「やりたいこと」「できること」「自分に向いていること」――何を優先して仕事を選べばいいの? 社会に出てから4年間、目の前の課題に真摯に取り組みながら、自分らしさを発揮できる仕事を模索してきた押木梨乃さん(27)。大学の広報部で嘱託職員として働く今、押木さんが行き着いた答えとは?

キラキラした雑貨の世界に憧れて

子どもの頃から、輸入雑貨店を開くことを夢見ていたという押木さん。

「幼稚園の年長のとき、母のお伴で、地元の雑貨屋に初めて足を踏み入れたのがきっかけでした」

ヨーロッパ系の店だったと記憶している。子ども向けのキャラクターが並ぶおもちゃ屋やスーパーのお菓子売り場にはない、何かキラキラした大人の世界にすっかり魅了された。

「素敵だなぁって憧れて、そのうち、お店を持つことが目標になったんです」

夢に近づくために、就活でも雑貨に関わる企業を志望したが……。
「適性というところで引っかかり、苦戦しました」と押木さん。「社交性のようなことを求められていたのですが、私はそのあたりがちょっと苦手で…。当時は、『やりたい』という気持ちだけが優先し、自分に向いているかどうかまで深くは考えていなかった」と、振り返って分析する。

焦りを感じた押木さんは、志望先を、アルバイト経験がある塾や教育関連の企業に方向転換。今度はすんなり、内定した。

校舎長として、生徒100名の教室をマネジメント

入社後、看護医療系予備校部門を任された押木さんは、2年目から生徒数100名規模の教室の校舎長を任される。スタッフのマネジメントから生徒獲得のための営業活動、予算管理、広報など、業務は膨大で多岐にわたったという。

「最初は本当に大変で、一人で抱え込んでパンクしたこともありました」と苦笑する押木さん。だが、スタッフ個々の特性が見えてくるにつれ、仕事をバランスよく振れるようにもなり、運営は軌道に乗り出した。

「私は経験が浅いので、『教えてもらう』という気持ちを忘れないようにしました。アルバイトのスタッフも積極的に、『こうしたほうがいいんじゃないですか』と提案してくれて、そのおかげで回っていたんじゃないかと思います」

プライベートな時間もほとんどもてなかったが、目標を掲げて細かく戦略を練り、「やるべきこと」をコツコツと積み重ねていく日々は充実していた。その努力が売上や生徒獲得などの実績に反映され、社内で表彰されたことも何度もあったという。

塾を退職したのは、まる3年たった時。

「できることをやりきったという感じですかね。校舎長になったときに立てた生徒数や合格実績の目標数値も3年目にはクリアできたし、卒業した生徒が訪ねたくなるような温かい教室づくりも実現できました。その子たちが翌年遊びに来てくれたのを見たら、何か満足してしまって、次に何をしたらいいのかがわからなくなってしまったんです」

大学という環境は刺激的。視点は社会貢献へ

現在の仕事は、母校のホームページに「広報職員」の紹介予定派遣の募集があるのを偶然見つけて、応募した。

「実は、輸入雑貨店を開くという夢がまだ消えていなくて、そのためにはPRを勉強しなければと、広報を選んだんです。でも、やってみたら、大学という職場環境自体に興味が出てきました」

いつか開くかもしれない輸入雑貨店のためではなく、今、目の前にある仕事をもっと極めたい。そんな気持ちがいつの間にか強くなっていたという。

「懇意にしている教授のご好意で授業を聴講させていただいたら、学生一人ひとりがきちんと意見を持っていて、いろいろなことに挑戦しているので驚きました。大学って、これからの時代をつくっていく人材を育てる場所なんだって、改めて認識しました」

自分自身の働く意味のなかにも「社会のため」という視点が芽生えてきた、と押木さん。

「今までは、ただ自分がやってみたい、ということだけで仕事をとらえていたけれど、自分の仕事がどれだけ社会に貢献できるのか、自分の力が何の役に立つのかと、見方が少し広がったような気がします」

「できること」を、もっともっと増やしたい!

昨年の10月には嘱託職員に移行。この先、何年かしたら、登用試験を受けて正規職員になる、というビジョンも描いている。

今の課題は、「できること」を増やしていくこと。

「たとえば、英語ですね。海外からの電話の一時対応くらいはできるようになりたい。それと、コミュニケーションスキルも、もっと身につけないと」

コミュニケーション力は充分じゃないですか、と問うと、「いやいや。メディアの対応とか他部署や教授とのやりとりとか、まだまだ力不足で」と首を横に振る。

「部署では年齢が一番下ということもあり、社会人として未熟さを感じることも多いです。メール1本でも、相手に気持ちよく受け取ってもらえる表現とか言い回しとか、学んでいきたいことがたくさんあります」

「今は自分のスキルや能力の延長線上に挑戦したいと思えることがある。『できること』と『やりたいこと』が、ようやくリンクしてきたような気がします!」

声を弾ませそう語るさわやかな笑顔が、希望で輝いていた。

“人となり”を彷彿とさせる、可愛くて、ナチュラルな愛用品

押木さんの愛用品に共通しているのは、“人となり”そのままに、可愛くて、どこかナチュラルなこと。休憩時間の外出用のスマホや財布を入れるバッグは、100均の商品をアップリケでアレンジした。親友の誕生日にお揃いをプレゼントし、喜ばれたという。

業務の幅が広いので、仕事に関する資料を業務ごとにファイルに分けて、職場に置く。「リトルツインスターズ」のキキ&ララは、昔から大好きなキャラクター。ポーチは、以前、新宿にあったショップで購入。ポケットがない洋服のときなど、小物を入れるのに重宝した。

「今はあまり使っていないのですが、最初にこの職場に入った時、このポーチがきっかけで話しかけてくれた人が多く、そのおかげで職場になじめたんです」

マトリョーシカが印象的なタンブラーは、ロシアに転勤になった母の友人が送ってくれたもの。高校時代、友人から誕生日にプレゼントされたマグカップは、職場での飲み物用。ランチのお味噌汁やスープにも使う。バーバパパのイラストとちょっといびつな形がポイントだ。
 

ライター:高山 ゆみこ(たかやま ゆみこ)
カメラマン:坂脇 卓也(さかわき たくや)
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