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SQL学びの入り口:自分のPCにインストールしてみよう #03

全3回で「SQL学びの入り口」を目指す本連載。今回は、どのように独学を進めるといいのか、具体的な方法をご紹介します。Accessを使った学び方についても。

  1. ここから始める2つのQ&A
  2. 眺めることが自習の入り口?
  3. 自習で苦戦。そんなときは?

自分のPCで実際に試してみる

独学で学ぼうという場合、最初は書籍や学習講座の利用がオススメです。概要を掴むということでは、動画サイトの活用も役に立つでしょう。

そして「読むだけ・見るだけ」ではなく、実際に手を動かしてみることも重要です。

思いどおりの結果を得られるかどうかで自分が正しく理解しているかを把握することがきます。コンピューターは「思った通り」ではなく「指示した通り」の結果を返してくるものだからです。

SQLを試すにはデータベースシステムが必要です。無料で入手して、自分のPC(Windows環境・macOS環境)にインストールできるデータベースにはMySQLMariaDBPostgreSQLがあります。

第2回の実行画面はWindows環境にインストールしたMySQL 8.0を使用しています。

インストール方法について

インストール方法については、解説サイトがたくさんありますが、拙著「基本がわかるSQL入門」のサポートページでもご紹介しています。

https://nisim-m.github.io/sqlbook/howto/install-windows.html

データベースには、いろいろな種類がある

MySQL、MariaDB、PostgreSQLという3つの名前が登場したことで「データベースっていろんな種類があるんだ?」とはじめて気付いた方がいらっしゃるかもしれません。

データベースシステムはデータを体系的に管理・操作できるシステムの総称で、データを管理する際の考え方によっていくつかの種類にわかれます。

SQLは、その中の「RDBMS」(リレーショナルデータベースシステム)と呼ばれるタイプのデータベースシステムで使われている言語です。

RDBMSの代表的なソフトウェアは、Oracleやここで紹介しているMySQL、MariaDB、PostgreSQLなどがあります。

■Accessでも勉強できる?

もちろん可能です。Accessの「クエリ」でSQLビューを表示することで、SQLを確認することや入力して実行することができます。ただし、Access固有の表記もあるので、初学者が一般的なSQLの参考書を片手に学習するのには向いていないかもしれません。その一方で、GUI環境でデータを入力し、クエリを試すことができるという点では便利です。

SQLを学ぶことで、データベースを学ぶ

SQLだけで言えば、第2回で紹介したSELECT文(おまけを除く)が使えれば、実用上はほぼ問題ありません。

SQLはSELECT文でデータを取り出すだけではなく、テーブルの作成やデータの追加、更新、削除を行う際にも使用するのですが、これらはGUIツールで補いやすいので優先順位をやや低くできます。

しかし、SQLの学習で何よりも重要なのはデータベースシステムを知ることです。

第2回のサンプルデータ「選択コース」テーブルに、なぜ氏名が入っていないのか。

どうせ毎回使うのであれば、そして使わないときはSELECTで指定しなければいいだけであれば、「選択コース」にも、氏名を入れておく方が簡単では?

そもそもなぜExcelではなく、データベースを使う必要があるのか?

「こういったことを学ぶのが『SQLを学ぶ』ということだ」、と言っても過言ではありません。

SQLのテクニックを解説する動画や記事、書籍はたくさんありますが、これらの多くはデータベースの知識を前提としています。SQLを学習する際は、SQLと一緒に、あるいはなるべく早めに、データベースについて、特にテーブル設計についても学ぶようにしてください。

■SQLを学習する上で何が大変か

SELECT文だけなら数個の単語でどうにかなるのですが、データベースを学ぼうとすると、知らない用語がたくさん登場します。さきほども、突然RDBMSという言葉が登場しました。リレーショナルって何?!という具合です。

こういった言葉を通らずにSQLを試すこともできますが(第2回ではそのようにしています)、徐々にこういった言葉にも触れて、慣れて行くことで、「なぜこうなっているのか」「どうすればよいか」がわかるようになり、ひいてはSQLを必要としないExcelなどを使ったデータ管理の際も、効率が良く間違いが起こりにくいシートが作れるようになっていくはずです。これもまたSQL学習のメリットです。

▼SQL学びの入り口

  1. ここから始める2つのQ&A
  2. 眺めることが自習の入り口?
  3. 自習で苦戦。そんなときは?
【著者】西村 めぐみ さん
1990年代、生産管理ソフトウェアの開発およびサポート業務/セミナー講師を担当。その後、書籍および雑誌での執筆、PCおよびMicrosoft Officeのeラーニング教材作成/指導、新人教育にも携わる。主な著書は『シェルの基本テクニック』(IDGジャパン)、『基本がわかるSQL入門 データベース&設計の基礎から楽しく学ぶ』『Accessではじめるデータベース超入門』 『Linux+コマンド入門 ——シェルとコマンドライン、基本の力』 (技術評論社)など。

※本記事に記載されている会社名、製品名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。