書類管理で困っている方にエールを送る、ファイリング応援部。今回の困りごとは、『ファイルの背表紙に付けるタイトルに、最適な言葉が思い浮かばない』。「○○書類、その他、等」を使いたくなる方、必見です。
ファイルに付けるタイトルが、思い浮かばないときは?
タイトルを上手に付けるには、「要約力」が必要
タイトルを付けるときに必要なのは、「要約力」です。多くの情報から本質を抜き出し、簡潔で的確に表現することが求められます。そこでまずは、要約するために、以下の視点でタイトルを吟味してみてください。
・情報の束の中から最も伝えたいこと
・情報の束の全体に共通すること
・他の人が見てもわかること
長い話や文章を上手に要約するのが難しいように、タイトルを付けることも相当に難しいと考えてみてください。そうすると、タイトルを付けるときは適当ではなく、ちょっと考える時間がうまれますよね。「Aとつけようか」「Bとつけようか…」こうして少しずつひねっていき吟味することで、より良いタイトルを付けていくことができるようになります。
「吟味」といっても難しい。3つの順に考えよう
吟味する、と一言で言っても難しいもの。だからこそ、「最適なタイトルが出てこない」というご質問やご相談は本当によく受けます。そのご質問を受けたときに私がヒアリングしていることは、
・この情報は何のあつまりで、どうして保管されるのでしょうか?
・どういうときに使うか、今後何の担当者がどんなシーンで使いますか?
上記の答えの中にタイトルのヒントや、タイトルそのものが出てくることもあります。つまりタイトルが思い浮かばないときは、以下3つの順で吟味していき、それを要約してみてください。
(1)その情報はなに?
(2)いつどのように使う?
(3)何のために置いている?
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これらを把握して、要約する
これができて、初めて良いタイトルがつけられるのです。タイトルが思い浮かばないときは、ぜひ使ってみてください。
「良い要約」を見つけたら吟味してみることもお勧め
もしも、タイトル力の向上をさらに望まれるのであれば、たくさんの「良い要約」つまりは、自分以外の方が付けたタイトルと実物の綴じられた書類の束をみながら、深く吟味してみてください。
・「このタイトル上手だな」と感じる要約に触れる
・ほかの人の考え方をたくさん知ること
タイトルを自分一人で学ぶには限界があります。これからは、ぜひこれらの目線でタイトルをじっくり見てみてください。
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前回のコラムは、ご覧いただけましたか?
実は奥が深いファイルのタイトル。自分にもできそうと思ったところから、ぜひチャレンジして効果を体感してみてください。この『要約力』は、ファイルの背表紙だけではなく、中の仕切り紙やインデックス、個別フォルダの見出し、パソコンのフォルダやファイル名など、身近なシーンで、何度も活躍してくれることでしょう。
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株式会社オフィスミカサ代表取締役。業務効率化コンサルタント。元大阪府八尾市役所職員。公文書管理法に基づいた、文書(書類・データ)ファイリング技術から環境改善・業務効率の改善まで幅広く指導。オフィスの環境改善を業務改善へつなげる(モノからコトへ)ことで、全社的な業務効率アップを実現。これまでに約50トン以上の書類削減実績がある。著書は『実践! オフィスの効率化ファイリング』『実践!はじめてのホームファイリング ―「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)など。