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最初は憧れだったネイリスト。でも走り出したら、絶対に叶えたい夢になった

深堀千里さん(23)には2つの顔がある。派遣スタッフとして人事事務の仕事をしながら、ネイリストとしても人々の爪と笑顔を輝かせているのだ。深堀さんがネイリストを目指したきっかけは、専門学校時代から通っていたサロンの、担当ネイリストの技術と人柄に憧れたこと。「この人に会いたい」と思われるネイリストになりたい――それが、はじまりだ。

憧れのネイリストに出会って、目標をみつけた

深堀さんがネイルに興味を持ったのは小学生のとき。九州に住む親戚がネイルの認定講師の資格を持っており、たまに会ったときに練習を兼ねてネイルを施してもらっていた。幼いころからネイルは、割と身近な存在だったという。

その後、専門学校時代からは月に1度、ネイルサロンに通うようになった。

「ずっと同じサロンに通って、同じネイリストさんに担当してもらっていたんです。その方の技術はもちろん、人柄もすごく素敵で、この人みたいになりたいと思ったのが、いま考えると、ネイリストを目指しはじめた1番のきっかけです」

自分で気軽にネイルが楽しめるようになった昨今、わざわざネイルサロンに行く必要はないと考える人も多いだろう。そんななかネイルサロンに求められるのは、一般人には難しいデザインや高いクオリティを提供する技術と、リラクゼーションのような居心地のいい空間だ。

「私もそうなんですけど、ただネイルをしてもらうだけじゃなくて、このネイリストさんと話したいって気持ちで通っている人が多いと思うんですよね。私もいつかは、『深堀さんと話したくて通っている』と言われる存在になりたいです」

ある日届いた、人生を変えるDM

深堀さんは、最初からネイリストになろうと思っていたのではない。

ファッション関係の専門学校を卒業し、新卒で勤めたのは、ブライダルジュエリーを主に取り扱うジュエリーショップ。結婚という人生の節目に寄り添う仕事にやりがいを感じていたが、その会社での自分の未来がうまく想像できなくて2年弱で退職した。

その後、派遣スタッフとして働き始めたのは、「自分のやりたいことを探す」ため。

「派遣って、大人版のキッザニアみたいだなって思うんですよね。正社員だと色々なお仕事を気軽に試せないけど、派遣だったら期間も決まっているものや、未経験でもできるものも多い。そうして試すうちに、自分に何が向いているかを見つけることができるのかなって」

1社目では、4カ月という短期で人事事務を経験。そしていま、もう少し人事事務の仕事を突き詰めたいと思い、2社目の就業先でも同様の仕事を担っている。

同時進行で、もともと好きだったネイルを自分でもやってみるようになった。どうせやるなら資格を取得しようと思い、ネイルや勉強の進捗を発信して、同じように検定合格を目指す人たちと交流できるInstagramのアカウントを作成。ところが、そのアカウントを運営し始めて間もなく、1通のDMが届いた。内容は、「うちのサロンで働きませんか」というもの。

「驚きました。でも、そのときは2つ目の就業先で働き始めたばかりだったんです。派遣の仕事もあって、時間が調整しにくいことを正直に伝えたところ、『面接に来てみませんか』と誘っていただき、いまそのサロンでネイリストとしてお仕事させてもらっています」

こうして、深堀さんのWワーク生活が始まった。

やっぱり接客の仕事がしたい

2つの会社で人事事務の仕事を経験した深堀さんの感想は「不思議」。それまでの接客の仕事は1日中動きまわっていたのに、事務の仕事はオフィスで座ってパソコン作業というのが、まず「不思議」だった。そして、それまでお客様に気を遣っていたのが、社内の人にも気を遣う必要があるというのも「不思議」だった。

「1つ目の就業先は年齢が上の方と接する機会が多かったのですが、今回は同世代が多いこともあってか、なんとなく最初は慣れなくて。ずっと緊張していたのか表情が暗かったんでしょうね。社員の方に『あまり楽しくないの?』なんて言われちゃって(笑)。いまでは慣れて、女性社員の方のご自宅で開催されるホームパーティーに参加したりと、仲良くしてもらっています」

環境には慣れたけど、「何かが違う」という気持ちが拭えなかった深堀さん。人事事務という仕事やオフィスで働くことに慣れるにつれ、「接客の仕事がしたい」という思いが強くなっていった。

そして、2018年12月にいまの就業が契約満了を迎えるのを機に、2019年1月からは専業ネイリストとして働く決心を固めたのだ。

人としても、ネイリストとしても、まだまだ成長過程

深堀さんは現在23歳。「5年後の28歳のときには、そのとき勤めるネイルサロンのリーダー的地位に、そして30代で自分の店舗を持って独立したいです」と目を輝かせる。

そのために必要なのは、技術と経験を積むことはもちろん、人との関わり方も勉強することだと考えている。

「私、いままであまり後輩との関わりがなかったんですよ。でも、これから人の上に立って後輩も育成していくと考えると、自分自身も成長して、人とうまく関われるようになっていかないといけないなって思っています」

そうやって自分自身を成長させれば、深堀さん自身の魅力はどんどん増していくことだろう。それは、ネイルをしに訪れてくれたお客様がリピーターになってくれることにも、つながるはず。

まだまだ課題は盛りだくさん。憧れの背中を追いかけて、いまは邁進する日々だ。

ネイリストであるために欠かせない道具たち

ネイルセット一式が入ったバッグは、人気ネイリストがデザインしたコラボ商品。中に入っている道具は、いまお世話になっているサロンの方が使いやすいものをセレクトしてくれた。

「ネイルが似合う手でありたい」という思いから、ネイルオイルとハンドクリームは欠かせない。乾燥が気になったときに都度塗っている。

『マッキンゼーで当たり前にやっている働き方デザイン』(日本能率協会マネジメントセンター)はらしさオフラインでプレゼントされたもので、「2つの仕事をしている自分の働き方を後押ししてもらった」とのこと。本の内容は、業務でブログを書く際の題名決めの参考にしているそうだ。

ライター:小山 典子(こやま のりこ)
カメラマン:刑部 友康(おさかべ ともやす)