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【連載】第2回 「エンジニアとしてこのさき生きのこる」ためのコラム

第2回 情報は鮮度が命!一時情報に近くなるための情報源とは?

こんにちは。「エンジニアとしてこの先生さきいきのこるためのコラム」の第2回へようこそ。 この連載では、エンジニアのみなさんがエンジニアとしてこの先生さきいきのこり、 エンジニアとしてのキャリアを深めていくために不可欠な「スキルを磨く」取り組みをご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

第1回の記事はこちら ↓

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【講 師】
塩谷 啓(しおや ひろむ)さん

株式会社ドワンゴ所属、エンジニア兼採用担当、運営母体のひとつであるドワンゴのネット高校の一年生。中途採用する側・される側の両面から、エンジニアとしての生存戦略について考えている。 共著「Web制作者のためのGitHubの教科書」(インプレス)

前回は「編集されている情報源」として書籍・雑誌・IT系Webサイトの3つを紹介しました。編集されることによって内容が精査され間違いが少ない、という利点がありますが、その分リードタイムがかかるため「鮮度」が低くなりがち、という欠点もあります。
そこで今回は、より一次情報に近い「編集されていない情報源」についてご紹介します。
「編集されていない情報源」とは、個人が発信した情報がそのまま届く、という意味です。編集という第三者の手と目が入っていないので、「編集されている情報源」とは逆の性質を持ちます。

つまり

● 情報の正確さは発信した個人に依存する
● リードタイムが短い
● マイナー / ニッチな情報も存在する

ということです。

発信するメディアの目的にもよりますが、編集されている情報源は、情報を編集する段階でどうしても「需要のあるものから発信していく」という傾向になりがちです。一般的に使われていないが重要な技術トピックについては、積極的に「編集されていない情報」を収集する必要が出てくるでしょう。

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編集されていない情報源とはどんなものがあるか

それでは具体的に、いくつかの情報源について見ていきましょう。

Webサイト

● Qiita
Qiita(キータ)は、プログラミングに関する知識を記事として投稿し共有するサービスです。2011年のサービス開始以来、日本語によるエンジニアの情報発信プラットフォームとして存在感を増してきました。
自分でプラットフォームを用意しなくても情報発信できる手軽さ、Markdownやコードフォーマットなどエンジニアにとっての使い勝手のよさ、「コントリビューション」が数値化されることによる達成感など、情報の発信者にとっての快適さに重点を置いています。
読者にとっても、タグによる分類、キーワード検索、「フォロー」によるSNS的要素など、スムーズに有益な情報を手に入れるための工夫が凝らされています。


● テックブログ

ソフトウェア開発のノウハウなどを発信しているブログを、おおざっぱに「テックブログ」として分類しています。IT系の企業がプレゼンス向上のために書いているものと、エンジニア個人が自主的に発信しているものがあります。
普段の業務で困ったことがあれば、共通の課題が取り扱われていないか、同様の技術を採用する企業のテックブログで探してみましょう。また、直接的な技術だけではなく、開発フローやチームビルディング、さらにはデザインやUXなどの話題が取り上げられることもあり、幅広い情報がキャッチできるかもしれません。
エンジニア個人によるものは、誤解を恐れずに言えば玉石混交です。自分の関心事やレベルにマッチするブログを見つけられれば、スキルアップのペースメーカーとしての役割を期待できます。また、テーマを絞って継続的に発信している個人ブログの中には、「編集された情報源」より正確で鮮度が高いものもあるので、情報源としては貴重なものです。
企業のものが中心ですが、テックブログを紹介しているまとめ記事をいくつかリンクしておきます。
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/323
http://creive.me/archives/8596/


● はてなブックマーク

日本では草分け的なソーシャルブックマークサービスが「はてなブックマーク」です。WebサイトのURLをコメントともに記録・共有するシステムは、エンジニアリングに関する情報を収集するのにも有効な手段です。特に以下の3つの機能を使いこなすとよいでしょう。
■「テクノロジー」カテゴリ
テクノロジー関連の注目ブックマークが一覧できます。トップページのツールバーから簡単にみることができるので、こまめにチェックしましょう。
■ 関心ワード
自分の得たい情報に合わせて関心ワードを登録しておくことでキーワードに関連するブックマークが一覧できます。
■ お気に入りユーザー
興味・関心が近い他のユーザーを「お気に入り」にしておくことでブックマーク状況を知ることができます。
はてなブックマークにつくコメントから記事の内容や質について情報を得ることができる、というのもポイントです。


Twitter

Qiitaやテックブログに記事を書いたり、ブックマークを追加したりしたとき、大半のサービスでは「SNSにシェアする」機能を備えています。シェア先として手軽なのが、おなじみ「Twitter」です。アウトプットした記事はできるだけ多くの人に読んでほしいというのが書き手の正直な気持ちです。そのためのプロモーションを行うプラットフォームとして、Twitterが使われるケースは少なくないようです。
エンジニアとして実力があり尊敬できる人の興味・関心を知ることができたり、日常の考えや心構えに触れることができたりするので、そういったユーザーを探してフォローしておくと、情報収集の手段としては効果的なものになったりもします。
4月の新入社の時期を中心に「**界隈でフォローしておくべきユーザー」などのまとめ記事が作られることがあるので、どういった人をフォローすべきか分からない場合はそういった記事を参考にするとよいでしょう。また、「プログラミングを勉強する際に、Twitterでフォローすると参考になる人を探せるサービス」というそのものズバリな「Programmer Profile」というサイトもありました。

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注意すべきこと

「編集されていない情報源」の信頼度は、受け手がきちんと判断する必要があります。以下の点に注意しましょう。

● 鵜呑みにせず内容を検証すること
書き手はあくまでも個人の場合がほとんどです。本当に正しい情報なのか内容をよく読んで判断しましょう。

● 記事の日付に注意すること
古い情報がそのまま残っていることがよくあります。「編集されていない情報源」の特徴のひとつである情報の鮮度に気をつけましょう。

● 翻訳記事の場合は原文にも当たること
翻訳の質には個人差があります。原文も読んで、翻訳が正しいかどうか判断しましょう。

簡単ワーク 各特徴を理解した上で情報を集めてみましょう

今回紹介した情報源を早速活用してみましょう。

● Qiita
 ・アカウントを作ってみましょう
 ・業務に関係ある技術のタグを探しフォローしてみましょう

● テックブログ
 ・RSSフィードを読む手段を用意しましょう
 ・業務のドメインが近い企業のテックブログを購読してみましょう

● はてなブックマーク
 ・アカウントを作ってみましょう
 ・「テクノロジー」トップから関心のある記事を探しブックマークしてみましょう

● Twitter
 ・アカウントを作ってみましょう
 ・Programmer Profileでエンジニアのアカウントを探しフォローしてみましょう
 ・はてなブックマークとの連携を設定しブックマークがタイムラインに流れるようにしてみましょう

(編集後記)
今回は「編集されていない情報源」として、いくつかのサイトやサービスを紹介しました。いずれもより一次情報に近づくために重要ですので、ぜひ日常的に触れる習慣をつけてみてください。
さて次回は、「一次情報そのもの」である、ソーシャルコーディングのプラットフォームについてお話しします。お見逃しなく。