テレワークの
コミュニケーションにおける
「3つの不安」とは？

メールやチャットなど文字を使ったコミュニケーションでは、表情など相手の反応を読み取ることができず、ニュアンスが伝わりにくいと感じることもあるでしょう。またメールではちょっとした誤解で相手に不愉快な思いをさせてしまうこともあります。誤解されそうな内容はメールではなく電話で伝えるなど、用途によってツールを使い分けるとよいでしょう。メールで確認や質問をする場合には、簡潔に、漏れなく、わかりやすく伝える必要があります。ポイントは、いつまでに、どこに、誰に、何を、なぜ、どのように、いくら、と5W2Hで確認したいことをまとめること。また必要に応じては、具体的に相手の意図を確認しましょう。例えば、「なるほど、○○○ということですね？」と相手が言ったことを簡潔に要約して聞き返すと、認識のギャップが減り、自分の理解にも繋がります。　

前回のアンケートでは、仕事の成果や進捗が見えないことに対する不安も多いことがわかりました（「自宅でもオフィス同様の成果が出せるのか（50.2%）」「見えないのでさぼっていると思われるのではないか（22.8%）」）。大切なことは、仕事の成果物や目標を明確にすること。すでに実施している方もいるかもしれませんが、日報など定期的に進捗を指揮命令者に報告したりチームに共有したりすることで、進捗や成果がわかりやすくなるだけでなく、自分がどのような仕事をいつまでにしなければならないのかも明確になります。今まで以上に進捗状況をこまめに共有するようにしましょう。会議以外の予定もスケジュールに書いておくと自分のタスク管理にもなりますよ。

テレワークは、「通勤のストレスがない」「時間を有効に使える」というメリットがある一方、人と人のふれあいがなくなり、｢孤独感｣を抱えたり、さらに自宅に長時間一人でいることに対して「心理的ストレス」を感じてしまう人もいます。孤独感やストレスを放置すると、集中力が落ちて生産性も低下します。オンライン会議では意識的に挨拶を増やしたり、差し支えない程度の雑談などを適度に取り入れることもストレス軽減だけでなく、円滑なコミュニケーションにつながります。また、ストレスを感じやすい人は、自分なりのストレス発散の方法や、ストレスマネジメントのスキルも身に付けておくとよいでしょう。

業種や勤務する場所に関わらず、どんなビジネスにもコミュニケーションは必要不可欠です。今後、働き方改革が広がり、テレワークを派遣社員にも取り入れる企業も増えてくることを考えると、オンラインのコミュニケーションはこれから非常に重要なスキルになるでしょう。そして、こうした非対面のコミュニケーションをいかに円滑にこなすかによって、業務効率や生産性も大きく変わってくるでしょう。もっとも重要なことは、「オンラインでのコミュニケーションは難しい」とあきらめないこと。姿が見えないからこそ、進捗の共有を細かく行う、些細なことでも相談するなど、自分から発信する意識をもつことが大切なのです。