今、注目されているAWS認定試験。そのなかでも最も人気のあるAWS認定ソリューションアーキテクトを取得するためのノウハウについて、書籍『AWS認定資格試験テキスト AWS認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト』の著者である、佐々木拓郎さんを講師にお迎えし、初心者にも分かりやすく解説していただきました。
・資格を取得すると、AWSに関する知識やスキルが客観的に証明される
・AWS認定試験は11種類あり、アソシエイトを持っていれば評価が高い
・問題を解く際の考え方のポイントは、問題文を段落ごとに読んでいく
AWS認定資格の概要
今回のイベントのゴールは次のようなもの。AWS認定試験を受けるための心構えかもしれません。
・AWSの設計の考え方を理解してもらう
・家に帰ったら、AWSトレーニングポータルのアカウントを作ってもらう
AWS認定試験は11種類あり、大きく分けると役割別・レベル別認定と専門知識認定があるそうです。
佐々木さんによると、エンジニアであれば最初はアソシエイトにチャレンジするのがお勧めで「現場にアソシエイトを持っている人は、なかなかいない。持っている人がプロジェクトにいるとラッキーだなと感じる」といいます。
では、アソシエイトに区分されるソリューションアーキテクト(SolutionArchitect)、デベロッパー(Developer)、SysOpsアドミニストレータ―(SysOpsAdministrator)のどれから取るかという点については「結論からいうと人それぞれ」だそうです。
佐々木さんがお勧めするソリューションアーキテクトは、どのような内容なのでしょう。
「AWSにはどういうサービスがあって、それをどう組み合わせていくのか、といった設計能力が問われます。『AWSの定めるアーキテクチャ設計原則』というものがあり、他の方法で作れる場合でも、この設計原則に沿っていないとダメなのです」
状況の変化に応じて、AWSの構成を対応させられるかどうかが試されるそうです。参考に、ソリューションアーキテクトの出題の割合を紹介してくださいました。
効率的な学習のためのチュートリアル
では、具体的にどのようなカタチで勉強をしていけば良いのでしょうか。ここでは学習計画の立て方や、教材を紹介してくださいました。
教材としては、BlackBeltシリーズに代表される書籍をはじめ、オンラインセミナーやハンズオン、公式模試もあるそうです。
また、試験対策書籍はまとまっているので体系的に学べるものの、それだけでは足りないそうです。BlackBeltオンラインセミナーを見るなどして補完することが必要で、加えて、解説書籍を併用するのも良いそうです。
試験で問われるサービスカットとアーキテクチャカット
試験では、サービスカットとアーキテクチャカットの両面を押さえておく必要があります。サービスカットは「コンピューティングってどういうもの?」「ストレージってどういうもの?」といった知識で、アーキテクチャカットは「回復性の高いアーキテクチャはどのサービス?」「パフォーマンスに優れたアーキテクチャはどのサービス?」といった知識です。
AWSの公式ドキュメントは日本語訳が読みづらい面もありますが、サービスごとのFAQは重要なことがまとまっているので最低限読んでおくことをお勧めされました。
そして、AWSの基本的なサービスについて、大まかな紹介がありました。こちらは、サービスカットで問われる知識ですね。
ストレージでは、EBSとS3の使い分けがAWSの設計では重要で、可用性や耐久性が求められる場合はS3を選ぶのがセオリーだそうです。AWSのDBサービスは多数あるそうですが、アーキテクチャ上で特に重要なのが、リレーショナルデータベースである「RDS」、NoSQL DBの「DynamoDB」、インラインキャッシュDBの「ElastiCache」の3つです。
次にアーキテクチャカットです。アーキテクチャについては、下記に示す「AWS Well-Architected」の考え方(5つの柱)に沿って解答するのが基本だそうです。
更なるステップアップを目指して
ソリューションアーキテクトを取得したら、次に何を目指すかというお話がありました。
佐々木さんのお勧めは、アソシエイトの残りの2種類を取ることだそうです。なぜなら「プロフェッショナルは結構難しいから」とのこと。各分野の知識がある方なら、むしろ、プロフェッショナルよりもスペシャリティの方が取りやすいかもしれないと最後にお話しされました。
今回のイベントに参加された方からは、「公式ページが読みづらく苦労していたが、今日の説明は分かりやすかった」「資格取得のためにとても役立った」などの声をいただきました。株式会社リクルートスタッフィングが運営するITSTAFFINGでは、弊社に派遣登録いただいている皆さまのスキル向上を支援するこのようなイベントを、定期的に開催しています。皆さまのご参加をお待ちしております。