英語の勉強は自分のレベルに合わせることが大切。ところが、自分にピッタリ合った勉強法を探すのもまたひと苦労ではないだろうか。今回は、英語インストラクターの神林サリーさんが「中級者向け」の英語勉強法を指南する。「自分が初級か中級かわからない」という人のために、判断の仕方も紹介していく。

講師:神林サリーさん
英語インストラクター。学習カウンセラー。アメリカ留学後は、モデルをしながら通訳・翻訳学校でプロの英語を習得。オーストラリアでの就労経験や、大手英会話学校の講師、外資系企業の秘書、営業、通訳などのビジネス経験を活かして、現在はフリーの英会話インストラクターとして活躍する。著書に最新刊 『朝から晩までイケメン英会話フレーズ』をはじめ、『英語で手帳を書こう』『Sally先生のバイリンガル英会話学習法』『英語でショートスピーチ』『たったひとことでモテる英語の伝え方』などがあり、累計18万部突破。

英語を学ぶ社会人にありがちな中級の壁とは

中級向け学習法の紹介の前に、「自分が初級か中級かわからない人のために、簡単に説明します」と講師の神林サリーさん。

「初級といっても3段階くらいに分かれますが、初級の上になると『英語で一人旅ができる』程度ですね。中級になると、『自己紹介ができたり、日常のやり取りができたり、感情表現ができる』ようになります。ディスカッションまでは難しいですが、自分の意見が言えるのは中級の上くらいです」

中級に入ると、初級のときにはなかった壁にぶち当たる。「いくらやっても伸びない」という長いトンネルに入ったような感じが代表的。それが「伸び悩み」となり、モチベーションダウンにつながっていくのだそう。

「忙しい」という壁もあるが、それは英語に対する優先順位が下がっているのが原因だという。

中級の壁から抜け出す処方箋

「これには処方箋があります。すべての悩みにお応えすることができるんです」と心強いサリーさん。

伸び悩みでモチベーションダウンしている人に対しては、次の処方箋が有効だという。

1.自己分析して趣味タイプなのか勉強タイプなのかを知る

資格やTOEICなどのためだけに勉強をしてきた人は、趣味で楽しいことを。逆に趣味タイプで好きなことをメインとしている人は、基礎文法やTOEIC、資格などの勉強がおすすめ。

2.練習で思う存分間違えよう

伸び悩むのは間違いに対する恐れが原因の場合も。練習で思う存分間違えるようにしていこう。

3.スキマ時間で反復トレを繰り返す

語学は反復トレーニングが必要。スキマ時間を利用して。

4.基礎振り返りで伸び悩みの原因を絶つ

初級の勉強で取り組んでいた基礎を振り返ると、抜け漏れを見つけられることも。

5.自分を褒める&認める(自己肯定感を育てる)

「自分なんかできない」と思っていたら、いつまでもできるようにならない。自分を褒めて、認め、自己肯定感を育てていこう。

また、忙しくて英語の時間が取れない人は、次の処方箋を活用してみるといいそう。

1.英語の優先順位を上げる―目標の確認

「忙しいからできない」というのは、優先順が下がっている証拠。

2.勉強しないで使う工夫を

「勉強しよう」と思うと気が重くなるため、日常で使えるように工夫や努力をしていく。

3.ながら英語&集中英語で英語漬けに

散歩をしながらリスニングをしたり、逆にしっかり時間を取って読んだり書いたりしていく。日常を英語漬けにしていこう。

4.言い訳しない―自分に約束する

「英語なんてやらなくても……」と言い訳をしないように。英語は話せないよりも話せた方がいい。

5.いろんな場面で使う英語を日本語から英語に置き換える

日常のつぶやきを英語にするなど、日本語を英語に置き換えてみよう。

1分間ニュース速音読で口と耳を慣れさせる

具体的な学習法として、「中級になったら、ニュースや時事英語にトライしてもらいたい」とサリーさん。

「自分には無理」と言う人も多いが、基本的にはどんな知識レベルの人にも理解できるように書かれているのがニュース記事。凝った言い回しや難しいボキャブラリーが出てくるわけではないという。

まずは、ニュース記事を用意し、できれば音声でも聞いておく。スマホやタイマーで1分間を計り、その間にできるだけ速く何度も音読をする。

「速音読は『1分間』というのがコツ。1分間を用意できない人はいないはずなので『忙しい』という言い訳は通用しません。たった1分でよければ、スキマ時間に何度でもできますよね」

ただし、内容はあらかじめ理解した状態で音読する必要がある。わからない単語をいくつか調べる程度で理解できる素材を選ぼう。

サリー先生が、スライドで用意した5~6行の文を1分間読んでみると、4回弱ほど読めた。タイマーで計って集中すれば、短い時間でも意外とたくさん読み進められる。

多読にトライして英語をインプット&アウトプット

ニュースの速音読に加えて、もうひとつのお勧めは「多読」。インプットとアウトプットの両方を含むが、まずはインプットの説明から。

「自分のレベルより優しいと感じるもので、興味あるものを選びます。読み始めて無理だと思ったら、やめてしまって構いません。自分の興味のあるものを探してみてください。精読ではなく、飛ばし読みのようにイメージを大事にして、たくさん読んでいくのがポイントです」

「やはり伸びている方はリーディングをしています」とサリーさんは言う。

スピードは関係なく、とにかく量を読むのがポイント。また、1ページにわからない単語が5個以上あったら、レベルを下げたほうがいいのだとか。

サリーさんおすすめの多読用教材は次の通り。

・Macmillan Readers

1~6までのレベルがあるので、優しいものを選べば理解しながら読み進められる。中級の人がレベル1のStarterから始めてもOKだという。

・Oxford Bookworms Library

これもレベルが用意されている。さまざまな文学作品が易しくリライトされているので読みやすい。

その他、ラダーシリーズやKindle、サリーさんが翻訳した「CD-ROM付 やさしい英語で『不思議の国のアリス』を読もう」もある。この本には、多読についてとその要約や感想を書くメモの作り方が詳しく書いてある。

リーディング後はアウトプットするのがおすすめ。書くポイントは次の通り。

1.日付
2.ページ数
3.1チャプターの要約や感想
4.気に入った、または使えそうな単語やイディオム
5.気に入った文章など

要約を書くのはなかなか難しいが、だからこそいいアウトプットになる。

「スマホに書いてもいいですが、できれば手書きで書いてみてください。スマホだとスペルを教えてくれるので覚えられません」

1分間ニュースの速音読や、ペーパーバックの多読を繰り返し、毎日筋トレのように鍛えるつもりで中級の壁を越えたいもの。自分に合った教材を探して、楽しくトライしていこう。

より詳しく学びたい方は「らしく学ぶ」より動画をご覧ください。
https://www.r-staffing.co.jp/rasisa/entry/202106115923/

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)

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