
「就業先のパソコンがWindows11に変わったけれど*、操作に戸惑っている…」そんな声をいただきました。今回は、基本の使い方から知っておくと便利な機能、標準搭載されているAIの使い方までを解説します。
*Windows 10は、2025年10月にサポートが終了します
1.マニュアルを作成したいので、デスクトップ上の部位名を教えて。
2.起動したいアプリのアイコンが見つからない…。
3.アイコンを右クリックした際のメニューが少なくなっている…。
4.複数のExcelを開いて作業しているため、画面が散らかってしまう…。
―デスクトップから目的のウィンドウを探すコツ
5.デスクトップのおすすめショートカットキーを教えて!
【1】AI音声入力
【2】絵文字入力・記号入力
【3】タスクバーからのアプリ起動
【4】AI字幕表示機能
【5】クイック設定
【6】設定(Windowsの設定)
【7】クリップボードの履歴
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A.意外と知らない「部位名」。知っておくと、情報取得もスムーズになります。
Windows 11のデスクトップの部位名を紹介します。
部位名を知っておくことは、役割や使い方を知る際に役立ち、もちろん人に説明する際などにも役立ちます。
▲1.デスクトップ 2.ウィンドウ 3.タスクバー 4.「ウィジェット」ボタン 5.[スタート]ボタン 6.検索ボックス 7.「タスクビュー」ボタン 8.通知領域
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A.[スタート]メニューの様相はバージョンによって変化するので「検索」からの起動方法を覚えます。
目的のアプリが見つからず起動できない、という場合には、[スタート]メニューから自分でアプリを探さずに「Windowsの検索」を賢く利用してアプリを起動します。
キーボードの「Win」を押して、「アプリ名の英文字」を入力すると、候補に目的のアプリが表示されるので、「Enter」を押せば、素早くアプリを起動できます。
Windows11は今後のバージョンでも[スタート]メニューの機能が変更される予定ですが、ここで解説している検索からの起動は将来のWindowsバージョンでも対応できます。
▲まずは、キーボードの「Win」を押す。
▲次に「アプリ名の一部」を入力する。ペイントであれば「pai」(PAINT)、電卓であれば「den」(DENTAKU)と入力すれば、対象候補が表示されるので、「Enter」を押せば起動できる。
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A.「その他のオプションを確認」をクリックするか、「Shift」を押しながら右クリックします。
Windows11でアイコンを右クリックすると、ショートカットメニュー(右クリックメニュー)は、よく使う項目だけが厳選して表示されます。
以前のWindows10のようなすべての項目が表示される右クリックメニューを表示したい場合には、ショートカットメニューから「その他のオプションを確認」をクリックします。
▲アイコンを右クリック。よく使う項目だけが厳選してメニュー表示される。ショートカットメニューから「その他のオプションを確認」をクリック。
▲旧ショートカットメニューを表示できる。あるいは、アイコンを直接「Shift」を押しながら右クリックしてもOKだ。
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A.スナップレイアウトを使えば簡単に整えることができます。
デスクトップにウィンドウが散らばっていると、整えるのが面倒ですが、そんな時に役立つのがウィンドウスナップです。
ウィンドウスナップには複数のアプローチがありますが、もっとも簡単な方法が、現在操作しているウィンドウの「最大化」ボタンをホバー、あるいは「Win」+「Z」を入力する方法です。
レイアウトの候補が表示されるため、任意のレイアウトをクリック、あるいは割り当てられた数字を入力すれば、デスクトップ上のウィンドウを整えることができます。
▲ウィンドウで「Win」+「Z」を入力、あるいはウィンドウの「最大化」ボタンにマウスポインターを合わせる。目的のレイアウト番号を入力、あるいは任意のレイアウトをクリックする(この例では「2」を入力)。
▲指定のレイアウトにウィンドウを整えることができる。なお、ウィンドウの境界をドラッグすれば、双方のサイズを変更することも可能だ。
デスクトップに複数のウィンドウが展開されている状態で、素早く任意のウィンドウ(任意のアプリ)に操作を切り替えたい場合は「タスクビュー」を活用します。
タスクビューの表示は、タスクバーの「タスクビュー」ボタンをクリック、あるい「Win」+「Tab」を入力します。
タスクビューが表示されたら、任意のウィンドウのサムネイルをクリックすれば、対象のウィンドウに切り替えることができます。
なお、ここでは先に説明したウィンドウスナップを行うこともでき、サムネイルを右クリックすれば、「右にスナップ」「左にスナップ」などを指定して、ウィンドウを並べることもできます。
▲タスクバーの「タスクビュー」ボタンをクリック。ちなみに、このボタンをクリックするよりも「Win」+「Tab」を入力したほうが手早い。
