「業務で英文メールを書くことがある」という人も多いだろう。日本語のメールには暗黙のルールがたくさんあるが、英文も同じ。基本を知って実践していくだけで、英文メールを書くのが不安にならなくなるはず。英文メールについてわかりやすく教えてくれるのは、おなじみ神林サリーさん。基礎を押さえつつ、少しずつレッスンをして、英文メールをマスターしよう。

講師:神林 サリーさん
英語インストラクター。学習カウンセラー。
アメリカ留学後は、モデルをしながら通訳・翻訳学校でプロの英語を習得。オーストラリアでの就労経験や、大手英会話学校の講師、外資系企業の秘書、営業、通訳などのビジネス経験を活かして、現在はフリーの英会話インストラクターとしてSally先生の愛称で活躍する。著書に『やさしい英語で「不思議の国のアリス」を読もう』(KADOKAWA)、『Sally先生のバイリンガル英会話学習法』『英語でショート・スピーチ』(研究社) 、『たったひとことでモテる英語の伝え方』(技術評論社)など多数。

ウォームアップにストレッチや自己紹介

らしさオフラインではこれまで「らしく働くための英語術」「英語手帳ライティング」など何度も講師を務めている神林サリーさんは、自身の紹介の後に毎回ウォームアップを実施する。

まずは、肩や首を回したり、ハミングなどをしてリラックス。その後、参加者同士、英語で自己紹介する時間を設けた。今回はライティングの講座ではあるものの、音として英語をとらえることは大切だ。下記のような例文がスライドに映され、自分のニックネームやファーストネームを当て込むだけで自己紹介ができるので、恥ずかしさや英語に対する抵抗感も和らぐ。

A: Hello, my name is _____.
B: I’m _____. Nice to meet you.
A: Nice to meet you, too!

これを押さえれば英語のコミュニケーションがうまくいく!

次に、英語のコミュニケーションがうまくいくルールを紹介。これは、異文化の考え方を理解することにもつながるという。

・シンプルに、ストレートに

「KISS(Keep into short and simple)の原則」という言葉があり、英語にもこれが当てはまるという。一文にはひとつの情報だけを入れるように心がける。日本語は一文にいくつもの情報が入っているので、そのまま翻訳するとうまくいかないことが多い。短くシンプルに、ストレートに伝えるといい。

・フレンドリーに

ビジネスだとつい堅くなってしまうものの、日本語のようにかしこまりすぎるのは、英語では一般的ではない。丁寧にすべきところはするものの、全体のトーンはフレンドリーにしたほうがいい。親しくなったらニックネームで呼んでほしいと言われるなど、フラットに対応するのが基本。2~3回のやり取りをしたら、ある程度フレンドリーな物言いがお勧めだとか。

・ポジティブに

日本語だとへりくだることが多いが、英語はそうではない。例えば、「I’m sorry」という言葉はほとんど使わないという。過度な謙遜をしないように注意。

・より具体的に

日本語特有のあいまいな表現を排除した方がいい。日本語と英語の大きな違いは、数えられる名詞と数えられない名詞があること。英語ではとても意識することなので、それを意識するだけでも英語マインドに近づける。

・主語を大事に

主語を省略する日本語に対し、英語は基本的に主語から書き始める。「ビールを飲みました」と書くときに「Beer」から始めてはいけない。主語から初めて「I drunk beer yesterday.」とする。

・ジョークやユーモアを大切に

フレンドリーと似ている概念だが、英語圏には楽しいことを大切にする文化がある。「英語力よりジョーク力」と言われるほどで、文法を間違えないことより、ジョークを大事にするセンスの方が大切なほど。自分からジョークを書くのが難しくても、相手はたまにジョークを書いてくることもあると理解しておこう。
これらをしっかりと押さえて、英文メールをやりとりするようにするとよいのだとか。

英文メールの基礎を押さえよう

次はいよいよ英文メールの基礎に進む。英文メールは次の5つの要素で成り立っている。

1.件名

すぐに見て内容がわかるものを、短めに。

2.敬辞

呼びかけのこと。Hi, Sandyとカジュアルな場合もあるが、ビジネスならDearとなる。
また、Mr.あるいはMs.で書く。昔はMrs.やMissで書くこともあったが、独身かどうかの区分けなので、間違えたときに失礼に当たるため使わなくなってきている。

3.本文(用件、用件、…、まとめ)

挨拶は不要。いきなりタイトル通りの用件に入っていい。

4.結辞

Best wishes.がさまざまなケースに使えて便利。

5.署名

自分の名前のほか、会社名や電話番号を付けることもある。

これらの構造を理解したら「ビジネスメールに効く10大黄金フレーズ」を覚えよう。それを組み合わせれば、英文メールが完成する。

・書き出しの4大フレーズ

Thank you for~
 ~についてありがとうございました

This is to inform you that~
 これは、~をお知らせするメールです

Attached is the~
 ~を添付しました

Regarding~
 ~に関して

 

・用件の3大フレーズ

I’m interested in~
 ~に対して情報をください

Is it possible to~
 ~は可能ですか?

We’d like to~ ~を頼みたい

→会社としての見解を言うためにWeを使う。

 

・結びの3大フレーズ

I look forward to~
 ~を楽しみにしています

→Hearing from you(返事をお待ちしています)のように、~ingが後に続くことに注意。

Please let me know~
 ~に関してお知らせください

Please do not hesitate to~
 お気軽に~してください

→「お気軽にお問合せ下さい」といったときに使う。

これらを手書きしたり、実際に声に出してみて読むことが大切。その後の演習でも、例文を文字に書き、これらのフレーズを使って日本語を英語に直すレッスンをした。

「毎日数分の音読でも違いますから、忙しくても心がけ次第で勉強はできます」とサリーさん。日々の練習や勉強で、英文メールをマスターしていきたいものだ。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:刑部 友康(おさかべ ともやす)
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