コロナウィルスの影響によって、働き方は大きく変化した。「ニューノーマル」と呼ばれる、新たな価値観や働き方が今後は必要になると予測されている。すでにその流れは始まっており、その大きな流れのひとつが「テレワーク」だ。

テレワークには、物理的な距離を補うIT技術やツールが欠かせない。会議やチャットのツールにはさまざまな製品があるが、その中でもシェアを伸ばし続けているのがMicrosoft Teams。テレワークで不可欠となる普遍的なコミュニケーションスキルやTeamsの活用方法を、『Teams仕事術』の著者である椎野磨美さんが解説する。

講師:椎野 磨美さん
新卒でNEC入社後、人材育成・研修業務に従事。日本マイクロソフトでシニアソリューションスペシャリストとして従事した後、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)にて社員が働きやすい環境作り、研修業務を推進。2017年働き方改革成功企業ランキング、初登場22位の原動力となる。2020年5月より株式会社 環(KAN)CHO(チーフハピネスオフィサー)として、ITを活用した自社、他社の社員の幸せになる働き方改善業務に従事。「Secure System Training Tour 2004」では、Microsoft 認定トレーナーの中から顧客満足度が高いトレーナー(第2位)として表彰された。また「Windows女子部」 創設者としても、セミナーやワークショップを全国で開催している。

テレワークの時代に求められるスキルが変化

最初に、椎野さんは「コロナウィルスの拡散によって変化した働き方」について説明する。これまでは時間を合わせ、物理的に集まって仕事をしていた会社がほとんど。ところが、時間を合わせるだけで場所は別々になり、バーチャルで集まって仕事をするようになった。

それを椎野さんは「オンライン集合型」と呼ぶ。どこにいても一緒に働ける「オンライン集合型」が広まり、従来の同じ場所に集まる「リアル集合型」と両方が混在する「ハイブリッド型」が2020年より始まった。

また、リクルートスタッフィングにおける派遣スタッフのテレワーク導入率は、2020年1月にはわずか1%だったにもかかわらず、5月までの5カ月間で、約50%にまで広がっている。

「テレワークが広まる社会において、働く人に必要とされるのはどのようなスキルなのでしょうか?」と椎野さんは問う。

椎野さんの専門とする領域で課題となっているのは、以下のふたつだ。

・オンラインのコミュニケーション
・オンラインツールの使い方

それぞれについて詳しく解説していく。

オンラインでの伝える力(コミュニケーション力)

テレワークが増えると、コミュニケーションの問題が多く発生しているように見受けられる。例えば、「忙しい時に自分の仕事を後回しにして相手の頼みを聞いてしまう」「事実と異なる相手の思い込みで怒られてしまった」「自分の意見をうまく伝えられない」「相手を説得できない」など……。

ところが、いずれも「オンラインだから」発生しているというわけではない。ひとことでオンラインといっても、「メール」「チャット」「電話」「オンライン会議」などさまざまなコミュニケーション方法がある。コミュニケーションの齟齬を改善するためには、コミュニケーション方法と伝わる情報の関係性を知っておく必要がある。


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言葉以外はすべて非言語(ノンバーバル)な情報で、私たちは日ごろから、非言語情報から多くのことを読み取っていることがわかる。一方で、対面のコミュニケーションが激減し「振る舞い・雰囲気」が伝わらなくなったため、情報が少なくなる分、オンラインに適したコミュニケーションの仕方を身に着ける必要がある。

「コミュニケーション力はひとつのスキルではありません。『聴く力』『議論する力』『交渉力』『文章力』『伝える力』などに加え、表から見えづらい『EQ(感情知能)』『観察力』『思考力』『倫理力』『分析力』などが複合的に組み合わさったもの。ダボス会議の名称で知られる世界経済フォーラムが発表した『ビジネスパーソンに必要なスキル』でも、コミュニケーションスキルとして多くの項目が挙げられていました。さらに、テクノロジーのスキルも重要視されています」


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まさに、これからの時代には、コミュニケーションスキルとITスキルの両方を継続的にアップデートしていく必要があるといえる。

必要なものをすべてTeamsに集約する

さまざまなオンラインツールのうち、Teamsが特に伸びている、と言う椎野さん。その理由は、オンライン会議やビジネスチャット、オンラインストレージをひとつのサービスで提供できるから。

情報がいろいろな場所に分散することなく、人をまとめる「チーム」と、情報をまとめる「チャネル」を使って、一元的に管理できる。必要な情報にいつでもアクセスでき、探す手間も省ける。また、ルールに従って破棄することも可能だ。

「情報を探す時間と、不要なデータを限りなくゼロに近づけていくことが重要です」と椎野さん。

例えば、チャネルにまとめられる情報は、チャットのような会話だけでなく、必要なファイルを保存したり、チャンネルに関連する会議を紐づけたりできる。過去の会議を振り返り、内容を確認するのも簡単だ。

さらに、他のサービスとの連携も用意されている。Outlookのメールをチームで共有したり、チャネル宛てに投稿したりもできる。ほかにも、情報の場所をリンクで共有することでデータの複製を防いで一元管理する、チャットの文字に装飾をしてわかりやすくするなど、さまざまな工夫と機能が搭載されている。

「チーム」と「チャネル」というシンプルな構造で、幅広い機能を実現しているTeams。シンプルだからこそ、使いやすいツールなのだ。

椎野さんがお勧めするように、ニューノーマル時代に役立つスキルとして、新しい時代のコミュニケーションスキルと、ITツールを使うスキルを身につけていこう。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)

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