2人の子供を育てながら派遣スタッフとして働いている伴野浩子さん(44)は、大学卒業後に大手企業でシステムエンジニアをしていた経験がある。当時は相当ハードに働いたが、そのころの経験が少しずつアップデートされ、今につながっている。現在は少し余裕を持ちながら、技術を生かした仕事を見つけ、同時に学びも。これまでのキャリアや考え方の経緯をうかがった。

入社5年で培ったもの

「いまでも、その時の経験で仕事ができていると思っています」

情報系を専攻していた大学時代を経て、大手メーカーの開発設計を担当した。官公庁向けのシステムを開発するプロジェクトで、少人数ではあるがプロジェクトリーダーも担った。

「まだまだ男性社会が色濃く残る時代で、客先で『女子が来たのか』と言われたこともありました。当時は、男性の何倍も働く覚悟で仕事をして、仕様を決めたり導入後のご意見をうかがったりと、お客様と直接やり取りすることができた。この時、システムの一部で、私の名前で取得した特許があり、それが今も自信になっています」

特許の取得は、上司に勧められたものの事業部で前例がなく、手探りで調べつつ進めた。先日、ふと思い立ちWebページで検索すると、自分が出願したものが見つかり、感慨深さを覚えたという。

出産と共に、仕事からは遠ざかる

出産のために仕事を辞め、育児に専念。2人目が生まれる少し前に派遣スタッフとして勤めた通信教材の会社で、女性の働き方に対するカルチャーショックを受けたのだという。

「以前の会社では無かった環境でした。男女関係なくバリバリ働くことが求められていたので、『子どもの発熱』を理由に会社を休む女性を見て驚きました。周囲もそれを当たり前ととらえていて、時代は変わりつつあると思うとともに、私もこれからもっと働けるのではないか、と感じたんです」

2人目の子どもが生まれてからは3年ほど専業主婦だったが、育児に余裕が出てきて少しずつ働き始めようと考えた。

「スーパーのレジといったアルバイトに応募しても、子どもが小さいという理由で落とされてばかり。子どもの病気などで休みになりやすく、お店に迷惑がかかることが多いのだと思います。ようやく働けることになった不動産会社では、『パソコンができるなら営業事務をやってほしい』と言われ、昔培ったスキルが役立つのかと嬉しかった。子どもの発熱などで休みがちでも、短い時間でもいいからと。過去に頑張ったおかげだなと思ったんです」

派遣スタッフとして以前経験したSE職へ

アルバイトをすると同時に、派遣会社にも登録していた。学校のPTA役員もしていたためになかなか条件でマッチするところがなかったものの、システム系の仕事を紹介される。一度は断ったが、チャレンジしてみようと受けることにした。

「そこが、以前働いていた会社の上司の出向先だったんです。とても厳しい方ですが、短時間勤務についても理解してくれました。ただし、10年ものブランクは大きかった。以前と違ってペーパーレスが徹底されていたり、プロジェクトマネジメントの方法が確立されていたりと、覚えることがたくさんありました」

できるだけ短時間で覚えたいと上司に話すと、厚さが5cmもありそうな技術書を勧められた。自宅では家事育児、PTAの仕事などがあるため、自分の時間はない。重い本をバッグに入れて通勤中に勉強したという。

しっかり仕事をさせてくれるのが嬉しかった。短時間勤務にも理解があった。ただ、やはりフルタイムの人たちより情報が遅れるなど、ついていくのはなかなかに難しい。自信にはつながったが、いったん開発の仕事から離れることに。

現在は、ZIPWORKという限られた時間の中で専門スキルを生かす働き方で、週4日育児と両立させながら働き、残りの1日をスキルアップに充て、もともと興味のあった経営学を学んでいるという。伴野さんは「趣味のようなもの」と言うが、少しずつ仕事に活かせたら嬉しいという気持ちもある。

「もともとの経験からなのか、お客さんとやりとりをしながらものづくりをしたいという気持ちがあります。自分の年齢も気になりますが、今は少し幅を広げておきたいという思いです」

まだこれから、何十年も働ける時代。会社に勤める以外の選択肢も増えている。まだ具体的にはなっていないが、これまでに培ったスキルを最大限に生かせる場所や仕事を探していきたいと考えている。

母から譲り受けたバッグを大切に使う

持ち運びのしやすい小さめのノートが好き。フロー図などを書くことが多いので、罫線のないものを好む。手帳は決まったブランドのものを使っていたが、国内から撤退してしまうとのことで、来年からどうしようか思案中。見開きで月の予定が書き込めるものが好きだ。

子どもが生まれてから、エッセンシャルオイルをときどき使う。思いついた時にだけ、リラックス用や、虫よけに。スイートアーモンドオイルは、乾燥防止に体や髪の毛に使う。香りがいいハンドクリームも、乾燥対策として。

「革製品を好きな母が『いらないから』とくれたのがこの赤いバッグ。20代の頃から使っていて、仕事復帰後も活躍してくれました。ただ、さすがに古くなってきたのでどうしようかなと思っていたころ、母から次のバッグが提案されて(笑)。見ると素敵だったので、今は水色の方を使っています」

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:福永 仲秋(ふくなが なかあき)
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