日本語のビジネスメールに「暗黙のルール」があるように、英文メールにも、よく使われるフレーズがある。神林サリーさんが今回教えてくれたのは、10個の「黄金フレーズ」。これらを覚えておけば、英文メールを書くハードルがかなり下がるはず。実際にライティングするところまでトライしてみよう。

講師:神林サリーさん
英語インストラクター。学習カウンセラー。アメリカ留学後は、モデルをしながら通訳・翻訳学校でプロの英語を習得。オーストラリアでの就労経験や、大手英会話学校の講師、外資系企業の秘書、営業、通訳などのビジネス経験を活かして、現在はフリーの英会話インストラクターとして活躍する。著書に最新刊 『イケメン英会話フレーズ』をはじめ、『英語で手帳を書こう』『Sally先生のバイリンガル英会話学習法』『英語でショートスピーチ』『たったひとことでモテる英語の伝え方』などがあり、累計17万部突破。

英語コミュニケーションがうまくいく5つのポイント

「英語はコミュニケーションのツールですから、うまくいくルールがあります。コミュニケーションは話すだけではありません。メールもコミュニケーションだと意識することが大切です」

講師の神林サリーさんは、英文メールでも使うことができる、英語コミュニケーションのポイントを5つ挙げた。

1.シンプル&ストレート

長くて回りくどいメールは、「混乱している」と思われてしまう可能性があるため、「絶対に」シンプルにしなくてはならない。日本語から直訳しようとすると回りくどくなりがちなので気を付けたい。1文に1情報を入れることがポイント。

2.フレンドリー&ポジティブ

日本の文化には、年功序列や相手を敬う習慣があるが、英語は「equal」で対等。フレンドリーなほうが好まれる。例えば、最初のうちは「Ms.」「Mr.」を付けてもいいが、親しくなるとメールでも下の名前で呼びかける。また、日本語でのメールは「申し訳ありません」を多く使いがちだが、英語で「I’m sorry」を使うのは違和感がある。できるだけ使わないように心がけよう。

3.より具体的

英語では、漠然とした言葉を使うと意味が通らないことがある。例えば、レストランで待ち合わせをして「お店で会いましょう」と伝えるときに「Meet me at the shop」と言ってしまうと誤解が生じる。日本語では「お店」でも、英語で「shop」は棚に商品が並んでいるような小売店を指すからだ。また、飲食店だとしても、「restaurant」や「bar」「cafe」など使い分けるようにしよう。

4.主語の存在

英語は基本的に主語がないと成り立たない。S(主語)とV(動詞)が大事だが、日本語は主語を省略することが多いので初心者ほど迷いやすい。基本は「人」を主語にして、慣れてきたら「There is」「It is」なども使っていくといい。

5.ジョークやユーモアを大切に

英語を使うときには、ジョークやユーモアを大切にする文化を理解する必要がある。英語でメールをやり取りしていても、ジョークを入れてくることもあるため、受け流さず笑って返してあげることがよいコミュニケーションの秘訣だ。

英文メールに欠かせない5つの要素

英語コミュニケーションの基礎を押さえたら、早速英文メールに入っていく。サリーさん曰く、英文メールには、5つの要素があるという。

1.件名

長すぎないように要約して、ストレートにわかりやすく。NGなのは、すべて大文字の件名。スパムメールと判断されてしまうことがある。件名なしも同様だ

2.敬辞

「Dear Ms. Smith」といった相手の名前。女性の場合は、独身者に対する「Miss.」や既婚者に対する「Mrs.」を使わず、どちらにも使える「Ms.(ミズ)」を使うのが現代のマナー。男性の場合は「Mr.」を使い、いずれも苗字をそのあとに書く。慣れてきたら、ファーストネームで書くようにしていこう。

3.本文

本文は「書き出し」「要件」「結び」という3つの構造に分かれる。これはメールだけでなく、スピーチなどにも応用できる。

4.結辞

最後の挨拶はいろいろあるが、講師のサリーさんが最も使ったのは「Best regards,」だという。仲良くなってくると「Best,」と言うケースもある。

5.署名

最後に自分の名前を書く。

これらを押さえておけば、あとは「本文」の書き方をマスターすればいい。

ビジネスに効く10大黄金フレーズとは?

外資系企業で数えきれないほどの英文メールをやり取りしてきたサリーさんは、その中で頻出する10フレーズを絞って教えてくれた。「書き出し」「要件」「結び」の3つに分けて、それぞれ3~4個の頻出フレーズを見てみよう。

書き出し4大フレーズ

1.Thank you for ~〜をありがとうございます。
2.This is to inform you that~〜をお知らせいたします。
3.Attached is the ~〜を添付いたしました。
4.Regarding~〜に関しまして

用件の3大フレーズ

5.I’m interested in ~ 〜のお問い合わせをいたします。
6.Is it possible to ~ 〜は可能でしょうか?
7.We’d like to~ 〜させていただきます。

結びの3大フレーズ

8.I look forward to ~ 〜を楽しみにしています。
9.Please let me know~ 〜をお知らせください。
10.Please do not hesitate to ~ どうぞ遠慮なく〜してください。

サリーさんは、これらに具体的な例文を加えて解説。よくある間違いなども交えて紹介した。

英文メールのリーディングとライティングにトライ

紹介した10個の黄金フレーズを踏まえて、実際の英文メールをリーディングしていく。

黄金フレーズを把握していることで、読みやすくなっているはず。続いて、日本語から英文メールの作成にトライしてみよう。

以前、「例文メール講座」を週末の2日間で実施したことがあるというサリーさん。急に英語を使うことになったビジネスパーソン向けに開催したが、2日間でかなり書けるようになったという。ただ、黄金フレーズはどうしても丸暗記しなくてはならないのだとか。

「覚えるという作業はどうしても必要。メールではありますが声に出したり、ノートに何回も書いたりして、体の筋肉を使ってみてください。やるかやらないかでかなり差が出ますよ」

何となく英語がわかっていても、ビジネス英語の「お作法」がわからないと書くのに時間がかかってしまう。ところが、今回紹介されたよく使われる型を覚えておけば、安心してメールが書けるはず。使ってみて、体で覚えていってほしい。

より詳しく学びたい方は「らしく学ぶ」より動画をご覧ください。
https://www.r-staffing.co.jp/rasisa/entry/202104235660/

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)

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