自分が「好き」だと思える仕事と出会えるのはとても幸せなことだが、好きな仕事が、自分が求めるライフスタイルと合うとは限らない。現在、派遣スタッフとして働く事務職の飯島愛さん(35)は、少し視野を広げてオンオフが切り替えられる仕事にジョブチェンジしたことで、自分が本当に楽しめる働き方、生き方と出会えた。

*オンラインで取材を行いました
*掲載している写真は、ご本人からご提供いただいたものです

(左インタビュイー、右ライター)

未経験の分野に飛び込むために派遣のお仕事を選択

金融関係の企業で総務事務として1年5ヶ月ほど派遣就業している飯島さん。一般的なパソコン作業のほか、紙の書類を利用する機会が多い職場のため、書類の整理や管理がメイン業務だ。

「今の事務の仕事に就業する前は、10年ほど接客サービスに従事していました。接客サービス自体は好きな仕事だったのですが……」

これまではシフト勤務だったため、飯島さんが休みの日に担当のお客様が来店することも。すると、「何か問題が発生していないかな?」と気になってしまい、休日なのに気持ちの切り替えがうまくできなかったという。

「会社が変わればそういうこともなくなると思って転職してみたり、自分が変わればと思って努力もしてみたりしたのですが、なかなかうまくいかなくて。思い切って職種を変えたほうがいいのかもと考えるようになったんです。接客サービスの業務の中にもデータをまとめることや、書類を整理する事務的な作業があって、私にとっては苦痛ではなく楽しい作業のひとつでした。そこから事務職への転職を決意しました」

接客サービスの業務の中で事務作業を行っていたとはいえ、事務職として働くのは初めて。そこで飯島さんは、未経験から挑戦できるお仕事も多く、キャリアを広げる機会がある派遣のお仕事での挑戦を選んだ。

「実際に事務職として働いてみての発見もありました。接客の仕事は、担当するお客様によって“正解”が変わるのが面白い面でもあります。ですが、事務の仕事のように、目指す方向や“ここまでできればOK”とゴールがある程度決まっている業務のほうが、私には合っているんだと実感しています」

「犬との暮らし」を叶えるために資格スクールへ

自分に適性があったとはいえ、事務職をスタートするにあたって、スキルに不安はなかったのだろうか?

「接客サービスの仕事をしているときに、パソコンが苦手で事務作業で苦労したので、スキルを上げようとパソコン教室に2年間通ったんです。そのときにWord、Excel、PowerPointの資格を取ったことが今とても役に立っていますね」

今より忙しい環境だったときにも時間を捻出してパソコン教室に通っていたエピソードからもわかるように、新しい知識を学ぶ意欲の高い飯島さん。時間に余裕のある働き方になってからは、人事総務検定の講習に参加し、昨年からは行政書士の資格取得を目指して学んでいる。

「働き方を変えて時間ができたので、少し難易度の高い資格に挑戦したいと思ったんです。自分にできるだろうかと葛藤もしながら、いろいろ探して出会ったのが行政書士でした。資格を取ってすぐに開業をしたいと思っているわけではないのですが、法律の知識があることで、自分も守れるし、自分のまわりの人も守れるかもしれない。それに、派遣先や会社で働くうえでも、知識が増えることで業務の幅が広がったり、今後のキャリアの選択肢も増えたりするんじゃないかと考えました」

仕事が休みの日に5時間みっちり資格スクールで学び、平日も仕事から帰宅したあとに動画の講座を視聴して、理解しきれなかった部分を復習している。そこまで頑張れる原動力は「将来のキャリアのため」に加えて、プライベートでも目指すものがあるから。

「私、かわいいものが好きで、特に犬が大好きなんです。以前、実家で犬を飼っていたこともあり、子どもの頃からずっと大好きで。いずれはワンちゃんが飼える家に住んで、ワンちゃんのお世話をしながら働くという夢があり、その夢を実現するためには、経済的に安定していて、テレワークなど柔軟な働き方ができたほうがいい。国家資格を持っていると働き方の選択肢が広がるというのも、原動力になっていますね」

余裕ができたことで、新たな趣味・特技も

「かわいいもの」とふれあって、プライベートの時間が充実していることは、仕事や資格勉強に頑張る日々のリフレッシュのためにも欠かせない。

「いつかワンちゃんと生活することを夢見ながら、今はドッグカフェに通っています。“推し”のワンちゃんと触れ合うことで癒やされてます!キャラクターグッズを集めたり、好きなキャラクターのコラボカフェに通ったりするのも、私にとっては大切な趣味のひとつです。自宅にもキャラクターグッズを飾るスペースを作っています」

また、ひとり暮らしと転職をきっかけに家事にかける時間も増えた。

「実家にいた頃は、仕事が多忙だったのもあって、家事は母にまかせっきりで。働き方を変えて時間にも気持ちにも余裕ができたことで料理にも挑戦するようになりました。凝った料理ではないですが、レシピサイトや生成AIを活用して簡単なレシピを調べて作っています。料理もそうですが、掃除や片付けなども、やってみると意外とできるのがわかったのは大きな発見でしたね」

仕事が楽しく充実しているのも大事なことではあるが、仕事だけが人生のすべてではない。プライベートも含めた「自分が好きなこと・やりたいこと」をはっきり持っている飯島さんは、これからも自分の目指す場所に向かって、着実に進んでいくに違いない。

大好きな「かわいい」がそばにあると頑張れる


『クレヨンしんちゃん』のオフィシャルショップで購入したポーチ。「シロとひまわりが好きなので、ひとめぼれして購入しました。リップクリームや目薬、くしなど身だしなみグッズを入れて、通勤の際もバッグに忍ばせています。少し中身が見えるのが便利なのと、大きすぎず小さすぎないサイズがちょうどよくてお気に入りです」

(C) 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK

ライター:古川 はる香(ふるかわ はるか)

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