「私、緊張しないんです」と言う中西美由紀さん(46)。初めてのインタビューも「どんなことを聞かれるのだろう」という好奇心の方が先に立つ。中西さんは新卒で総合商社に勤めていたキャリアながら、結婚と同時に退職。その後、夫の転勤でアラブ首長国連邦やカナダに移り住み、2人の子どもを育ててきた。長いブランク後の仕事では、元来の好奇心とコミュニケーション力の高さから楽しく取り組んでいる。

結婚を機に会社を辞め、「転勤族の妻」に

総合商社に勤めていた中西さんは、3年半ほど働いたのち、職場結婚により退社。「どちらかが辞めるという雰囲気だったので」と、軽い雰囲気で話す。結婚した時点で「転勤族」という前提だったため、目標やプランを立て、そこに向かってキャリアを積む選択肢はなかったのだ。

その後は派遣スタッフとして、いくつかの会社に勤務した。

「シンクタンクや業界団体、外資系会社のマーケティング部など、いろいろな業界が見られてとても楽しかったですね」

さまざまな業界を中から見ることで視野が広がり、日常生活も新たなとらえ方ができるようになるのだとか。

夫の転勤が決まったのは、結婚して4年目の頃。アラブ首長国連邦へ移り、そこで第一子となる男の子を、帰国後に女の子を出産する。少し手がかからなくなり仕事をしたいと思い始めた頃、二度目の海外赴任でカナダへ。

日本で英会話スクールに通っていたとはいえ、新しい地で言葉が違うなかコミュニケーションを取り、子育てもしていく。それをまるで「楽しいことしかない」かのように語る。

「細かな苦労はたくさんあります。でも、日本で経験できないことばかりでとても楽しかった。どこの国に行っても、子育てしている親の話題は同じなんです。担任の先生やお稽古ごと、サマースクールなどですね。仲良くなるコツは……、自分のことをどんどん話してしまうことでしょうか。それで好意を持ってくれたら、相手も話してくれると思うから」

仕事復帰後も、ブランクの苦労より楽しみが多い

14年以上のブランクを経て、再び派遣スタッフとして仕事を探すことにした。夫や周囲の人からは「そんなにブランクがあったら仕事なんてない」「条件を減らさないと見つからない」と言われたりもしたが、ブランクがあるからこそ、帰宅時間が早いといった条件が必要だと考えていた。

「条件を緩めなくても、よい職場が見つかりました。主人は『すごいね』と言っていましたね(笑)。仕事をする前は、ママ友との付き合いが中心でしたが、仕事では年代の違う人とたくさん接することができるから、とても刺激的で楽しい。WordやExcelなど、スキル不足なところは、職場の方に教えてもらったり、派遣会社が提供するeラーニングで勉強しました。でも、基本的なことはスポーツのように体が覚えていて、そんなに苦労はなかったと思います」

復帰前も子どもの習い事の送り迎えや友だちづきあいなどで忙しかったこともあり、仕事を始めた後の家庭との両立もさほど困惑はなかった。

現在は、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、社内承認ワークフローシステムの運用に係る業務を担当している。職場での評価は高く、派遣スタッフから直接雇用へ。本社のあるアメリカのスタッフとメールやビデオ会議でやり取りをすることもあり、英語の経験が生きている。

「一期一会」の精神で、今この時を楽しく

「いつ死ぬかわからないので、今日できることは今日したい。毎日『楽しくするためにはどうすればいいだろう?』と考えます。生活する中で、嫌なこともありますが、自分の気持ちを切り替えて再チャレンジします。そう思うと苦労も苦労じゃなくなるのかな……。これまで『大変だった』と思った記憶があまりないんです。何ごとも一期一会と捉えて、人生に無駄なことはないと考えています」

これからも、自分の可能性を広げていきたいという中西さん。それは仕事だけにとどまらない。

「『これしかできない』と決めつけないようにしています。自分の好きな仕事が自分に合っているとは限らず、人から見ての適性もありますよね。柔軟に捉えて、いろいろなことに挑戦していきたい。RPGゲームのように、経験を積んでいくと強いボスも倒せる。人生がそういうイメージです。ドキドキすることは緊張ではなくワクワクだと思っていて、怖さより好奇心の方が勝るんです」

一期一会で人生を楽しむ姿勢は、天性のものなのか、転勤族だからこそ育まれたものなのか……。いずれにしても、明るく冗談を交えながら話す中西さんは、これからも新しいことに恐れずチャレンジしていくのだろう。

香りのよい紅茶でほっと一息

会社にいつも置いてあるのは、フィルター付きのマグ。桃の香りの付いた紅茶が最近のお気に入り。

「コーヒーは会社にベンディングマシンがあるので、自分では紅茶を持参しています。疲れてきてリラックスしたいときに、ゆっくり蒸らしていただくのがリフレッシュになります」

仕事中には、ブルーライトをカットするメガネを活用している。つけていないと刺激が強いと感じるようになり、PCへ向かうときには必ずつけているのだとか。

愛用品を持つ手がきれいだと褒めると、「家事をしていないだけです(笑)」と笑いを誘うが、洗うたびにハンドクリームを塗る習慣のたまものだろう。小さいサイズのものを、季節を問わず使っており、今はラベンダーの香りを愛用している。

スマートフォンで愛用しているのはTimeTreeというアプリ。家族と予定を共有するのに役立てている。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:坂脇 卓也(さかわき たくや)
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