皆さんから寄せられた困りごとを解決するこのコラム。回答者は職場のメンタルヘルスを研究されている関屋裕希さんです。今回の困りごとは、仕事のミスが続き落ち込む。真面目で頑張り屋の人ほど陥ってしまう「悪循環のループ」を断ち切るには?
思い切って新たにデスクワーク職に仕事を変えたが、毎日疲れがたまるし、右肩もひどく痛み、蕁麻疹まで出てる。1日1食のときもあるほど疲れが取れない。仕事は失敗ばかりで落ち込んでしまう。気持ちの切り替えもできず、どうすればいいかわからない。
真面目で頑張り屋の人ほど、悪循環のループに
お悩みを送ってくださって、ありがとうございます!思い切って、新しい仕事にチャレンジされているとのこと、素敵ですね。まずは、心からのエールを送りたいと思います。
新しい仕事にチャレンジしているからこそなのですが、仕事で失敗すると「なんでもっとうまくできないんだろう……」と落ち込んでしまいますよね。ここで、落ち込んだ気持ちにそのまま引きずられると、悪循環に入り込んでしまうことがあります。
仕事でうまくいかないことがあると落ち込んで、「自分は失敗してばかり」と自分を責め、休憩や食事もとらず、いつも以上にデスクに向かい続ける。
そんな生活を続けていると、疲れがたまり、集中力や注意力も低下、それが新たなミスを呼び、「やっぱりうまくできない」とさらに落ち込みの気持ちを強めてしまう。相談者さんも、「気持ちの切り替えができない」とのことなので、こんな悪循環のループに入り込んでいるのかもしれません。真面目で頑張り屋の人ほど陥りやすい悪循環です。
まずは、エネルギーを充電するような「行動」を
「落ち込み」の悪循環を断ち切るには、落ち込んだ気持ちに直接アプローチするのではなく、行動もしくは考えにアプローチするのがおすすめです。
まずは行動から。「落ち込み」はエネルギーが低下しているサインなので、エネルギーを充電するような行動を取り入れてみましょう。相談者さんは、疲労感から食事が摂りづらくなっているようなので、まずは以下の行動をおすすめします。
・睡眠時間を確保する
・昼休みはデスクから離れて一息ついてリラックスする時間をとる など
自分をケアする行動から始めて、エネルギーが少し回復してきたら、休日に自分が楽しいと感じられる行動を取り入れていきます。ヨガなど身体を動かすことでも、友達とおしゃべりでも、料理など何かを作る系でも、自分が「やってみたい」「楽しいかも」と思えることを選んでみましょう。
ですが、いざ休もう、楽しいことをしようと思ったときに、こんな壁が立ちはだかることがあります。
「仕事がうまくできるようになるまで休んじゃダメ」
「問題が解決するまで楽しいことをしてはいけない」
こんな心の声(頭に浮かぶ考え)が邪魔してくるかもしれません。そんなときに思い出していただきたいのが、次の研究結果です。
「仕事がうまくいくためにも」をキーワードに!
心理学の研究では、「問題を解決するような行動とあわせて気晴らしを行っている人たちが、1年後のストレス反応が最も低い」ということがわかっています。
問題がまだ解決していなくとも、仕事が習得しきれていなかったとしても、気晴らしになるようなこと、楽しいことも取り入れていく方が、健やかでいられるのです。
「仕事がうまくいくためにも、休みや気晴らしが大事」と考えを変える
新しいことにチャレンジしているので、つい自分の失敗やうまくできないところ、苦手なところに注意が向くと思うのですが、振り返ってみれば、できるようになったこと、少しずつでも成長しているところがあると思います。
毎日ひとつ、どんなに小さなことでも「ここはできた」「がんばった」という自分の良いところを書き留める、こんなアプローチもあわせて試していただくとよさそうです。応援しています!
■受付期間
2024年10月6日(日)まで
■注意事項
・いただいた内容は、本企画のみに使用いたします。それ以外の目的では一切利用いたしません。
・全ての困りごとに対する回答はお答えいたしかねます。ご了承ください。
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