エピソード 5
残業、有給休暇取得に
関する
労働基準法も、
実は改正している?
解説
政府が推進する働き方改革により、働き方の根本となる法律である労働基準法も、2019年に改正されました。
働き過ぎを防ぎながら、ワークライフバランスと多様で柔軟な働き方を実現することを目的としています。
では、労働基準法の改正ポイントについても、みていきましょう。
- 罰則付き時間外・休日労働の上限規制
- 年10日以上の有給休暇付与者に対する5日以上(1年以内)の利用促進
- 高度プロフェッショナル制度の新設
- フレックスタイム制の清算期間の延長
今回は、この中から特に、時間外・休日労働の上限規制と有給休暇の利用促進について説明します。
【時間外・休日労働の上限規制】
2020年4月から全ての企業において、時間外・休日労働に法律上の上限が設けられました。
従来は法律上の上限はありませんでした。
時間外・休日労働の上限
- 限度時間の法定
1か月:45時間
1年 :360時間
- 特別条項限度時間の法定
通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合
1か月:100時間未満(*時間外労働時間+休日労働時間)
1年 :720時間以内(*時間外労働時間のみ)
まとめると、
◎残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間
臨時的な特別の事情がなければこれを超えてはいけないということです。
(月45時間は、1日当たり2時間程度の残業に相当)
◎臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
- ・年720時間以内
- ・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
- ・月100時間未満(休日労働を含む)
を守らなければなりません。
なお、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。
【有給休暇の利用促進】
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、付与日から1年以内の間に5日以上、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました(罰則付き)。
ただし、労働者が自ら申し出て取得した日数などは、5日から除かれます。
法律上は10日以上の有給休暇が付与された労働者となりますが、有給休暇が付与された場合は、業務の繁閑を考慮したうえで、計画的に自ら申し出て、早めに利用するのがよいかもしれません。
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