事の文句を言わなくなったね』と言われてびっくりしました。それまでは愚痴が多くて、それを聞くのが嫌だったようです。今の環境が自分にフィットしているのでしょうね。働く会社のブランドや規模も大事にしたいポイントです。制度が整っていて、会社で働く人たちも環境に満足しているのが素晴らしいと感じます」

外資系企業で働き始めたのをきっかけに、英語の勉強もしはじめた。

読み書きはできているので、話すことに力を入れ、AIと会話するアプリを利用。これまでのスキルに加え、いずれは英語を使って仕事をしたい、と考えている。

鉄道グッズとパーソナルカラー診断のハンカチ

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鉄道が好きなので、N700Sグッズのスプーンを愛用している。

「たまたま乗った新幹線がN700Sで、記念品が欲しい!と思い買ったもの。よく国内旅行に行きますが、鉄道旅行なら何でも好きで、特に乗るのが好きな『乗り鉄』です」

母と一緒に旅行することが多いのだとか。

また、1日がかりでパーソナルカラーを診断してもらったことがあり、そのときにもらったハンカチをコーディネートの参考に使っている。

「自分の肌色に合う洋服を買うために、事前にコーディネートのイメージを持ってから買い物をしています。それまで、好きなものを買ってくると夫に『色合わせがおかしい』と言われがちだったのですが、この色の中から選ぶと間違いがないので安心です」

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)

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