「最前線で働くキャリアウーマンになりたかった」という黒須真里奈さん(27)。実際に、正社員として“バリキャリ”と言える働き方を手にしながらも、仕事に全力を注ぐ生活に疑問を感じるように。現在、派遣スタッフとして働くようすを聞くと途端に表情が柔らかくなり、「すごく、働きやすいです」と実感を込める。そんな黒須さんにとっての「らしさ」を聞いた。

「負けたくない」気持ち。強くなるしかなかった

小中高一貫の女子校に通っていたという黒須さん。その時に辛い経験をしたのだそう。

「お嬢様学校だったので、比較的サバサバしていた自分はあまりなじめなかったように思います。いじめられていたこともあり、当時の記憶がないほど。『強くならなきゃ』と思うと共に、勉強を頑張って『負けたくない』と思っていました」

小学校の頃から学び始めた英語が好きで、英語を使った仕事に就きたいと考えた。英文科卒業後の就職は物流業界へ。1年目は倉庫現場での業務だったものの、2年目には国際部門へ転籍。2年間在籍した後、専門商社へ転職することになる。

バリキャリに憧れて突っ走っていた頃

転職先の商社では、アメリカのメーカーから商品を輸入し、クライアントの国内重機メーカーへ卸す仕事だった。

「お客様へのヒアリングをはじめ、海外メーカーとのやりとり、納期調整、生産管理、輸送の手続きなどを担当していました。数字と向き合ったり、交渉したりするため、やりがいがある一方で、気持ちの負担が大きかったです」

それでも、女子校時代から「強くありたい」と思っていた黒須さん。キラキラしたキャリアウーマンへの憧れを抱いていた。

「キャリア女性向けの雑誌を毎号買って読んでいました。ある日、そこに掲載されている女性たちを見て、当時同棲中だった今の夫が『その人たち、性格キツそう』と言って……。それを聞いてびっくりしたんです」

夫の一言が、「強くならなきゃ」と思っていた自分の価値観に対して疑問を抱くきっかけになる。同時に、肩肘を張っていた自分を見直すことに繋がった。

一番大事なのは、家庭を守ること

「結婚を前に、一番に家庭を大切にしたいと思っている自分に気がつきました。同時に、雇用形態にこだわらなくてもいい、と思えて」

固定観念を払いのけ、次の転職で派遣で働くことを選択肢のひとつに。よい働き口が見つかり、2016年4月から働きはじめる。

「派遣に対して持っていたイメージと違い、ちゃんと仕事を任せてもらえています。会社の事業はフォワーダー(貨物利用運送事業者)で、私は大手アパレル企業のお客様を担当し、関連業務の多くを任されています。決して指示待ちではありません。また、繁忙期以外は早く帰宅できたり、用事があって休みたいときには対応してもらえたりと、融通を利かせてくれます」

負担にならない程度の責任と、柔軟な働き方ができる喜び。黒須さんにとって、ちょうどいいバランスだった。

プライベートでは、現在の職場で働き始める1カ月前に籍を入れ、同年の9月に挙式。女子校時代の想いから「男性に媚びているんじゃないか」と考え、以前は女性らしくするのに抵抗があった。そんな黒須さんにとって、ウエディングドレスに合わせて髪を明るくしたのは初めての体験だったそう。

やりたいことを「選べる」のが大切

派遣スタッフとして働き始め、私生活にも余裕を感じられるように。現在は、さまざまな人の「人生が変わったキッカケ」を小説風に公開するメディア『KeyPage』を知人と立ち上げ、監修などを担当している。

「転職を考えていたときに起業することも頭にあり、さまざまな人に会って話を聞きました。その時に知り合った方たちと立ち上げたメディアです。まだ収益化はできていませんが、アクティブに活動している人たちとアイデアを出し合っていると、とても刺激的です」

さらに、2週に1度、知り合いから心理学のレクチャーを受けているのだとか。資格取得の後には、カウンセリングなどを通して身近な人を助けてあげたいと考えている。「仕事」「家庭」「メディアの運営」「心理学の勉強」をそれぞれ同じくらい大切に思っているそう。

「将来のことは、具体的なビジョンがあるわけではありません。子どもができたら、子ども中心になるかもしれませんし。ただその中で大切なものを見失わず、自分らしく柔軟に選んでいきたいと思っています」

ネイルに間違われることもある指先の「お花」で気分がアガる

お気に入りのアイテムは、「メクリッコSweet」という名の指サック。紙の資料を扱うことが多く、めくりやすくするためにマストなのだとか。3種類あるので、朝の気分に合わせて使う色を選ぶ。

ノートとペンケースは、おそろいの色違い。デザインが気に入って購入。A5サイズのノートには、ペンで細かくメモが書かれている。間違えたら消せるようにフリクションボールノックを使うという几帳面さが仕事にも活きていそう。

メディアの更新にも利用するというSurface pro4。会社帰りや土日にカフェなどで作業することもある。

ライター:栃尾 江美(とちお えみ)
カメラマン:延原 優樹(のぶはら ゆうき)

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