▲タスクビューのサムネイルをクリックすれば、対象ウィンドウに切り替えることができる。また、サムネイルを右クリックすれば、ウィンドウスナップを指定することも可能だ。
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A.「Win」を押しながら、各種キーを入力します。
キーボードの「Win」を利用すれば、各種Windowsの主要機能にアクセスできます。
以下は、よく利用する代表的なWindowsのショートカットキー7つです。
【1】AI音声入力
Windowsは「AI音声入力」に対応しており、キー入力をせずともマイクに向かって話すだけで日本語入力が可能です。
Wordやメモ帳などの文字入力場面で「Win」+「H」を入力すれば、音声入力を起動することができます。
▲「Win」+「H」でAI音声入力を起動。普通に話せば、AIで日本語入力を実現できる。
【2】絵文字入力・記号入力
絵文字や記号を素早く入力するには「絵文字パネル」が最適です。
「絵文字パネル」はショートカットキー「Win」+「.」で表示できます。
▲「Win」+「.」で絵文字パネルを表示すれば、絵文字を簡単に入力できる。また、「記号」をクリックすれば一覧から記号を入力することもできる。
【3】タスクバーからのアプリ起動
タスクバーのアイコンにおいて、未起動の場合にはクリックすることでアプリ起動、また起動済みのアプリはクリックすることでアクティブ/最小化を行うことができますが、ショートカットキーであれば「Win」+「数字」を入力することで同様の操作を行うことができます。
なお、ショートカットキーの「数字」は、タスクバーのアイコンの左から順に「1」「2」と割り当てられています。
▲タスクバーのアイコンは、未起動であれば「Win」+「数字」で対象アプリを素早く起動することができる。なお、起動済みの場合でも複数起動対応アプリであれば、「Win」+「Shift」+「数字」で起動することも可能だ。なお、ショートカットキーにおいてはテンキーの数字は非対応であることに注意だ。
【4】AI字幕表示機能(ライブキャプション)
Windowsは現在デスクトップで再生されている音声(動画音声など)を認識して、字幕化することが可能です。
このAI字幕機能ライブキャプションを利用するには、「Win」+「Ctrl」+「L」を入力します。
▲「Win」+「Ctrl」+「L」でライブキャプションを起動。デスクトップで再生されている音声(動画音声など)に従って、自動的に字幕表示を行える。なお、初回利用時はライブキャプション関連機能のダウンロードが必要になる。
【5】クイック設定
Wi-Fi/Bluetooth/ボリューム/輝度(画面の明るさ)などを設定したい場合には、「クイック設定」を起動します。
クイック設定は「Win」+「A」で表示できます。
▲「Win」+「A」でクイック設定を表示。各種機能を素早く調整できる。なお、調整できる項目はパソコンのハードウェアによって異なり、該当パソコンが対応しない機能の調整はできない。
【6】設定(Windowsの設定)
Windowsを設定する際には、[スタート]メニューなどから「設定」をクリックする必要がありますが、ショートカットキーであれば「Win」+「I」で素早く表示することができます。
▲「Win」+「I」で「設定(Windowsの設定)」にアクセスできる。よくWindows 11の設定を行う場合にはおぼえてしまったほうがよいショートカットキーだ。
【7】クリップボードの履歴
クリップボードの履歴を活用すれば、以前コピーしたアイテムなどにアクセスしたうえでペースト(貼り付け)が行えるので便利です。
クリップボードの履歴は「Win」+「V」を入力することで表示できます。
▲「Win」+「V」でクリップボードの履歴を表示できる。なお、クリップボードの履歴を利用するには、あらかじめ「設定」→「システム」→「クリップボード」内の「クリップボードの履歴」がオンになっている必要がある。
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今回は「Windowsのデスクトップ操作」について解説しました。
Windowsは定期的にアップデートされ、バージョンが変わるごとに新しい機能が追加されたり、既存の機能が変更・廃止されたりします。この際、操作方法やショートカットキーが変更されることもあるため、定期的に使い方を見直し、学び直すことが大切です。
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・WindowsのAIは、仕事で使える?
・長文のPDF資料は、AIで要約できる?
・仕事文がニガテ。AIは添削できる?
・写真の背景だけ削除できる?
・WindowsのAI、使いかたは?
・写真に写りこんだ、人・モノは消せる?
・WindowsのAI、表は作れる?
・スクショ画像、部分的に欲しい
・AIを使って、伝わる文章に
Microsoft MVP(Windows and Devices)を19年連続受賞。Surface MVPでもある。ビジネスの現場に即したパソコンの解説を得意とし、Windowsの操作・カスタマイズ・ネットワークなどをわかりやすく個性的に解説した著書が多い。著書は80冊以上。『安心して働くためのパソコン仕事術』(SBクリエイティブ)『毎日の面倒な作業がなくなる!Copilotビジネス活用術』『帰宅が早い人がやっている パソコン仕事 最強の習慣112』(翔泳社)など。