「この仕事がしたい!」という想いがあっても、何かしらの実務経験がないと、目の前のトビラがなかなか開かないこともある。ほんの数ヶ月前まで、佐野夏美さん(23)もそのハードルにぶつかっていた一人だった。しかし彼女はいま、志望していた事務職に就いてイキイキと働いている。佐野さんがどのように新たなキャリアを見つけていったのか、これまでにたどってきた道のりを聞いた。

専門用語も、オフィスソフトもイチから。未経験で事務の仕事へ

JR渋谷駅直結のとあるビル、眼下に街並みが一望できる高層階のフロアに、いま彼女が勤めるオフィスがある。佐野さんは2017年3月から、株式会社サイバーエージェントにて派遣スタッフとして働いている。

一口に「事務の仕事」といっても、その内容はさまざま。佐野さんが担うことになったのは、ネット広告の効果測定レポートや、クライアントに提出するための定例報告資料を作る仕事だった。

「はじめは正直、Excelをさわってみても、『列を増やすのってどうすればいいの?』みたいな状態でした。ちょっとPCを使ったことがある、程度のレベルでしかなくて」

周囲では、毎日のように耳慣れない専門用語が飛び交う。「どんどん覚えて、みなさんの力になりたいな」――就業開始当初、そう思ったという彼女。まっすぐに自分の業務と向き合い、今も着実に成長を遂げている。

ダンス、イラストやデザイン……さて、その次はどうする?

負けずギライな性格は、小学生の頃からずっと。地元のダンススクールに所属し、全国大会を目指していた。ダンス一筋で、週に5、6日はダンスに明け暮れていたという。

「とにかく踊ることが好きだったんですよね。でもダンスの発表会って、オーディションがあって、選抜があって、一人ひとりのポジションがあるんです。いつも、絶対にセンターで踊りたいと思っていました。センターになれなかったときは、家に帰ってめちゃくちゃ泣いてましたね」

その情熱は、中学・高校と成長するにつれてイラストやグラフィックデザインに向かいはじめた。しかしいざ専門学校に入ってみると、少しずつ違和感が大きくなっていったそうだ。

「求められることをカタチにする商業デザインではなく、自分で好きなものを描いていたかったんです。だから仕事にはしないで、趣味の範囲で楽しんでいこうかな、と」

そこで佐野さんは、はたと立ち止まることになる。これからどんな道に進めばいいのか、自分自身でもよくわからなくなってしまったからだ。

なかなか超えられなかった、「未経験不可」のハードル

専門学校を卒業した彼女が選んだのは、地元でオープンする大手雑貨店の販売スタッフとしてアルバイトをすることだった。

「いろいろな仕事をしてみて、本当にやりたいことを探し出せたらいいなと思ったんですよね」

本当は苦手だった接客業を、2年間がんばった。仕事自体にはだんだん慣れていったものの、そのまま勤め続けたときの、10年先、20年先のビジョンはなかなか見えなかった。

「当時はシフト勤務だったこともあり、次にチャレンジするとしたら土日休みの仕事にしようと思っていました。そこで事務の仕事を探してみたのですが、まったくの未経験だからか、書類選考の時点で何度も不採用になってしまって……」

そんなとき、たまたま見つけたのがリクルートスタッフィングの「キャリアウィンク」。未経験でも事務職への道があると知り、「ここなら私でもできるかもしれない」と踏み出した一歩が、サイバーエージェントの仕事につながったのだ。

土日のお休みがうれしい!忙しいながらプライベートも充実

「本当に自分でも役に立てるのか」――決して、不安は小さくなかった。でも20~30代が中心の就業先で、雰囲気はいたってフランク。わからないことは一つひとつ確認しながら、佐野さんは今、営業アシスタントとして忙しい毎日を送っている。

目下の目標は、「言われた1つのことに対して、“10”のことを返せるようになる」こと。

「営業のみなさんから資料の作成を依頼されたとき、『きっとこれもあったら助かるだろうな』と、先回りできるようになりたくて。周りの先輩たちを見習いつつ、もっと会社の中で頼りにされる存在になれたらいいなと思っています」

就業中は忙しいものの、シフト勤務時代と比べると土日や祝日に休めるのがうれしい、という彼女。一人で大好きなパティスリーをめぐったり、友達と遊んだり、思いきり好きなように過ごしているそう。

仕事もプライベートも充実した日々。彼女が進む先には、まだまだたくさんの可能性が拡がっているはずだ。

快適にテンポよく仕事するために、欠かせないグッズたち

可愛らしいハンドクリームは、香りが気に入って、以前のアルバイト先で購入したもの。サイバーエージェントは服装や髪型の規定がそこまで厳しくないので、自由におしゃれを楽しんでいる。大人っぽい秋色のネイルも、そのひとつだ。

「季節に合わせて、いろいろ変えています。PC作業をする合間にときどきネイルを見ると、なんだかうれしくなるんですよね。『ふふっ』って」

仕事に集中したいときは、イヤホンで音楽を聴いているそう。テンポが速くノリのいいクラブミュージックを聴くと、自然と作業もリズムよくはかどる。終業後は、お掃除グッズでデスクをさっときれいにして帰るのが日課だ。

またPC作業をするときクッション替わりにしているのが、幼稚園の頃から大好きな『星のカービィ』のぬいぐるみ。どこか癒されるその表情は、佐野さん自身のキャラクターにもぴったりだ。

ライター:大島 悠(おおしま ゆう)
カメラマン:上澤 友香(うえさわ ゆか)
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