派遣で働くエンジニアのスキルアップを応援するサイト

PRODUCED BY RECRUIT

【イベントレポート】著者が語る「エンジニアがフリーランスで年収1000万円になるための稼ぎ方」

株式会社リクルートスタッフィングが運営するITSTAFFINGでは、弊社に派遣登録いただいている皆さまのスキル向上を支援するイベントを、定期的に開催しています。

4月27日に開催した「エンジニアがフリーランスで年収1000万円になるための稼ぎ方」では、同名の書籍「エンジニアがフリーランスで年収1000万円になるための稼ぎ方」の著者大和賢一郎さんをお迎えし、年収1000万円の実体験をお話しいただきました。そのイベントの様子をご紹介します。

■今回のイベントでは…

・成功するエンジニア像とはどんなものか
・年収1000万円のエンジニアに求められるスキルとは?
・エンジニアとしての心構えはどうあるべきか

大和さんの実体験に基づいたお話は説得力があり、参加者が熱心にメモをとっている姿が印象的でした。ぜひ最後までご覧ください。


【講 師】大和賢一郎さん

▲【講 師】大和賢一郎さん
フリーランスITエンジニア。1977年生。国立八代工業高等専門学校・情報電子工学科卒。日立製作所に14年勤務後、2012年に独立して「東京ウェブ制作」を設立し、代表を務める。2013年より常駐案件に参画。取得資格は、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、第二種情報処理技術者、MCP認定技術者。プログラミングスクール「CodeCamp」講師。著書に『ハイペース仕事術』(すばる舎)など。「めざせ!会社の星」(NHK教育テレビ)などマスコミ露出も。

成功するエンジニアと失敗するエンジニア、その考え方の違いとは?

講師の大和さんは、エンジニア歴19年。Web系サーバサイドのエンジニアとして14年間、会社員として働いた後に退職し、フリーランスになって5年目。得意な言語はPHP。現在、2社と業務委託契約を結ぶなど、幅広く活躍されています。

イメージ

そんな大和さんが考える「成功するエンジニア」とは。
皆さんにとって、もっとも気になる点ではないでしょうか。
大和さんは成功するエンジニアの条件を以下のように挙げて説明します。

「成功する人は、技術力を売っています。派遣はもちろんフリーランスのエンジニアでも時給換算は高く、時間を売っていると考えがちですが、実は売っているのは自分のスキルであり技術力。自分のスキルを買ってもらい、それでお客さまの役に立つことをする。これは自分の基本的な考え方になっていますが、仕事をする上でとても大事なことだと思っています」(大和さん)

イメージ

仕事の継続性のためには、得意言語を持つことや学びの姿勢が大切

派遣やフリーランスにとって、仕事での成功よりも、もしかしたら仕事がなくなるというリスク、つまり仕事の継続性に関する不安が大きい方もいるかもしれません。

開発が終わったり、契約期間が終了したりすると仕事がなくなってしまうのではないかと考える方もいると思いますが、「これはその案件の特徴による」というのが大和さんからのアドバイスです。

「特定ベンダーの仕様に依存する開発しか経験がなかったり、常駐先の会社の製品に特化したプロトコルや言語で開発を行っていたりする場合は、そのベンダーでしか仕事ができない人になってしまうリスクがあります。しかし長期的にそこでしっかり根を下ろせば、その案件についてよく知っている人として長く仕事ができます」(大和さん)

案件以外には、スキルを磨くことも大切ですが、なかでも

・得意なプログラミング言語がひとつもない
・日常的に最新技術を学ぶ習慣がない

という人も、仕事を失うリスクが高くなるということです。

「仕事で経験していなくてもかまいません。趣味でやってみたものや、自分で勉強したものでもいい。ひとつでいいので得意言語と呼べるものを持つことです」(大和さん)

最新技術については、「自分で勉強するしかない」と大和さんは言い切ります。

「大きな組織のシステムになると、一度作ったシステムを5年、10年と長く使い続けていくことになります。そうするとそこで使われている技術は、どんどん古くなっていきます。派遣やフリーランスで生き残るためには、それだけでは足りないと思います。ですから、会社の業務ですぐに必要ないことでも、新しい技術を自分の中に取り込んでいくための勉強や、自分で興味を持って調べていくことが大切です。こういう勉強会にくるというのも、まさにそう。そういう習慣がない人は、これから先、厳しくなっていくと思います」(大和さん)

派遣やフリーランスで働く方は、企業内での研修などを受ける機会もあまりないため、書籍やセミナーなどを積極的に活用して自ら学ぶ姿勢が大切。との大和さんの言葉に、会場の皆さんは大きくうなずいていました。

イメージ

「下流工程」は成果がわかりやすく狙い目

ところで、新人のころ、先輩にこんなことを言われたことはないでしょうか。
「プログラマーで終わっちゃダメ、プロジェクトマネージャーやコンサルティングができる人になって、上流工程にいかなきゃだめだよ」と。

これについて大和さんは、以下のように反論します。

・下流工程は、上流工程より募集案件が圧倒的に多い(大和さん調べでは約8倍)
・下流行程では、フリーランスや派遣のエンジニアも即戦力になれる
・人手が足りないのは下流工程。なので、急募が多く、就業が早く決まりやすい

「下流工程はプロジェクトの全体像が分からなくても業務に入れますから、すぐに役に立つことができます。一方、プロジェクトマネージャーなどの管理職は、技術力よりも、その会社の文化に詳しいとか、他部署や人間関係の調整力が問われる場合もあります。入ったその日からすぐ能力を発揮するのが難しいです。一方、下流工程はソースコードを見ればいいので、入ったその日から仕事ができます。これはすごくメリットだと僕は思っています」(大和さん)

