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大人になっても、まだまだ成長できる。バレエに魅せられて、毎日が充実しはじめた

「プライベートがあるからこそ、仕事が充実するんです」。ある就業先でふれた考え方に感銘を受けた、冬頭舞さん(36)。仕事は仕事、プライベートはプライベート。そうはっきりと位置づけて、自分が心地よく過ごせるバランスをとるようにしている。派遣スタッフとして働きながら、週2日はバレエ教室に通うなど、自分が「やりたい!」と思う気持ちに貪欲な彼女。その原動力は、一体どこからわいてくるのだろうか。

トウシューズに憧れ、大人になってバレエをはじめる

憧れたのは、トウシューズをはいて華麗に舞うクラシックバレエ。2歳から習っていたというモダンバレエから思いきって転向したのは、24歳をすぎてからのことだった。

「ものごころつく前から教室に通っていたので、モダンバレエが何なのかよくわかっていなかったんです(苦笑) いつ私はトウシューズが履けるのかな? なんて思ったりして」

大人になって日々の仕事をしながら、新しいことをはじめる。それはなかなかハードルが高いことだ。でも冬頭さんは、基礎からクラシックバレエを習うことにした。もはや“習慣”のようでもあるバレエを、彼女は10年以上続けている。

「10年経っても、まだまだできない動きや、やったことのない領域がたくさんあるんです。未だに自分が成長するのを感じられる。それが楽しいですね」

大好きな音楽……仕事にはせず、楽しむことを選んだ

しかし最初から、冬頭さんが今のライフスタイルを目指していたわけではない。もともと音楽が好きで、絶対音感などの素養も持ち合わせていた彼女。はじめは音楽系の専門学校に入り、ゲーム音楽に関わる仕事をしたいと思っていたそう。

でも音楽の第一線で活躍しようとするのは、やはり相当厳しいことだった。

「もう専門学校に入っている時点で、プロにはなれない……当時はそんな世界だったんですよね。それに、仕事にしていろいろな制約に苦しむよりも、楽しむことを忘れたくないな、と。それで音楽と仕事は、完全に切り離して考えるようになりました」

別の仕事をしよう。でも自分は何ができるのかわからない――そんなときにたまたま登録したのが人材派遣会社。それがきっかけで、冬頭さんは派遣スタッフとして働くようになった。

そして、とある外資系の大手企業で働くことになったとき、その会社のスタンスに大きな影響を受けることになる。

プライベートは我慢しない。ある企業でふれた価値観

「プライベートあってこその仕事。だから仕事を優先して、プライベートを我慢してはいけない」――その外資系企業では、会社全体がそうしたスタンスを大切にしていたそうだ。就業先の管理職の方も、冬頭さんに対してそう繰り返し伝えてくれた。

「すごくいい考え方だなと、とても感銘を受けました。いろいろな職場で働いてきましたが、日本企業は、どうしても“仕事優先”という雰囲気のところが多いじゃないですか。私自身もそうした考え方がしみついていたので、少しずつ、仕事とプライベートを切り分けて考えるようになりました」

今ではすっかり、そうした意識が自身にも根付いたという冬頭さん。週2日のバレエ教室をはじめ、温泉付きのスポーツジムに通ったり、はたまた自宅で飼っている2匹の猫とたわむれたり……自分の好きなことと向き合う時間を、大切にするようになった。

「正直、家事は手抜きです(笑)。うちは夫がすごく家事をしてくれる人なので、それで家庭のバランスが保たれている感じですね」

「バク転以外ならOK」? 新しい仕事へのつきない興味

ちなみに彼女、仕事を選ぶことに関してはかなりのチャレンジャーぶりを発揮している。新しいジャンルの仕事に携わることへの不安を感じる人が多いなか、今でも「バク転以外だったら、なんでもやります!」と、前向きな姿勢を崩していない。

ちなみに現在の就業先は、都内にある衣料品関連会社だ。冬頭さんの仕事は、お客様に配付する会報誌制作のアシスタント業務である。

今の仕事を楽しみつつも、将来的には、まだまだ他にもやってみたい仕事がいろいろあるそうだ。

「ゲーム関係の仕事についていた経験があるので、プログラミングにも興味があるんです。実は少しスクールにも通っていたことがあって。なかなか実務未経験だと仕事につくのは難しいですが、機会があればチャレンジしてみたいことのひとつですね」

仕事はもちろん、プライベートでも冬頭さんの興味はつきない。英会話をはじめたい。昔やっていたアルトサックスの練習を再開したい——。

平日はきっちり派遣スタッフとして働き、それ以外の時間を自分のために存分に使う。そんな充実した日々が、いま、冬頭さんの人生を彩っている。

バレエの発表会に向けて、憧れの難曲に挑戦中

バレエの練習着として使っているTシャツには、「バレエ魂」の文字が。これを着ていると、周りの人の目にとまり会話のきっかけになるのだそう。

また愛用のトウシューズは、ロシアの「グリシコ」というメーカーのもの。なかなか自分の足の形やサイズに合うものが見つからず、7年以上かけてたどりついたのだとか。Tシャツもトウシューズも、大好きなピンク色を選んだ。

日々の練習成果は、年に1回行なわれる発表会で試される。冬頭さんは今年、新たな曲にチャレンジ中だ。

「今回は先生に好きな曲を選んでいいといわれて、憧れていた『エスメラルダ』という作品の中の、『エスメラルダのバリエーション』を選曲しました。今の私にはちょっと背伸びが必要なので、猛特訓中です!」

ライター:大島 悠(おおしま ゆう)
カメラマン:福永 仲秋(ふくなが なかあき)