火や油、包丁などを扱うキッチンで思わずヒヤリとした瞬間を経験したことはないだろうか。今回は3時間で20品を調理するという訪問調理師のごはんさんが「調理に入る前にまずするべきこと、見直すこと」を3つ紹介する。それは、限られた時間の中でいくつもの品を無事故で作らなければならない訪問調理師だからこそ言えるノウハウだ。
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まさかの事故に繋がる危険も。キッチンを安全な場所にしよう
「皆さんはキッチンがとっても危険な場所という自覚はありますか?」
忙しい時間の中テキパキと調理をするためにはスピードアップや効率重視ということも大事だが、それよりもまずは安全に作業をすることが一番大切だという。どのようにしてキッチンを安全な場所にすればいいのか、ごはんさんが順を追って説明する。
1.とにかくスペースを確保。コンロ周りに調味料を置いていませんか?
依頼者の元にごはんさんが訪問すると「キッチンが狭くてごめんなさい」とか「片づけが間に合わなくてごめんなさい」と言われることが多いそう。しかし、ごはんさんはどんなキッチンでも全く気にしないのだとか。なぜなら、確実に安全に早く調理が出来るキッチンは、ものの10分で作れるという。何時間もかけて整理整頓する必要はなく、少しのポイントを抑えるだけでいい。
「塩や砂糖を入れる調味料ポットがあると思うんですが、コンロ周りにずっと置いてあるお家がたくさんあります。よく見ていただきたいんですが、油や埃でベタベタになっていませんか?」
皆さんのキッチンではどうだろうか。コンロ周りに調味料ポットや油のボトル、スパイスラックなどはないだろうか。調理中それらに油が飛び散り、さらにその上に埃が積もる。ミルフィーユ上になってどんどん汚れが蓄積されるという。それらに引火させないことやスペースを確保するためにも、一番初めに片づけるべき場所はコンロ周りだ。
2.コンロ上の吊り下げ収納は危険。収納場所を見直そう
「収納するスペースがないというだけで、コンロ上にひっかけるだけの収納をされている方が多くいらっしゃいます。実はこれ、とっても危険です」
ぶら下がっているフライ返しや鍋敷きを熱い油の中にうっかり落としてしまい事故に繋がるというケースも。急いでいるときこそ、思いもよらない危険性がある。コンロ上に調理グッズを吊り下げると使いやすさが格段に上がるのかもしれない。だが、安全を考慮して、なるべく吊り下げるだけの収納は止めておこう。
3.使っていない調理グッズは処分。長いこと眠っていませんか?
「使わないものは片づけて、使うときにだけ出す。というキッチンが安全であるという話をしてきましたが、それを聞いても多くの方は『いやいや、そんなに収納するスペースはないよ』というご意見が多いかと思います」とごはんさん。
しかし、収納する場所が少ないとお話しする方のお家には、使っていない専用調理器具や便利グッズと呼ばれているものが眠っている場合が多いという。これらの調理グッズが収納場所のスペースを取っている元凶になっているのだとか。「特に〇〇用と書かれている便利グッズには要注意です」と続ける。
例えば、ツナ缶をすくうだけのスプーンやキャベツを千切りするだけのピーラーはないだろうか。他にも、相方のいない菜箸や長いこと使っていない鍋、曲がってしまったスプーンなど。
「すくうだけや千切りするだけといった、何かをする“だけ”と謳われている調理グッズには特に注意して、キッチンを見回してみてください。もし使っていない場合は、大事に大事に感謝をして、手放してあげてください」
何度か使用したあと「いつかまた使うだろう」とそのまま眠らせてしまいがちな調理グッズ。安全な調理スペースを確保するために、役目を終えたと思ったものから処分してみるといいのかもしれない。ごはんさんのように効率よく料理するためにも、収納方法と共に見直してみよう。
ごはんさんより、ワンポイントアドバイス
時短レシピを多く覚えても、継続出来ないというお話しをとてもよく聞きます。料理は習慣なので、レシピやテクニックよりもまず「作ろう!」という気持ちが大切です。そのためにも事故が少なく、料理がしやすいキッチンを作ること、それこそが料理を楽しく習慣づけるコツなんです^^
より詳しく学びたい方は「らしく学ぶ<」より動画をご覧ください。 らしく働くために知っておきたい料理のコツとツボ:キッチンの作り方