もうひとつ、下流工程のメリットとして、「成果がわかりやすい」という点を大和さんは挙げます。

「プログラミングのアウトプットは、作ったものが仕様どおりに動くことですが、これは非常に成果としてわかりやすいです。一方、プロジェクトマネージャーの成果はなにかというと、はっきりしないのではないでしょうか。障害率を下げることなのか、チームのモチベーションを高めることなのか。そこが明確でないので、これだけの成果をあげたと認めてもらうのが難しいです」(大和さん)

成果が明確だと、例えば職務経歴書やスキルシートに実績として書きやすく、次の仕事を探す際に役立ちます。また、職場では「あの人だったらきちんとしたものを作ってくれる」という信頼も生まれやすくなります。

イメージ

年収1000万円のエンジニアに求められるスキルとは?

一言で「年収1000万円」と言っても、派遣とフリーランスでは、健康保険等の兼ね合いもあるため実際の数字は大きく異なりますが、ざっくり計算すると月額83万円。
月に200時間働くとすると、時給では4000円以上、派遣エンジニアやフリーランスのエンジニアではかなり時給の高い部類に入りますが、どうしたらそういうエンジニアになれるのでしょうか。

この時給を得られるエンジニアなるには、以下のようなスキルが必要と大和さんは言います。

・フルスタックエンジニアとしての知識と経験
・バグの原因をつきとめる嗅覚、障害対応力
・GITやサブバージョンを使ったバージョン管理のスキル
・開発している業務に関する知識

「フルスタックのエンジニアということは、自分一人いれば複数の業務がこなせるため、スタートアップのような企業では重宝されます。少し多めに支払っても、二人分以上の仕事ができるんじゃないかということです。結局、システムを作るということはすべての領域をカバーするということになるので、そもそもそういうスタンスでスキルを身につけていくことが必要だと思います。これができれば、年収1000万も目指せます」

バグの原因をつきとめる嗅覚は、それまでの経験がものをいうと大和さんは言います。

「そうした経験を積むためには、自分の業務でなくても障害が起きたときには自分でも調べることです。障害が解決したらなにが原因だったのか聞くことが重要です。これが一番、嗅覚をあげるのに効果的です」

イメージ

バージョン管理のスキルは、ファイル管理のスキルはもちろんですが、これができることでコミュニケーションにも影響があると大和さんは言います。

「チームで開発を行っていると、昨日は動いていたのに今日は動かないということがあります。複数の人がファイルをいじって原因が分からないと、誰がやったというように、人間同士の衝突に発展したりすることはありがちです。そういうときにGITやサブバージョンのログを見て、どの時点のどのファイルが原因と早く特定できれば、感情論ではなく、早く冷静に判断できれば、現場で必要とされる人になれます。こうしたことも、時給のアップにつながるかもしれません」

そして開発している業務に関する知識については、いろいろなサービスやサイトについて、業務内容を知ることだと言います。

「例えば物流では倉庫在庫と有効在庫という言葉がありますが、この違いを知って設計しないとシステムとしておかしなことになります。そうした業務についての専門知識を、自分から吸収することです。そしてその知識やノウハウは、独占しないこと。たまに、一緒に働くエンジニアをライバル視して知識を独占する方もいますが、意外と周りはそういうのはわかります。一緒にプロジェクトとしてメンバーとしてやっているのだから、ノウハウは共有したほうがクオリティも上がります。そういう横展開ができる人は評価されます」

イメージ

スキル、プラス人間性を身に着けるためにできることは?

「コミュニケーション能力」と言い換えてもいいかもしれませんが、ここまで挙げてきたスキルに加えて、必要なのが人間性だと大和さんは言います。

「ディレクターやデザイナーと円滑に会話できる、チームと協力できるコミュニケーション能力、そして作っているシステムやサービスについて顧客目線で考えてそれをチームやディレクターに伝えられることが必要です。顧客からあの人は自分たちのために考えてくれると評価され、またディレクターやデザイナーから一緒に仕事がしやすいエンジニアであると評価されれば、自然と信頼は得られます」(大和さん)

先ほど挙げた業務のノウハウを横展開して共有することも、コミュニケーションのひとつではないでしょうか。

そうした力をつけるのに大和さんがやっていたのは、「自己啓発書を読むこと」。数多く読むことで、自分の価値を考えたり、ほかの人が考えていることに素直に耳を傾けたりもできるようになったそうです。

「仕事が終わったあとの疲れた時間帯に、この場所にきて今このセミナーを受けている、これも自己啓発ですよね。皆さんすごいと思います」
会場にほっとしたような空気が流れた気がしました。

イメージ

さらに詳しい内容は、大和さんの著書「エンジニアがフリーランスで年収1000万円になるための稼ぎ方」をご覧ください。フリーランスだけでなく、派遣エンジニアなど、会社に頼らず自分のプログラミング技術で生きていきたい人の参考になります。
アマゾンサイトはこちら

ITSTAFFINGでは定期的に、エンジニアの方のソフトスキル・ハードスキルを高めるイベントをご案内しています。イベント情報はエンジニアスタイル上で確認いただくことができます。

また、開催したイベントのイベントレポートは、順次、エンジニアスタイル、およびメールマガジンで公開されます。こちらもぜひご確認ください。