Webサービスやアプリ開発の現場では必須のバージョン管理システム「Git(ギット)」。Gitは、専用のソフトを使えばクリックで直感的に操作することもできますが、いざというときにコマンドが使えると便利です。
前回の 第8話 では、checkoutの機能を2つに分けた新コマンド「switch」 と「restore」を学びました。
・ブランチを切り替える
・作業ディレクトリ上の編集内容を取り消す
今回の第9話では、ファイルの差分を確認できる「diff」(ディフ)をご紹介します。「diff」は使う機会も多く、便利なコマンドのひとつです。このマンガを通して、わかばちゃんと一緒にGitの知識を身につけていきましょう!
ファイルの変更差分を確認するには、git diff
・基本的なdiffの構文
diffコマンドを使うと、指定した2点間のファイルの差分を確認できます。
git diff を使ってみよう
4つのケースごとに、git diffコマンドの実例を見てみましょう。
上のように2点間のファイルの差分を確認したい場合は簡単です。
このように git diff コマンドを実行すると、次のように違いがある部分が表示されます。
+マーク・・・追加された行
-マーク・・・削除された行
ブランチ同士の差分を見ることもできます。
たとえば「masterブランチにプルリクエストを送る前に、developブランチに追加した内容を確認したい」といった場合に使えます。
たとえば今あなたがmasterブランチにチェックアウトしていて、リモートリポジトリのmasterと比較したい場合、次のとおり操作します。
1.まずリモートリポジトリから更新内容を取得してきて
2.ローカルリポジトリのmasterブランチの最新コミット(HEAD)と、リモート追跡ブランチ(origin/master)を比較する
◆git push する前に、リモート追跡ブランチとの差分を確認する
ひとつ前の例とは逆のパターンも可能です。ローカルで進めたコミットをpushする前に、リモートリポジトリの状態と比較したいときにはこのように実行します。
まとめ
今回は、ファイルの差分を確認できる diff について学びました。
・差分を確認する
Gitにはまだまだたくさんのコマンドがあります。
次回は、必要なコミットだけを取り込める「cherry-pick」(チェリーピック)を学びましょう。
▼登場キャラクター紹介
▼わかばちゃんが登場する書籍
▼ これまでの「マンガでわかるGit」
第2話「ブランチの概念」
第3話「マージの仕組み」
第4話「コンフリクトの修正」
第5話「git revert」
第6話「git reset 3種類」
第7話「git reflog」
第8話「git switchとgit restore」
第9話「git diff」
第10話「git cherry-pick」
第11話「git stash」
第12話「git grep」
第13話「git blame」
第14話「git remote」
第15話「.gitconfig でコマンドを短縮」
第16話「.gitconfig と .git/config で複数のGitアカウントを使い分ける」
第17話「prune オプション」
第18話「git tag」
第19話「detached HEAD 状態って何?」