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【インタビュー】事務職からエンジニアへ。目先の利益にとらわれず、継続性を大事に

エンジニアとしてのキャリアを考える上で、スキルアップに不安を持つ方は多いのではないでしょうか。株式会社リクルートスタッフィングが運営するITSTAFFINGでは、スキルアップのために努力されている登録スタッフにインタビューをし、普段のお仕事で気を付けていることや、スキルアップのための取組み方について、定期的にご紹介します。エンジニアとしてのキャリアを積む方はもちろん、これからエンジニアになりたいと考える方にとっても、行動のヒントになるはずです。

今回お話を聞いたのは、20代のころ事務職からエンジニアへジョブチェンジした保坂健さん(45)。最初はシステムへの興味から正社員へ、その後、収入面や働きやすさなどを重視して派遣エンジニアとして働き始めます。これまでのキャリアや、現在のスキルアップの工夫などを伺いました。

保坂健さん

書店の営業事務からエンジニアへ

エンジニアとして働く前は、営業事務をしていた保坂さん。手で書いていた伝票が印刷機を経由して出てくるようになり、システムに興味を持ったのだという。PCにも興味があり、転職を決意する。

「転職先はシステム運用や開発を手掛ける会社で、外資系PCメーカーのテクニカルサポートを担当していました。電話によるサポートで、最初は知識がないため、聞かれたことをその場で調べて説明するのは大変。精神的にもきつかった覚えがあります。ただし、あとから考えると、その場でPCの実機を触っていろいろと試せたので、スキルアップに大きく役立っていました」

2年後に異動し、大手広告代理店のシステム保守を担当した。運用チームではリーダーも経験したが、夜勤のあとにも自社の業務が残っているなど、体力的にもきつい状況に。その上、収入や評価されていない状況を感じて不安を覚えていた。

「年収を改めて計算すると、派遣で働いてもほぼ変わらないか、むしろ高くなるかもしれないと思いました。また、派遣エンジニアであれば、比較的時間に余裕ができると考えたのです」

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知らないことができるようになる過程が面白い

実際に派遣エンジニアとして働くようになり、働く前とのイメージの違いはあっただろうか。

「ほぼイメージどおりでした。状況によっては残業もありますが、土日はほぼ休みで自由に使えます。残業時間が増えそうになったり、なかなか帰れないプロジェクトの担当になりそうになると、派遣会社の方が相談に乗ってくれるのがありがたいです」

正社員では、中間で調整してくれる人がいないケースもある。「おおむね、悶々とする時間が短くて済む」と保坂さんは言う。

「今の就業先でやりがいを感じるのは、新しい仕事を依頼されてから、できるようになるまでの過程です。わからない箇所は書籍を読んだり、就業先の会社が契約しているシステムのメーカーに問い合わせたり。聞いたことを徐々に蓄積して、スキルアップできている実感があります。例えば、会計システムをメンテナンスのために停止させるという作業。本番システムなので、慎重を要します。停止する手順や順番、注意事項などをまとめてフィードバックしてもらい、実際に作業に取り掛かります」

会社独自のシステムではあるが、一般的な知識も着々と身に付いているそうだ。

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プライベートの時間も大切に。プログラミングの勉強も

そんな保坂さんも、以前の就業先で単価がアップしてから要求レベルが高くなり、苦しくなった時期もあった。

「単純に就業時間が増えました。それから、プレッシャー。スキルが足りないと感じ、辛かったですね。その後の就業先では時給が少し下がったものの、働きやすくなりました。リクルートスタッフィングが主催するセミナーによく参加するのですが、なかでも感銘を受けたのは、さほど時給が高くなくても、仕事が切れないほうがいいということ。単価が高いばかりに長く続けられない、というケースもあるようです」

現在の就業先で働くようになってから8年。実際には3か月ごとに契約の見直しがある。

「長期で同じ就業先にいると安心してしまい、仕事を探す感覚が鈍ってしまいます。それを解決するためには、定期的に募集案件を見たり、スキルシートを現状に合った状態にしておくことが大切だと思っています」

休みの日には、疲れをためないように睡眠をしっかりとったり、家族との時間を大切にしている。その上で、時間を見てスキルを磨くことも欠かさない。

「先日のセミナーでプログラミングを学ぶならRuby on Railsが取り掛かりやすいと感じたので、PCにインストールして進めています。エラーなどが出るとネットで調べていますが、同じようなところでつまづいている人がいるというのも勇気が出ますね。これまで、業務でプログラミングをすることはほぼありませんでしたが、いざというときに広い範囲で案件を探せるメリットがあるので、スキルアップは続けていきたいです」

書籍がもらえるイベントでは、時間を空けずその日のうちに流し読みだけでもするようにしている。せっかく手に入れた知識を少しでも復習して、定着させるのが狙いだ。

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今大切にしていることは、「こだわりをなくすこと」。以前は、必要以上にこだわってしまうことがあったのだとか。

「手順ひとつでも、自分の考えと違うことを言われることもあります。私にも言い分があるからと主張していると、お互いストレスになってしまう。今は、本当に間違っていると思う場合以外は、相手を尊重するようにしています。そうするとうまくいくようになり、気持ちが楽になりました」

今後はやはり単価を上げていきたいが、固執しすぎないようにしたいという。短期的にアップさせるより、長い目で見て仕事が途切れず、結果的に上がっていくのが理想。保坂さんなら、長期的な視点でスキルアップを続けていくだろう。