皆さんから寄せられた困りごとを解決する、このコラム。回答者は、職場のメンタルヘルスを研究されている関屋裕希さんです。今回の困りごとは、新しい職場での人間関係の難しさについて。その解決策とは。

Q. 仕事を覚えるのに必死で、気づいたら職場で浮いた存在に…。

40名ほどの職場で派遣スタッフは自分ただ一人。仕事を覚えるのに必死で心に余裕がなく、周りの方々と打ち解けられずに数ヶ月が経ってしまった。気付いたら職場で浮いた存在に。ときどき悲しさを感じる。この状況を変えるには、どうしたらいいのか。(50代)

とくに難しい。新しい環境での人間関係

お悩みを送ってくださって、ありがとうございます!

新しい仕事を一生懸命覚えようと頑張っていらした姿が目に浮かんできます。まずは、数ヶ月頑張ってこられたことに、心からねぎらいの言葉を贈りたいです!

仕事を覚えよう、と第一優先に打ち込んだ結果、周りとの関係が少し疎遠になってしまったのですね。本当は職場での人間関係も大切にしたかったのに……という状況かと思います。

私たちは、大切なものを失くしそうになると、悲しいという感情を感じる生き物です。とるべき行動がとれなかったり、必要なサポートを求められなかったりする場合、その悲しみを長引かせてしまいます。

けれども、悲しみという感情にも、じつはプラスの役割があります。

悲しみが教えてくれる「次はこう行動しよう」

すでに大切なものを失くしてしまったとしたら、次のプロセス「上手にさようなら」に進むことをおすすめしています。ですが、今回の相談者さんのような場合は、「失くしかけているものは、職場の人間関係。それを取り戻すためには」と考えると、解決できる可能性がまだあります!

失くしかけているものを取り戻すための4ステップ

【1】失くしかけているものが何かを具体的に確認

【2】取り戻すためにとれそうな行動をリストアップ

【3】実行しやすさ・効果の点から、優先順位をつける

【4】優先度の高いものから、計画をたてて実行

上の4ステップを「職場での人間関係」に当てはめてみましょう。

【1】失くしかけているものが何かを具体的に確認

相談者さんにとって「職場での人間関係のちょうどよさ」を表現できるとさらによいと思います。例えば、お昼を一緒にとれる関係。趣味の話もできる関係。仕事のことを気軽に相談できる関係など。

「具体的にすること」がポイントです。

【2】取り戻すためにとれそうな行動をリストアップ

具体的に考えることができたら、そのための行動をリストアップしていきましょう。

・笑顔であいさつ
・あいさつするときに、ひとつ雑談の話題をふる
・職場での雑談に加わる
・昼食に誘う
・「ありがとう」と感謝を口にする
・サポートを申し出る
・相手の話に好奇心をもって質問をする など

【3】実行しやすさ・効果の点から、優先順位をつける

そのリストの中で、優先順位をつけていきます。

例えば、「昼食に誘う」というのは関係を近づける効果はありそうだけれど、今すぐに実行するのは難しそう。だから、優先順位は低い。といった具合です。

【4】優先度の高いものから、計画をたてて実行

優先順位がついたら、高いものから計画をたててみましょう。ポイントは、「いつ、どこで、誰に」を決めておくこと。

例えば、朝、職場に着いたとき、みんなに笑顔で挨拶する、などです。

関係というのは日々の行動ややりとりの積み重ねで出来上がっていくので、今からやって遅すぎるということはありません。

それに、相談者さんには、とても素晴らしいアドバンテージがあると思うのです。これまで一生懸命に仕事をしてきた相談者さんのことを「少しとっつきづらいな」と思っている人はいたとしても、「悪い人」と思ってる人はいないはず。むしろ、その仕事ぶりに信頼を置いているはずです。

そこに先ほどのアクションが加われば、職場の皆さんとも打ち解けるのに、そう時間はかからないと思います。

心理学に基づき、関屋裕希さんがアドバイス。仕事をする上で、あなたが困っていること教えてください。

■応募締切
2024年6月6日(木)まで

■応募方法
こちらよりご応募ください。
※ご応募は期間中お1人様1回限りとなります。ご了承ください。

■注意事項
・いただいた内容は、本企画のみに使用いたします。就業状況などに影響することはございません。
・全ての困りごとに対する回答はお答えいたしかねます。ご了承ください。

▼合わせて読みたい。職場での人付き合い

回答者:関屋 裕希さん
福岡出身。臨床心理士。公認心理師。博士(心理学)。東京大学大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員・精神保健学分野 客員研究員。大学院時代は「怒り感情」をテーマとした研究に従事。専門は産業精神保健(職場のメンタルヘルス)であり、心理学の知見をもとに、ストレスマネジメントに関する講演、企業の組織的なストレス対策に関するコンサルティング、執筆活動を行っている。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。

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