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続々登場する「Copilot」。有料・無料版の違いは?

生成AIが多く使われるようになり、各社からさまざまなサービスが登場しています。その中でもMicrosoft社から多く提供されているのが「Copilot」という名前のつくサービス。個人で試せるものとしてどんなものがあるのか、その違いを使用例とあわせて紹介します。

次々登場する「Copilot」

以前コパイロットについて解説した記事ではプログラマ向けのコード支援ツールとしての「GitHub Copilot」や「Amazon CodeWhisperer on VSCode」というサービスを紹介しました。

その後も「Copilot」という名前が付いたサービスが次々と登場しています。

Microsoft社から登場したCopilotサービスの一例
  • 「Windows Copilot」:Windows 11に搭載
  • 「EdgeでのCopilot」:WebブラウザのEdgeでサイドバーからアクセス可能
  • スマホアプリ「Copilot」:日常的なAIアシスタント

そして、PowerPointやWord、ExcelなどMicrosoft 365で使えるものとして「Copilot for Microsoft 365」があります。これまでは300人以上のユーザーがいる法人でしか利用できませんでしたが、Microsoft 365 Business Standard/Business Premium、Microsoft 365 Enterprise E3/E5といったプランでも利用できるようになったことから、小さな企業でも使えるようになりました(月額30ドル)。

さらに、個人でも利用できるプランとして「Copilot Pro」が登場しました。「Copilot」の有料版として月額20ドル(3200円)で、さらにMicrosoft 365 Personalなどを契約していると、上記の「Copilot for Microsoft 365」でのAI機能が使えます(Copilot Proには、法人用とは異なるため「Copilot in Teams」などはありません)。

このように、「Copilot」という名前だけだと、どのような機能を指すのか、よくわからない状況になっています。

企業で導入されている場合は、「Copilot for Microsoft 365」や「GitHub Copilot」が多いと思われますが、今回は個人でも気軽に試しやすい「Windows Copilot」や「EdgeでのCopilot」、スマホアプリでの「Copilot」などでどんなことができるのか、無料で使える範囲と有料版の「Copilot Pro」との違いについて簡単に紹介します。

無料で使える「Copilot」

ここでは会員登録なども不要で、Windows 11やEdgeなど以外でも使えるサービスとして、Webブラウザから使える「Copilot」をベースに解説します。なお、以下で紹介する内容はWindows 11やEdgeでも同様のことができますし、iOSやAndroidで動くスマホアプリでも使えます。

このCopilotは、OpenAI社の「ChatGPT」のように、チャット形式でやり取りすることで、さまざまな処理が可能です。

■参考URLも提示してくれる

たとえば、次のように質問すると、その回答と合わせて参考となるURLを返答してくれました。返答内容は同じとは限りませんし、回答された内容が正しいとは限りませんが、参考となるURLが記載されているのは便利です。

■画像生成も可能

そして、Microsoftアカウントを作成してサインインすると、質問できる件数が増えますし、過去のチャットの履歴を閲覧できます。単にチャットをするだけでなく、画像を生成することもできます。

たとえば、次のようにチャットで問いかけると、画像が生成されました。

■音声入力や、URLからサイトの要約も可能

チャットの文章を入力するときに音声入力も使えますし、ちょっとした疑問があるときには便利でしょう。

さらに、次のようにWebサイトのURLを指定して、そのサイトに書かれている内容を要約することもできます。

このように、チャットでさまざまな指示を入力することで、インターネット上で検索するよりも効率よく情報を得たり、新しいものを生成できたりします。

有料版の「Copilot Pro」

■最新モデルを高速で使用できる

上記の無料版の「Copilot」ではチャットでやり取りできるだけですし、多くの人が使っているピーク時には「GPT-4」や「GPT-4 Turbo」といった最新のモデルを使用できません。

有料版の「Copilot Pro」を契約すると、ピーク時でも「GPT-4」や「GPT-4 Turbo」といった最新のモデルを使用でき、高速かつ精度の高い結果が得られます。

■Word、Excel、PowerPointでも使える生成AI

さらに、Microsoft 365のPersonalやFamilyといったプランを契約している場合には、WordやExcel、PowerPointなどでも使えるようになります。これは大きな違いでしょう。

たとえば、Wordであればビジネス文書を自動生成できたり、PowerPointであればスライドを自動生成できたりします。

具体的には、「企業が対策すべきセキュリティについて、15枚のスライドを作成してください」のように指示をすると、画像付きでプレゼンテーション資料を生成できます。また、「5枚目のスライドの画像を、南京錠などの暗号化を想像させるものに置き換えてください」のような指示を出すことで、画像の差し替えなどもできます。

もちろん、生成されたものをそのまま使えることはほとんどなく、手作業での調整は必要になりますが、細かく指示することで、典型的なビジネス文書のようなものであれば、それなりに使えるものが生成されます。

今後に向けて

有料のCopilot Proや、法人向けのCopilot for Microsoft 365を導入する価値があるかは人や組織によって異なりますが、今後もできることが増えていくことが期待されています。最新の情報に注目していきたいものです。

【筆者】増井 敏克さん
増井技術士事務所代表。技術士(情報工学部門)。情報処理技術者試験にも多数合格。ビジネス数学検定1級。「ビジネス」×「数学」×「IT」を組み合わせ、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援や、各種ソフトウェアの開発、データ分析などを行う。著書に『Pythonではじめるアルゴリズム入門』『図解まるわかり プログラミングのしくみ』『「技術書」の読書術 達人が教える選び方・読み方・情報発信&共有のコツとテクニック』、最新刊の『実務で使える メール技術の教科書』(以上、翔泳社)がある。

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