2017年3月23日に『らしさオンライン』はスタートしました。リクルートスタッフィングで派遣スタッフとして働くみなさんの、いろいろな『らしさ』について、丁寧にインタビューし、記事としてまとめ、コツコツとアップしてきました。そして、このエントリーで、100記事目を数えることになりました。そこで、『らしく』働くとはどういうことなのか、一度立ち止まって考えてみたいと思います。少しだけ長くなりますが、どうかお付き合いください。

コラム執筆:サカタカツミ
合同会社シゴトトセイカツ代表・クリエイティブディレクター。『らしさオンライン』『エンジニアスタイル』などをはじめとして、就職や転職、キャリア開発に関するウェブサービスのプロデュースやディレクションを手がける。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』。 日本の採用事情や個人のキャリア、 スキルや組織コンディションの可視化などに関する寄稿記事や登壇も多い。

働きかたの自由度が飛躍的に高まってきた、と思いませんか?

リクルートスタッフィングでは、昨年のこの時期にテレビコマーシャルを放映しました。「働き方は自分が決める。」というキャッチフレーズで、週3勤務、ダブルワーク、子育てと両立と、多くの人が望んでいるけれども、なかなか実現しないワークスタイルにチャレンジしてみませんか、というメッセージを込めたものでした。
『多くの人が望んでいるけれども、なかなか実現しない働きかた』と、わざわざ書きましたが「え、そうかしら?」と、違和感を持った人も少なくないでしょう。
 
そう、ここ一年でワークスタイルを取り巻く環境は、大きく変化しました。正しくは、変化している最中といえるかもしれません。

ネット環境がどんどん整備された結果、いつでもどこででも仕事ができる、いわゆるリモートワークが当たり前のようになってきました。副業の解禁が声高に叫ばれ、二つの名刺を持って活躍しているという人も珍しくなくなりつつあります。趣味を仕事にするという人も増え、子育てと両立することが当然というスタンスの人も多い。まだまだ不自由はあるけれども、それでも働きかたを自分で選択することができる、そんな機会が確実に増えています。

だからこそ『らしく』働くことが、難しい時代になりつつある

選択肢が増えることによって、自分自身が考える理想的な働きかたが実現できるようになる、と考える人たちは、今後も増えるはずです。しかし、選択肢が多くなることによって、戸惑ってしまう人も少なくない。多くの人が自分らしく働いていると胸を張ってしまうと、自分らしくなどと考えたこともない人は、どうしたらいいのだろうと途方に暮れてしまう。しまいには『自分らしさ』から探し始めてしまう。

また、理想的な働きかたは頭に思い描いているけれども、実現するために足りないものがあり、それを埋めるための方法が見つからない、いわゆる理想と現実のギャップに落ち込んでしまうという人も増えてくるはずです。そう、できること、選ぶべき道がたくさん提示されるということは、それだけ多くのことを悩み、考え、また、それに向かって努力することが求められる時代、なのかもしれません。

もう一つ。かつてのように、ただ一生懸命働けばそれでいいという時代ではなく、同時に『働くことがすべてではない』という選択肢も視野に入るようになっています。以前なら、そんなことは心で思っていても胸の内にしまっておくものでしたが、いまではそれすらライフスタイルの一つだとして、認められています。そうなってしまうと、もはや、自分が働くということについて、どう考えればいいのか、そこから悩む必要が出てきているのです。

まずは、たくさんの『らしく』働く人たちのサンプルを見る

この『らしさオンライン』では、たくさんの『らしさ』をご紹介してきました。ピンときたかたも多いでしょうが、このメディアは『らしく』働くためのサンプル集になっているのです。よく読んでみると、とてもたくさんのヒントが詰まっています。

例えば、趣味を仕事にしてもいいのだろうかと悩んだら、そういうワークスタイルを実現している人がたくさんいて、参考にすべき記事がいくつもある。いまの自分の置かれている環境が良くない、ある種の障害がある、それを乗り越えて働くためには、なにを考えればいいのか。そのヒントも、数多く用意されている。日常のささいなことをモチベーションの源泉にし、日々の仕事と、そこにあるちょっとした困難を乗り越える術も、見つけることができる。

自分のことはいくら振り返ってもよくわからない。けれども、他の人のことを読んで自分に置き換える、たったそれだけのことで、見つけられなかった自分の悩んでいるポイントがわかったり、解決するための糸口がつかめたりするはずです。そして、なによりここに掲載されている人の多くは、みなさんと同じ派遣スタッフとして就業し、それこそ、机を並べて一緒に働いている人たち。キャリアに関する他の書籍を読むよりも、より身近で、参考になると思うのです。

今後、らしさオンラインでは、ワークスタイルに関するタグを用意して、過去のエントリーも、より読みやすく整備する予定です。気になる記事があったら、少しだけ時間をとって、用意されたタグに沿って、ゆっくりと一つずつ記事を読み進めて欲しいと思っています。

『らしく』働くことで、Quality Of Workを高める時代に

QOL(Quality Of Life)という単語を目にしたことがあるという人は多いでしょうが、Quality Of Workという言葉は見慣れないかもしれません。働きかたの自由度が高まると同時に、いろいろな考え方が提示されるようになってきました。その中の一つの言葉です。働きかたの質、とでも訳せばいいでしょうか。

ただ働くというだけではなく、その質も追求する。働く場所も、内容も、時間も、一つ一つ吟味して、自分で選択する。そして、その組み合わせが、働きかたの質を高めることになる。

逆にいうと、いままでのように型にはまったワークスタイルで得られる仕事の質、その限界を超えるとしたら、自分なりの『らしさ』という価値観をベースにして、一人一人が違ったワークスタイルを作っていく必要があるのかもしれません。自分なりの働きやすさ、自分なりの仕事へのやりがいを、自分自身で見つけていく、そんな時代なのです。

 

 

寿命が延び、それと同時に長く働くことが求められる、そんな世の中になっています。かつては、新卒で入社して四十の声を聞くころには、定年のことを意識していました。そう、もうとっくに折り返し地点だったからです。いまはどうでしょう。65歳まで働くとして、あと25年残っています。22歳で入社して40歳だと、まだ18年目。そう、あとのほうがずいぶん長い。逆にいうと、その時点で新しいことを始めたとしても、いまの自分よりも仕事ができるようになるかもしれない。そもそも経験はありますから、仕事がこなせるようになるスピードは速いはずです。

いまの自分の働きかたを変えたい、となると、かつて選択肢はほとんどありませんでした。そして、用意されているものは人生を大きく左右するものばかり。でも、いまは、ほんの少しだけでも変えることができる。ある部分だけにこだわって、そこを変化させることもできる。そう、緩やかなスピードではあるのですが、働きかたは自分で決め、自分『らしく』働ける、そんな世の中になりつつあるのです。

コラム執筆:サカタカツミ
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