現在、在宅で電話対応と、キャンドル作家の仕事を両立している、飯島翔子さん(37)。新卒後はじめてのキャリアはホテルでのウェディングプランナーだった。とても忙しかったが、やりがいもあり成果も出した。その後派遣スタッフとして携わった電話対応の仕事も含め、今の2つの仕事に役立っている。これまでの経験がつながって、新しい選択肢を生んできたという、その思いをうかがった。

*今回はオンラインで取材を行いました
*掲載しているお写真は、ご本人より提供いただきました

ウェディングプランナーとして大きなアワードのファイナリストに

社会人としてはじめての仕事だったウェディングプランナーは、学生のころからあこがれていた仕事だった。「命を懸けていた」というほど夢中になり、新郎新婦のさまざまなリクエストに全力で応えていったのだそう。

「新郎新婦にとっては、私が『できません』と言ったらそれで終わり。難しいことも、外部と何とか掛け合って実現したり、代わりになるものを提案したりして、おふたりのパーティがより良いものになっていきます。だからこそ、仕事に対して強い使命感がありました」

実現が難しかったプランはたくさんあるが、特に印象に残るのは新郎新婦が出会った高校にあるチャペルでの結婚式。上司を説得し、高校に掛け合い、実現したときには大きな達成感があった。

会社としてはじめての試みは高く評価され、飯島さんはリクルートブライダル総研が毎年開催するGOOD WEDDING AWARDでファイナリストに選ばれる。

「『ウェディングプランナーになったからにはあのステージに立ちたい』と思っていたので、発表されたときの喜びは忘れられません。ただ、目標が達成されたと同時に良い意味で燃え尽きました。今後の働き方の見直しを考えていたことと、学生のころから行きたかったワーキングホリデーの『30歳まで』という年齢制限が迫っていたので、後悔はしたくない、今しかない!と会社を辞めて行く決心をしました」

オーストラリアで新しい価値観に触れ、働き方を見直すきっかけに

ワーキングホリデー先のオーストラリアでは、さまざまな国の人のおおらかさが衝撃的だったそう。

「日本人チームはまじめな人が多かったのですが、他国の留学生やワーキングホリデーに参加する人たち、現地のオーストラリア人の働き方に『こんなに適当でいいのか…笑』と感じました。価値観が変わったというより、新しい価値観がプラスされたような感じ。必ずしも正社員になってバリバリ働くことだけが正解ではないのだと考えるようになったんです」

1年間のワーキングホリデーを経て、もっと肩の力を抜いて、自分の時間を持てるようにフレキシブルに働いてみたい、仕事以外のことを1番大切にしたいと考えた飯島さんは、「派遣スタッフとして働いてみよう」と思い立つ。

「8時間×5日間のフルタイムではなく、6時間ずつ4日間といった短い時間で働いてもいい、という考えが生まれました。『正社員として働くもの』という思い込みを外して、選択肢が増えたと感じています」

いくつか経験した仕事で、今につながっているのは企業のカスタマーセンターでの電話アンケートやテレアポ営業など、電話の仕事。言葉遣いや対応でたくさんの学びがあった。

ウェディングプランナーとして数か月に渡り顧客と接する際には、比較的フランクに話すことも多かった。ところが電話は一度きり。より臨機応変な応対が求められる。

「それなりにできると思っていたのですが、最初はとても難しかった。一度きりならではの丁寧な言い回しや、表情が見えない声だけのコミュニケーションの難しさを改めて実感し、最初は苦労しましたが、そこで学んだことが新しい自信になっています」

コロナをきっかけに在宅の仕事へ。続けていた手作りキャンドルの販売も

ウェディングプランナー時代から、インテリアや癒しのアイテムとしてキャンドルが好きだった飯島さん。ワーキングホリデーから帰国後すぐに、キャンドルづくりを習いはじめた。頑張りすぎている人たちにリラックスする時間を取ってほしいと、キャンドルを販売して癒しの時間を提供したいと考えていた。

「コロナの前までは、地元のカフェに飛び込み営業をして、お店で使ってもらいながら委託販売もしていました」

毎月買ってもらっていたが、1年ほどで終了。在宅でできる仕事に切り替えたのと同じ時期から、ネットショップでの販売を強化するようにもなった。

「コロナで電車通勤や出社が少し怖くなり、新しい働き方やバランスを見直していたころ、ちょうどSNSで電話対応の仕事を見つけたんです。完全在宅でできるうえ、カスタマーセンターやテレアポの経験が活かせる仕事でした。週に4日、それぞれ4時間働きながら自由な時間を手に入れ、キャンドル販売に更に力を入れることにしました」

今は、お金のために働く仕事を極限まで減らし、やりたいことであるライフワークで生きる道を今まで以上に模索している。一次的に収入はかなり減るものの、夫とも相談しながら、ブログ、YouTube、SNSなどの発信もはじめたところだ。

「やりたいことで生きるのは苦労の連続ですが、その苦労ならできると思う。ウェディングプランナー時代のような働き方も私らしかったけど、好きなことで生きるための挑戦も、私らしいと感じています」

キャンドル作りに活かせる資格を取得

飯島さんの作るキャンドルは、カラフルな色合わせが特徴的。たとえ火を灯さなくても、周囲に置いておくだけで元気が出るのだとか。キャンドル作りにつながるからと、色彩やアロマの資格を取得した。色彩検定は、色合わせを理論で説明できるのが役に立っているそう。

気分転換したいときに使っているのは、ヤシからできているパームキャンドル。エッセンシャルオイルはベルガモットがお気に入りで、柑橘の香りを楽しんでいる。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)

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